↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
インターホンの怪異  作者: 天空 浮世


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
1/8

01

 ピンポーン。


 誰も居ない家でインターホンが鳴る。モニターが自動的に起動して、そこに一人の男が映る。


「これは、私が実際に体験したお話です」


 ピンポーン。


 その音は、まるで出ないと何か良くないことが起こるような、出てしまったら最後、もう逃れられないような不安感を煽る。


「はいはーい、今出ますよっと」


 俺は寝転んでいた身体を起こしてインターホンの画面を開く。画面に映っていたのは紺色のスーツを着た、二十代くらいに見える女だ。顔は俯いていて見えず、首元は赤く濡れていた。


「これは、私が実際に体験したお話です」


 俺が何も言わずに見ていると、インターホン越しに話し始めた。


 私はとある会社の営業に所属していました。

 ひたすらに足で数を取る仕事で、私の携帯には幾つもの電話番号が並び、名刺の数はもはや数えることすら億劫でした。


 ある日、知らない番号から電話がかかって来ました。そんなことよくあるものですが、その電話は他とは明らかに違っていました。


 電話番号が、おかしいのです。

 普通電話番号なんてのは、080や090。070なんかも最近はありますが、その番号は、000から始まっていました。

 

 その日は連勤の最終日。3コール以内に出ろと常々言われており、疲れていたのもあって、反射的に電話を取りました。


「ユキジマエナカさんのお電話ですか?」


 聞こえて来たのは、男性のくぐごもった声。

 大抵、電話に出ると同時に、相手は自身の名前と所属を名乗ります。


 ただ、それを省略されることもあります。ですが、この程度で腹を立てていたら営業は出来ません。私は精一杯の元気を込めて話しました。


「はい! ユキジマです! ご用件はなんでしょうか?」


「ありがとうございます。それでは向かいます」


「はい?」


 何度か聞き返しても、その言葉を最後に電話の主は事切れたように黙ってしまった。


 悪戯電話だったのだろうか? だとしたら、何で私の名前を知ってるの?

 何だか不気味で、もう切ってしまおうか。そう思って携帯から耳を離した瞬間です。


 シャリン、シャリン。


 金属の擦れる音。


 シャリン、シャリン。


 一定の間隔で鳴り、まるで不気味な怪物が舌舐めずりをしているみたいに聞こえて、


「もう、切りますね!」


 私は思わず電話を切ってしまいました。


 ただ、おかしいんです。電話を切っても聞こえるんです。


 シャリン、シャリン。


 私の背筋をゾッと冷やす金属音が。


 この音は携帯から鳴ってるんじゃない。私の近く、真後ろで鳴っているんだって。


「ご清聴、ありがとうございました」

執筆の励みになります。


気が向いたら感想や評価などしてってください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。