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かべ
最後の一撃は、同時だった。
ユウトの剣と、敵の攻撃。
衝突。
衝撃。
そして――静寂。
ユウトは膝をつく。
敵もまた、一歩引いていた。
「……ここまでか」
敵は肩をすくめる。
「今はな」
完全な勝利ではない。
だが――敗北でもない。
「次は殺す」
そう言い残し、姿を消す。
残された静寂の中、ユウトは息を吐く。
(届いた……)
ほんの少しだけ。
だが確実に、あの背中に触れた。
ミリアが呟く。
「……本当に、変わりましたね」
リナは笑い、カレンは満足げに頷く。
ユウトは立ち上がる。
次は、決着をつけるために。
その時――誰もまだ知らなかった。
あの敵の背後に、“もう一人”いることを。




