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再戦
ユウトたちは、かつて敗北した森へと足を踏み入れた。空気はあの時と同じ、いや、それ以上に重く感じられる。
「……ここか」
カレンが低く呟く。
リナは少し緊張した面持ちで周囲を見渡し、ミリアは静かに祈るように目を閉じた。
ユウトは一歩前に出る。
(逃げない)
あの時、自分は何もできなかった。仲間を守れず、ただ壊されるだけだった。
だが今は違う。
剣を握る手に、確かな力が宿っている。
「来いよ」
挑発でも強がりでもない。ただの事実として、そう言った。
その瞬間――気配が変わる。
「ようやく来たか、勇者」
背後から響く声。
振り返る必要はなかった。
分かっていたからだ。
――あの時、自分を叩き潰した存在が、そこにいる。




