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好きだと気づいた時には遅くて、相手にはすでに他に好きな人がいて、ただ一人で泣くしかなかった。



子供の頃からずっと一緒で、何をするにもどこかに行くにも一緒だった。

だから彼を好きになるのは自然な流れだったけど、恋愛感情で好きになった時にはもう遅かった。

彼には思い人がいて、その相手も僕たちとずっと一緒にいた友達。

僕たち3人は子供の頃からずっと一緒。幼稚園から高校になるまでずっと。

だから、彼がカレを好きになるのも自然な流れだった。




彼がカレを好きなんだと気づいたのは、彼がカレの話をしてる時に見せる目で「ああ、好きなんだな」って気づいて。

カレの話をしてる時、彼の目はずっと優しくて、蕩けるような目をしていた。その目を見て、僕の失恋が確定した瞬間だった。






◇◆◇






高校に上がった時、僕ら3人は同じ高校に通うことになって、最初の一年は同じクラスだったから、一緒に過ごしていたけど、2年になる時に、僕だけクラスが変わって、2人と距離を取ることにした。

いい加減諦めたかった。いい加減苦しくなるのをやめたかった。


2年になって3ヶ月、夏休み間近の時に、2人が付き合い始めたと噂で知った。

やっぱりか、の気持ちと、なんで僕じゃないんだって気持ちで苦しくなった。

苦しくて、苦しくて、苦しくて。でも泣きたくなくて。それでも涙は全然枯れなくて苦しくて。




夏休みの間、2人に会わないように必死で、連絡もしないし、連絡来ても返信することなく、夏休みの間はずっとバイトして過ごしてた。





「斎藤くん」

「はい?」

「もう終わりでしょ?一緒にご飯行こー」





2年になってから始めたコンビニでのバイト。

2人を見ないように、2人に会わないように始めたバイトだったけど、それなりに楽しいと思うようになってきた時に、この人、小川伊織さんに何故か懐かれた。

小川さんは、一つ上の先輩で、僕と同じ学校だったこともわかってから、少しだけ距離が近くなった。入った当初は怖い人だな、と思ってたんだけど、少しだけ人見知りしてたらしい。





「…いいですけど…またラーメンですか?」

「え?なんでわかったの?」

「いや、この前もラーメンだったじゃないですか」

「えー?そうだっけー?」

「そうですよ」





小川さんは、見た目は茶髪で遊んでそうな雰囲気があるのに、仕事は真面目で、学校での成績も悪くなくて、友達も沢山いるらしい。

そして仲良くなると懐に入ってくるのが早い。

この数ヶ月で、何回もバイト終わりにご飯に行ってるくらい。

ただのバイト仲間である僕なんかに、なんで優しくしてくれるのかはわからないけど、小川さんといると心が落ち着くようになった。

今までのこととか、これからのこととか、変に考えなくていいし、なんか一緒にいると楽しいし。





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