第47話
……やめろ……。
「ん~? 事実なんだけどなぁ……」
やめろ……。
「はいはい、分かったキャ~」
俺の魔力は怒りで膨れ上がっていた。身体から漏れ出る魔力は壁に亀裂を入れ、大地を揺らす。魔力が殆どないと診断された俺はどこへいったのだろうか。魔法を繰り返し行使し続けたことで魔力はとてつもない量になった。
「これはすごい魔力だねぇ~。オレッチたちの計画に是非利用させてもらいところだねぇ~」
……計画?
「知りたい? 知りたいぃ~?」
デスは首をグリンと傾け、ニヤニヤした顔つきで俺を見てくる。実に不愉快だ。
「知りたいなら付いて来なぁ~。魔王のところへ案内してあげるよぉ~」
そう言うとデスは余裕そうに俺に背を向け、翼を羽ばたかせてゆっくりと飛んでいった。
…………。
俺はそれに黙って付いて行った。油断することなく、デスが妙な真似をしないか観察しながら、周囲から襲われる可能性を考慮しながら、慎重に付いて行った。
「ここだよぉ~、魔王がいるところは。ケキャキャ」
デスは魔王さまではなく魔王と呼んでいた。悪魔たちの王である者を敬っている様子が見られなかった。それとも悪魔にとってはこれが普通なのだろうか。
「ケキャッ」
デスは目の前の大きな扉を開ける。扉の先は非常に大きな部屋。本来王と謁見する際に用いる部屋なのだろう。
「ケキャッ。連れてきたよぉ~」
「……連れてきました、だ、デスよ」
部屋の奥にいたのは、ヨイツ帝国とユブン王国の戦争中、俺がオウガ将軍の居た天幕で初めて会い、地面の崩落から脱出して外に出た時に、空に浮かんでいた無口の男だった。
「久しぶりだな、遅歩くん」
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




