第13話
次、また火属性による広範囲魔法。
「水壁の魔道具を作動せよっ!」
エリスが兵士たちに指示を送る。俺たち――ヨイツ帝国の兵士――と戦っているのはユブン王国の兵士たち。ユブン王国の兵士たちは主に火属性による広範囲魔法を使ってきている。戦略性のない単純な攻撃のため、戦争という恐怖は既に俺の心から消えていた。
「魔眼は使い慣れてきたようだな」
もう大丈夫さ。
魔眼は自身の体の一部であるため、身体への負担もない。目を酷使して疲れるだけだ。
にしても、こんな魔法の撃ち合いだといつ決着が付くのやら。
「大丈夫だ。裏で動いている部隊がいるから、そいつらが本陣を叩いてくれればおしまいだ」
いつの間に。ちなみにどこに居るのさ。
「それはな……、地面の下だ」
エリスは地面の下だと言った。それはつまり、土魔法で地面を動かしているということだ。なんという地道な作業。まさに面倒くさい。
ま、俺なら簡単に出来るけどな。
「何を言っている。お前は風属性だろ。ましてや最弱の魔法で何がどう出来るというのだ」
お、ちょうどいい。見てなって。
「え?」
ユブン王国の部隊から水魔法の《水弾》が俺に向かって飛んでくる。
「馬鹿者! 何故指示を出さない!」
エリスは俺の前に大急ぎ出て、《土壁》を創りだそうとする。
大丈夫だって。《分解》。
俺の眼の前に迫っていた水弾は霧より小さく、おそらくは水分子まで小さくなっていった。
「こ、これは一体……」
これが風魔法の真髄さ。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




