第12話
戦場の最前線にある、仮設の待機施設にやってきた。最前線というだけあり、遠くで火や水が舞っているのが視界に入る。
異世界召喚後いきなりえらい所に連れて来られたもんだ。
「いつまで文句を言っている」
俺は今、戦闘モードになったエリス――言葉遣いが変わるだけ――に引きずられながら将軍の元へと向かっている。
「オウガ将軍! 元特殊部隊四班隊長エリス、風間遅歩を連れてまいりました!」
「入れェッ!」
天幕がビリビリと震えるほどの声量で返事が返ってくる。その声にビビりながらエリスに続いて天幕内に入ると、中にいたのは三人の屈強そうな戦士たち。
一人は大きな椅子にどっかりと座り、いかにも将軍な風貌をした身体の大きい四十歳ほどの男。二人目は椅子に座る男の右側に立つ背の高い男。彼は腕を組んでいるがそれにより盛り上がる筋肉は尋常ではない。三人目は椅子に座る男の左側に立つグラマーな女。彼女は椅子に座っている状態の男と同じくらいの背で女性にしては低めだったが、手に持つ武器は身体に不釣り合いな巨大なハンマーだ。そして椅子に座っている男が、さわりと女のおしりを触ったようで、女はグーパンを座っている男の顔面に叩きつけていた。
「よ、よく来た、風間遅歩。俺がここの戦線を任されているオウガだ」
「変態オウガ将軍よ……」
ハンマーを持つ女はボソリと呟く。うん、確かに変態オヤジだと思う。
「お前には高台から指示を出して欲しい。敵に狙われやすいが、敵の放つ魔法を事前に察知できるのは大事なことなのだ」
華麗にスルーをする変態オウガ。
「と、その前にエリスちゃん、今夜一緒に寝ない?」
「嫌だって言ってるでしょっ!」
これも日常茶飯事の光景なのだろうか。オウガの右側に立つ男は黙ったまま直立不動状態だった。オウガ将軍は、節操が無い変態中年オヤジだった。
1分間の読書、ありがとうございました。
また明日の18時に会えることを願っています。




