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異世界を助けに行ったら草薙の剣と戦艦大和があったので私TUEEEします ~ミサカさまがいく~  作者: wok
リヴィエラ内戦

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第79話 七万人

江田島・扶桑海軍兵学校——


私は兵学校での座学を思い出す。


風変わりな教官だった。


「我々の使命は扶桑の平和を守ることです」

「国民の生命と財産を守るための盾とならねばなりません」


男子候補生が手を上げる。


「成瀬候補生」


「はい」


成瀬候補生は立ち上がり質問した。


「扶桑の平和を脅かす者に対して国民の盾としてどう行動すれば最善でしょうか?」


「いい質問です。まず成瀬候補生の考えを聞かせてください」


教官は腕を組んだ。


「自分は扶桑の平和を脅かす存在をつくらないことが最善であると考えます」


「確かに成瀬候補生の言うことはもっともです」


「それは政治家の仕事であり外交により達成されるものです」


教官は一呼吸置いて話を続けた。


「しかし、外交の最終手段が戦争である以上——」


「国の命あらば、迷うことなく職務を全うしてください」


「つまり、命令があれば殺せと——————」


教室がざわつく。


「殺してください。それが我々軍人です」


教官は眼鏡に手をかけた。


静まるのを待って教官は続けた。


「少尉候補生の皆さんなら大和の話は知っていますね」


教官は候補生達を見渡した。


「ミサカ候補生。大和について教えてください」


私は立ち上がり話した。


「大和は扶桑を救った戦艦です」


「扶桑歴1941年12月16日に連合艦隊旗艦として……」


「————です」


「扶桑歴1945年4月6日、第二艦隊旗艦として沖縄へ出撃」


「……皇都第三研究所で新開発された三式弾改七と電波探信儀百式が搭載されていました」


「それらの新兵器を駆使して列強連合の航空機、戦艦群、上陸部隊を殲滅しました」


「あの戦いによって講和が成立。扶桑はぎりぎりのところで救われました」


「そして扶桑歴1955年に突然消失し今でも行方不明のままです」


「流石はミサカ候補生」


「首席だけのことはあります」


教官は頷いた。


「大和が戦ってくれたから、今の私たちは生きている」


「少し言い方を変えましょうか」


教官は一呼吸おいて話した。


「大和が列強連合の兵士十万人を殺戮したから————」


「今の私たちは生きている」


◆ ◆ ◆


大和・第一艦橋——


「ミサカ」

「ミサカさま」

「お姉さま」


私は現実に戻る。一同が心配そうに私を見つめる。


「大丈夫です。ありがとう」


私は右手でカルラの頭を左手でレイナの頭を撫でた。


「えへへ」


カルラは微笑む。


「ミサカさま」


レイナは顔を赤くする。


「主砲発射準備完了です」


ヤマトヒメが告げる。


前世のボンノーさんは大和に乗りこみ沖縄の海で戦ってくれた。


ボンノーさんたちが戦ってくれたから今の私がいる。


守るために撃つしかない。


リヴィエラの仲間を守るために————


(私は帝国兵を殺す)


私は命の選択をしているのかもしれない。


(だけど————)


私は震える腕をあげて振り下ろした。


「撃て、連続射撃」


と告げた。


午前三時——


三基九門の主砲が一斉に火を噴いた。


轟音と振動で大和が揺れる。


第一斉射を終えた主砲が少しずつ方位角と仰角を変える。


「第二射、標的31C」


主砲は微調整をしながら砲撃を続けた。


◆ ◆ ◆


大和から20km先の帝国軍陣地——


「ん?」


「なんだあれは?」


歩哨の兵士が上空を指さした。


空に花火が炸裂したように見えた。


バカァァァァン、シュルルルゥゥゥ


そして——


「息が!」


歩哨の兵士たちが喉を抑えながら倒れこむ。


ズサ、ズサ、ズササ


桜の花びらの形をした破片が降り注ぎ、鎧や皮膚を切り裂く。


血しぶきが飛ぶ。火花が散る。


次の瞬間——


まき散らされた濃縮可燃性ガスが引火し爆発。巨大な炎が巻き起こる。


寝ていたものはある意味幸せだろう。寝ている間に焼かれた。


「体が焼ける、助けてくれー」


「水、みずぅ~」


「俺はまだ死にたく——」


起きていたものは命尽きるまで地獄の苦しみが体を駆け巡った。


帝国陣地はまたたく間に火の海と化した。


◆ ◆ ◆


二時間経過——


日が昇り始めた。


「撃ち方止め」


私は震える唇を開き、静かに命じた。


大和が帝国軍に三式弾を放っている最中、王宮で産声が上がった。



続く

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