ご褒美婚おまけ3
私の名前は蘇我うま子……じゃなくって、曽我梅子。
亭主に先立たれた未亡人。
齢六十ほにゃらら。
おばあちゃんでも年齢を明かさないものよ。
島根生まれの活発婆よ。
幼い頃には日本舞踊なんて習っていたし、フラダンスだって、ベリーダンスだって、リンボーダンスに、もちろん安来節だってなんのその。
私は転生の踊り子。
転生……そう……転生しちゃったのよん♪
『ブルグ』って国に。
十七歳の小娘に。
でも嬉しい誤算があったの。
この国の老王に見初められちゃって、ぽっ(桃色のぽっ)。
亭主に似てたの、老王がね。
まあ、こういうのなんていうの……あれよ、あれ。
『見た目は小娘、中身は老女』みたいな。
そんなこんなで、クラリスを生んで数年で、まぁた、まぁた、先立たれちゃって……。
まあ、老王だったし致し方なしよね。
離れって掘っ立て小屋で、侘び寂びいびられ底辺暮らし。
曽我梅子ん時の記憶があるから、なんとか暮らしていたわ。
元自衛官をナメるなってえの。山菜や野草にも詳しかったし、徒歩キャンプなんてしてた活発婆だったしね。
まあ、婆ちゃんの知恵袋みたいなもんよ。
だから、クラリスにはひとりで生きる術を教え込んでね。
逞しく育てたわよ。
だって、十歳でサヨナラしなくちゃいけなかったから。
それが、神様と約束した転生条件だったもの。
それが、クラリスが幸せになるルートに入る条件なんだって聞かされていたからね。
私、梅子、頑張ったわ。
『クラリス幸せになるのよ』
もう一つ神様との約束、舞衣装の入った鞄を託して、グーリグリと頭を撫で十歳のクラリスに笑う。
泣き顔より笑顔で別れたい。
小さく頷き合って背を向けた。
心身を病んだふりで修道院療養からーの、出奔。
さてと、神様曰く、二つの約束を守ればクラリスにまた会える機会はあるそうだから、それまでにこの世界の踊りでも極めておこうかね。
梅子、行っきまーす!
これにて完結です。
ありがとうございました。
桃巴。




