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囁き少女のシークレットボイス  作者: うみだぬき
バレタインデー
218/239

218話 いいですよっ

 硬直する菖蒲の後ろ姿は、服を貫通するほど赤く染まっていく。

 響はどんな言葉をかければ良いものかと思案する。

 しかし、菖蒲は響の想像とは違う行動を取る。


「…そういうことですかっ」


 菖蒲は袋の中にブツを戻すと、響の空いた手の上にちょんと乗せる。


「…お返ししますね」

「お、おう」


 先程までの騒がしい部屋が嘘のように静まり返る。

 響は菖蒲の荷物に入っていたと、正直に打ち明けようとするが、菖蒲は響の前に正座で座り直す。


「その…これって私と()()()()()()がしたいということ…なんですかっ?」


 菖蒲の期待と不安が混ざった表情に、響は喉を鳴らしながら唾を飲み込み、思わずコクリと頷いてしまった。


「…いいです…よっ」

「っえ?」


 響は思わぬ返答に気の抜けた返事をしてしまう。

 菖蒲はモジモジとしながら響の言葉を待つ。


「それって」

「っ女の子にこんな恥ずかしいセリフをまた言わせたいんですかっ?ほんと響さんはえっちなんですからっ」


 菖蒲は響の口に封をするように指で閉じさせる。


「っあ、菖蒲は俺とその…」

「男の子なんですからはっきりいったらどうですっ?『俺とその』なんですっ?」


 以外にも強気な菖蒲に、響の方がしどろもどろになってしまう。

 響は覚悟を決め、大きな一歩を踏み出す。


「…俺なんかでいいのか?」


 言ってしまった。ここでの菖蒲の回答によっては、大きく階段を登ってしまう。

 しかし、菖蒲は唇を震わせながら言葉を紡ぐ。


「…だからそう言ったじゃないですかっ」


 急に部屋の温度が急上昇する。


「そうなのか…」

「そうなのですよ…」


 温度がさらに増していく。そのせいか、変な汗までかき始めてしまう。


「響さんは私の知っている中で一番信用できる人で、一番心を許している人でもあります。そんな人に求められたのなら…本望です」


 先程までは普通だった館内着が、今ではとても妖艶に見えてしまう。

 菖蒲も口では強気な発言をしているが、しっかりと額に汗をかいており、高鳴る鼓動も聞こえてくる。


「調子狂うな…っ本当にいいのか?」

「何度聞かれても答えは変わらず『YES』ですよ」


 響は菖蒲を布団に押し倒す。

 三割程度の力のはずだが、菖蒲はゴロンと布団に仰向けに倒れ込む。


「…っ」


 菖蒲は下唇を噛み、あくまで受け身のまま響を待つ。

 これ以上聞いても答えは変わらないと言われたため、最近の溜まった感情を爆発させるように菖蒲に口付けをする。


「響さんっ」


 いつの間にか目が据わっている菖蒲は、今までのどの菖蒲よりも可愛らしく見える。

 押し倒した際にはだけかけた館内着から、温泉の効能をフルで受けた乳白色のツヤのある肌が露出している。

 響は、その肌色の面積を自ら広げた。

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