宝箱と 恋の再挑戦
「隊を ぶっ潰す?
第二王子さん、兄ちゃんから 相当嫌われてんのな」
「あの国は、いつもなんか きなくせえからな。
何でもちょいと昔、歴史ある王国を のっとっちまったとか・・・」
たわいもない 噂話を交わしながら、俺たちは 募集が行われる小さな宿場町についた。
折しも 雨がしょぼふる中を 軽装で歩き続けてきたから、疲労と空きっ腹で 精魂尽き果てていた。
指定された宿屋の前につくと、わいわいと 男たちが騒ぎ立てる声が 外まで漏れてきていた。
扉をくぐると バカ騒ぎの真っ最中で、手近にいた 給仕らしき男を捕まえ 事の詳細をたずねた。
「ああ、入隊希望の方は 誰でも こちらで 食事をとってよいことになってます。
皆様方も どうぞ お好きなものを ご注文ください」
「ひゃっほっほー!!」
仲間は 雄叫びをあげ、バカ騒ぎの中に 突入していった。
その場にとりのこされたのは、俺と ガイの二人のみ。
「お前は行かないのか、イオ?」
「俺は 先に 仮眠をとる。お前は どうする?」
「ああ、見知った顔がいたから、情報交換でも してくる」
そう言って バカ騒ぎの中に消えていった 友のせなかを見送り、
手直にあった酒と 簡単なつまみだけ取り 裏手の馬小屋へと 向かった。
入隊希望者は 仕事にあぶれた 元兵士や 傭兵くずれが多いせいか、
馬でくるものは 皆無だ。みんな 生活に 困窮しているから。
俺は マーサから 睡眠の大切さをたたき込まれていたから
大抵 体が疲労しているときは 仮眠を優先していた。
そこで 馬小屋で 仮眠を取ろうと 中に入ると、足が 止まった。
先客が いたのだ。
群青色の 珍しい髪色をした若者が。




