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私が住んでいる世界とは

 テクノロジーだけは爆発的に進化した。

『ただいま拝島行きの電車が参ります。白線から離れてください』

ミニスカートの制服姿の女子中学生たちが、駅のホームで、わいわい騒いでいる。

「私たち今日から女子中学生。制服着るとなんだか少し大人になった気分」

「そうだね」

その時、電車が駅に着いた。

電車に乗り込んだ。

「とても乗り心地がいい。ねえ、今日はボックス席に座らない?」

「そうだね、あたしたち4人だからボックス席に座りましよう」

「景色がみやすい」


 携帯電話をとりだした。

「そうね画面がきれいだね」

「今日のお天気は?」

「関東地方は晴れ。入学式に相応しい天気だわ」


電車は関東女学院がある駅に到着した。

「これから私たち女子中学生になるのね」



場所は変わり、日本製OS・Akiba2100で動くパソコンで、理事長は入学式を管理した。


「みなさん。入学おめでとうございます。本校は、多くの人たちに夢を与えるための関東女学院です。学業なども精進して多くの人たちから愛される女性になってください」

多くの女学生たちの拍手があった。


「高い倍率と厳しい条件をクリアした皆さん。ご入学おめでとうございます。日本全国から選ばれた、あなたがたは近い将来、世界中の人たちに夢を与えてください」



 ◎ ◎


 その後、新入生たちは科目別に教室に入った。

私、佐々木 美沙は緊張した。

ミニスカートから出る細い脚がぶるぶる震える。

「佐々木さん、大丈夫ですよ。6年間がんばってください」

担任の南先生が、私を励ました。

「はい」

私は素直に返事した。


 この学園には、総合芸能科とモデル・ダンス科などに分かれている。

私はモデル・ダンス科のクラスに入った。




「入学おめでとう!」

上級生たちが一斉に歓迎した。

「わ、私のために・・・」

3Dスクリーンに佐々木実奈たち新入生を歓迎するアニメが表示された。


 上級生たちはイスに座った。

「みんな・・・。きれい。髪がそのへんにいる少女たちと違う!ライトに照らされた髪が、つやつや輝いている。それにきれいな肌。足が細くって長い」


 日本全国から集められた美少女たちである。

担任の南先生は、40歳を過ぎているが、見た目は20代前半でも通用する美人教師である。


「それでは、1年間のスケジュールをお伝えします」

教室の壁が黒板スクリーンになった。

「この学院は週6日で授業を行います。1日6時限、なお土曜日は4時限で半日で終了します。これだけ言いたい事は、卒業までは男子との恋愛は厳禁です。それから、いかがわしい芸能プロダクションの誘いやモデル撮影会などは拒否してください」

教室の壁に授業内容とイベントなどが表示された。


「それでは昨年の思い出を映します。上映時間、2時間ありますので、その前に10分間休憩します」


 休憩時間に入り、新入生20人は、それぞれ挨拶した。


◎ ◎


翌日、担任の先生から、この女学院の目的を聞かされた。


「みなさん。おはようございます」

「おはようございます」

「今日から、この女学院の現代史を担当する南と申します。よろしくお願いします」

 

 

 現代史の南先生はリモコンを操作すると教室の壁に動画が映し出された。

私たちのクラスは20人。教科書やノートが必要無い。全てタブレット端末ですまされる。


「まずは何故、この世界には一つの企業しか存在しないでしょうか?わかるかたは手を上げて」

「それはビックブラザーが独占禁止法という法律を廃止したからです。また世界条約として輸出と輸入の関税を撤廃しました」

「そうですね。その他に」

「はい」

少女たちの声が教室に響く。

「ビックブラザーがアメリカの大企業を全て合併吸収しました。世界のほとんどの企業は一つに統合されました」

「そうですね・・・。では日本の総資産の世界比率は?」

「99パーセント以上で1000京円です。一挙に日本の対外債務は解消されビックブラザーの評価されるようになりました」

「で、この社会のデメリットとは何ですか?」

「一つの企業だけで全ての業種をまかなったため世界のほとんどの国が共産主義社会になり、経済が停滞しました」



 南先生はモニターと教室の全てのパソコンをシャットダウンさせた。一瞬、部屋が暗くなった。


 

 非常灯のオレンジ色のランプがつく教室で南先生の説明がはじまった。

「ねえ、この学園のほんとうの目的は知っている?」



 南先生は小さな声で言った。

「昔のように競争原理を取り入れて、活気ある社会に戻すためです。この学園はアキバ支援の学園というのが建前です。現在、さまざまな中小企業による反乱がはじまるところです。巨大企業の分割が私たちの目的です」



 その時、大沢という小柄の少女が質問した。

「世界から貧困がなくなったことは評価できないのですか?この数十年、報道の自由と政治活動の自由も認められています。世界中からホームレスはいなくなりました。その辺は評価しても良いのではないですか?逆に競争させると、落ちこぼされて路頭に迷う人が出るのではないでしょうか」

「確かにビックブラザーの政策にも評価する面もあります。でも、この数十年間、私たちの社会は停滞しています。そのままだと世界不況に陥り、徹底した言論統制が行われ、私たちの社会は住みにくくなります。他に意見は?」


 私たちが今、住んでいる世界は共産主義社会である。


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