幼い過ち
今日もまた嫌な朝が来た。
乱雑に散らかった部屋で、朝食のパンを牛乳で流し込みながら新聞を読む。
紙面には殺人、強盗の文字がおどる。物騒になったものだ。
俺はジョー、壊し屋をしている。
人間関係から建造物まで、この世のありとあらゆる物を壊すのが仕事だ。
俺への依頼は郵便で届く。今日はどんな依頼があるだろうか。
郵便受けから取り出した手紙の山をテーブルの上に載せる。ダイレクトメールの類はすでにいっぱいになったゴミ箱の上へと放り投げる。
その山の中の一枚の手紙が目に入った。手紙の山から適当に取り出した物の差出人のところを見ると、小学六年日野俊介という文字があった。
小学生がこの俺に依頼か……世も末だな。
“壊し屋さん、お願いです。
六年三組にある僕が図工の時間の作った友達の顔の像を壊してください。
僕がふざけて作ったばっかりに友達が泣いてしまいました。
もう一度作り直したいけど、このままじゃできないので壊してください。
お願いします。”
ふん……子供からの依頼は本来受けないんだが、まあ、いい。
この過去の過ちを壊してやろう。
俺は壊し屋、壊すのが仕事だ。
「九時になりました、ニュースをお伝えします。今日未明、北岡小学校に男が侵入、生徒が製作した像を破壊している所を見回りしていた職員が発見して取り押さえました。男は調べに対し供述を拒んでいる模様。警察は今後も厳しく追及する予定です」




