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野球対決!男と女のプライド!

 

 天気が良い河川敷──


「今日は街の案内をありがとうございます」


 と丁寧な言い方をする人骨さん。

 隣には義威子と委員長、そして後ろには親方が共に歩いていた。

 義威子はコンビニ袋から肉まんを出して言う。


「良いのよ良いのよ。二人が来たばっかりだから、みんな仲良くなるついでに案内したまでよ」

「そうよ。遠慮せず、もっと色んな場所居ましょうよ。この黒腹市には他にも色々と名所があるし」


 二人は人骨さんらに優しく話をしながら親方もお礼を言う。


「この街って自然に良いですね。空気ととても美味しいし」

「そうですよね。緑が多くて、風景としても美しいですね」

「この空気、ずっと味わいたいです。すぅ〜」


 そう言って親方が勢いよく息を吸うと、掃除機のような突風が吹き荒れて、周りの草や木が激しく揺れ、義威子が口に入れようとした肉まんが親方の口の中に吸い込まれて行った。


「あ!?」

「あ!すいません!!すいません!!つい、力を入れてしまって!!」


 何度も何度も頭を下げて謝る親方に義威子は苦笑いしながら、慰める。


「い、良いのよ良いのよ。ダイエット中だったし」

「本当にすいません!」


 そう言って談笑を続けていると、河川敷にあるグランドで数名の男子が遊んでいるのが見えた。


「あれって?」

「金城達かな?何したんだろう?」


 遠くから見えたのは金城らであり、バットも持ってみんなに話しかけていた。

 そこには金城の他には大知、修吾、蓮、龍尾の計5人が揃っていた。だが、バット、ボール、グローブ。どれも一個ずつしか置いてないのであった。


「今日はバットとボールとグローブを手に入れた!これで野球をする!」

「野球のするのは良いが、お前いつの間に野球道具揃えたんだ?」


 手を挙げて言う修吾の問いにバットを突きつけて言う。


「昨日姉さんが金いっぱい手に入ったからってプレゼントしてくれたんだよ」


 もちろん手に入れた金ってのは、前回のヤンキーから奪った金である。

 次に蓮が手を挙げた。


「何だ?」

「野球するのは構わないけど、5人で出来るもんなのかな?」

「まぁ……それは」


 言葉が詰まる金城。そんな状況に大知はスマホで色々と調べた。


「一応出来なくもないけど、一人が投げて一人が守備すれば出来る。だが、ピッチャーか守備。どちらかがグローブなしになるけどね」

「だってさっき強風が一瞬吹き荒れて、3つあったグローブが何処か消え去ったんだぞ。仕方ねぇだろ」

「でも、一つじゃ無理あるだろ」


 またも言葉が詰まり、周りをウロチョロしていると義威子らの姿が見えて、義威子らへと手を振る。


「あら、義威子と委員長、それに人骨さんらも!」

「何してんのアンタら」

「そりゃこっちのセリフだ。人骨さん達も一緒のようだが」

「街案内してたのよ。ここ来て間もないからね」

「何もねぇとこだろ、こんな町」


 そんな話をしていると野球道具を見つめる人骨さんが金城に聞く。


「これって野球道具ですよね?今から野球するんですか?」

「うん。そうだけど?」

「私も野球に参加してもよろしいですか?」

「え?」


 人骨さんの光り輝く満面の笑みに目を向ける事が出来ず、他の男子達も眩し過ぎて目を覆った。

 光をシャットダウンするように親方も前に出てボールを持ち上げた。


「私も野球参加してみたいです!」

「なぬ!?」

「こうゆうのってあんまり触れた事ないのでやってみたいんですよね」


 二人がやる気なのを見て、義威子も目を光らせてやる気になって来たのか金城に挑戦状を叩きつけた。


「よっし!男子共、野球勝負じゃあ!!」

「あ!?俺達に?野球勝負を!?マジで!?」

「そうよ!いつもムカつく態度のアンタに恥かかせてやるわ!女子舐めないでよ!」

「ええぞ!やってやろうジャン!」


 二人は睨み合い、他を置いてけぼりにして勝手に勝負をする事になった。

 義威子の挑戦的発言に委員長だけは驚きを隠させなかった。すぐに委員長は義威子に耳打ちする。


「私達四人なのよ。大丈夫なの?」

「大丈夫大丈夫。初心者とはいえ、人骨さんと親方がいればパワーバランスはこっちに傾くわよ。それに蓮君と大知君は運動音痴。それに金城の奴は足が遅い。修吾君と龍尾君だけ要注意すればいいわよ。私も委員長もそれなりにスポーツは出来るから、要領さえ掴めばできるわよ」


 そして──九回は長すぎるので全二回になった。金城はやる気を出したのか、何度もバットを振って練習し、他の男子メンバーも準備運動して試合へと望んだ。

 義威子は女子メンバーを呼び寄せて作戦会議をした。義威子の指示に全員が頷いて、試合へと事を運んだ。

 金城チームから先攻。金城が一番バッターでバットを構えた。

 ピッチャーは親方。キャッチャーは義威子。後方に待機しているのは委員長と人骨さん。

 親方は先程義威子から簡単なボールの投げ方をジェスチャーされて、見様見真似で投げる事にした。


「さぁ、投げますよ!」

「来い!親方!!」

「ふん!」


 と力んだ声が響いたが、立った状態の親方。


「ん?親方投げた?」

「投げましたよ?」

「ん?はッ!?」


 金城は見てしまっていた。ボールは自分の元に飛んできておらず、なんと地面深くに埋まっており、何分もして掘り起こしたがボールは破裂していたのだった。

 そのボールを見て背筋が凍り、その場に尻餅をつく蓮。そんな蓮を宥めるように金城は肩を叩いた。


「さぁ、頑張れ蓮」

「こんなボール受け止めたら僕死ぬよ!!」

「受け止めるのが男だろうが!」

「死んだら男もクソもないよ!!」

「分かったよ。敵ピッチャー交代してくれ!流石にボールは2個はねぇから!なるべく人骨さんはなしで」


 義威子達もそれには受け入れて、義威子自身が投げる事にしてポジションを親方と交代した。


「分かったわよ!私が投げるわ」


 野球は昔やっていたと言っており、投げる練習を金城らは見ていたがフォームは中々のものであった。


「男子野球部より早いんじゃないの?」

「あぁ、予想以上に早いぞあれは」

「まぁ、とにかく普通になげてくれればどうでもいいさ」


 金城は義威子の練習が終わると、バッターボックスに立ちバットを空高く突き上げた。ホームランの予告を出したのだ。


「へぇ、予告ホームラン。やる気ね金城」

「あたぼうよ。パワーだけが取り柄の俺に死角はない!」

「なら、投げるわヨォ!」


 義威子は華麗なフォームを描いてボールを投げた。

 金城は迫り来るボールを目で追い、目の前まで接近した時力一杯バットを振った。こちらも華麗なスイングを見せ、バットど真ん中に当たり、ボールを撃ち飛ばした。


「ホームラン打撃じゃぁぁぁ!!」

「くっ!打たれた!!」

「こりゃあ川に落ちて野球終了かぁ?」


 ボールは空高く飛んでいき、川方面へと距離を伸ばした。

 その時、後方で守っていた人骨さんが一度身体を屈め、勢いよく足をバネのように伸ばしてジャンプした。ボールが十メートル高く飛んでいるのだが、人骨さんは当たり前のようにジャンプしてボールをキャッチした。


「はぁ!?」

「アウト!!」


 綺麗に着地した人骨さんは嬉しそうにボールを義威子に投げ渡した。


「ナイスよ人ちゃん!」

「ありがとうございます!」


 金城はすぐさま仲間の元へと駆け寄った。全員人骨さんのジャンプ力に驚いて、慌てた様子でいた。


「ちきしょう!」

「ちきしょうじゃないよ!あんなジャンプ力じゃ、僕らに勝ち目ないよ!本当に鉄壁じゃんか!」

「とにかく今は人骨さんの隙を見つけながら、やるしかないだろ」


 無理やり蓮を宥めて、次のバッターである龍尾に耳打ちした。


「策はあるか?」

「なるべく委員長側に打つ。委員長も運動神経はいいと聞くが、野球ど素人だろうし、何とかなるさ」

「頼むぞ」

「おうよ!」


 次は龍尾。野球経験はまだある方で、義威子が投げたボールを見事捉えて、委員長側へと打ち放った。


「よし!」


 龍尾はすぐさま一塁へと駆けた。ボールは三塁方面に飛んで行き、白線ギリギリの落ちてフェアボールとなった。

 だが──


「ふわっ!!」


 委員長が謎の声を上げてボールへと飛び込みキャッチ。そして綺麗に前転し、一塁へと投げ人骨さんがキャッチしてアウトとなった。

 圧倒的な守備を前に、金城チームの士気は大幅にダウンしていた。


「初めてってレベルじゃねぇぞアレ!」

「あそこまでとは……」


 困惑しているチームを前に蓮が次のバッターとして行くも、呆気なく三振となりチェンジとなった。

 金城はチームを集めて、作戦を伝えた。


「俺がピッチャー兼ファースト・セカンド・ショート・サード全て守り抜く。キャッチャーは大知。修吾はレフト、蓮はセンター、龍尾がライトだ。ボールはほとんど後方に飛んでいくだろうからな」

「一人でそこまで大丈夫なのか?」

「やってのけるのが男よ」


 女子チーム最初のバッターは義威子であり、バッターボックスに立つと、金城は後ろの3人に目線を送ると全員少し後ろに下がった。


「女子のパワーを舐めないでね」

「男子の圧倒的にパワーでねじ伏せてやる!!」


 金城はボールを深く握りしめて全神経を腕に一転集中に尖らせて投げた。真っ直ぐとボールは飛んで行き、キャッチャーミットへと──


「それっ」


 義威子はバントをして、ボールが地面に転がり落ちた。

 金城もキャッチャーの大知も、バントに驚いて一瞬固まってしまい、その隙に義威子は一塁へと走っていく。


「ノロマね!」

「くっ!」


 金城はすぐさまボールを取り、一塁へと投げたが龍尾がキャッチする前に義威子が一塁へと到達した。義威子は一塁で嬉しそうに飛び跳ねて、金城に挑発する。


「やったー!!」

「足だけが取り柄の女が!」

「悔しかったらアウトにしてみなさいよ!」


 そして次のバッターは委員長になり、不安な空気の中ボールを投げた。バットを振る直前、委員長の目が一瞬カッと見開き、ボールを空高く撃ち飛ばされた。

 全員がボールを追いかけるも、ボールは川の中に落ちてホームランとなった。

 義威子も委員長自身も驚き、ホームランだと気づいてなかった。


「あれってホームラン?」

「なんだよ、アレ……」


 金城らも唖然として、一気に点数に差がつけられた。

 そして人骨さんの番となり、もはやボールの動きを完全に読んでいるのか当たり前のように打ち飛ばされて川を越えてしまうほどの飛距離を出してしまった。

 親方も親方で見慣れた光景のように川を越えてしまった。

 この回だけて17点も取られて何とかチェンジに持ち込んだが、金城チームからは諦めムードが漂った。


「まだ一回目だけど、もう負けでいいんじゃないか」

「そうだよ。毎回ボール川やら向こう岸まで飛ばされて取りに行く身にもなってよ」

「金城、義威子ちゃんに土下座してでも辞めた方がいいんじゃないかな?ここから巻き返しなんて無理なんだし」

「俺も賛成だ。人間技じゃねぇぞあれは」


 全員が金城を説得するも、金城は首を横に振り拒否した。


「こうなったら、今後のバッターは全て俺がやる。ここから17点取り返して、18点にしてやる。そして次の防御で何としてでも死守する!」

「死守するったって、川越えのボールを取るんだよ」

「俺一人で全ての守備を守り、一人がボートに乗って川を死守して、残り二人が川の向こうを死守するんだよ!」

「んな、むちゃくちゃな……」

「とにかくこの回で18点取るんだよ!」


 修吾も他のみんなも呆れ返るが金城だけは誰よりもやる気に満ちていた。

 バッターボックスに立った金城。全て自分で打つと言ってるが、自信たっぷりの様子でバットを何度も振る。


「来い!」


 義威子が投げたボールは力強く打つも、そのボールは下向きにサード方面へと飛んで行った。


「委員長!」

「貰ったわ!早速ワンアウ──」


 委員長が前に出てキャッチャーミットに入るかと思ったら、目の前の小さくこんもりとした砂の山にぶつかり、左側へと飛んでいってしまった。


「えっ!?」

「私が取ります!」


 人骨さんがボールを取ろうとした時、また別のこんもりとした小さな砂の山に当たり、今度は後方へと飛んでいった。

 その間に金城は一塁へと滑り込みに成功した。


「よっしゃあ!!」

「金城!一体何したのよ!!」

「さぁねぇ!」


 義威子の言葉に耳を傾けず、知らんぷりして一塁を修吾と変わり、またバッターボックスに立った。

 委員長が砂山を払うと山の正体は大きめの石が入っており、石の上に砂を被せてあったのだ。


「い、石?」

「私の所にも石が入ってました」


 人骨さんの足元の砂山にも石が隠されていた。


「まさか、金城の奴……」


 何か察した義威子だが、口に出さずにもう一度投げた。

 再び金城は打った。ボールはまたもや下へと飛んで行き、義威子の足元にもある砂の山にボールがぶつかり、別方向へと飛んで行った。委員長らが取ろうとするも、まだまだ砂山があり、砂山にボールが当たると別方向の砂山へと飛んで行き、更に当たっては別の砂山へと飛んで行く。この繰り返しにより、誰もボールが取れなかったのだ。

 作戦に成功し、修吾と金城はホームベースに戻って来て早速2点巻き返したのであった。


「やっぱり、この砂山」

「気づいたか義威子!さっき地面にこっそり埋めていた小石にボールをぶつけて、別の小石にへとぶつけて相手に取る暇を与えない作戦。これぞ、ピンボール打法よ!」

「何て作戦なの……」

「勝ったもん勝ちだもんねぇ!」


 呆れ果てる義威子と委員長であり、龍尾らも呆れ果てていた。


「プライドはないのかプライドは……」

「今のアイツにはプライドよりも、勝利が優先だろうからな」


 その後も、ダミーを含めた大量の砂山を利用してどんどん点数を取り返して行き、ツーアウト取られながらも瞬く間に17点取り返した。

 一人で何十球も打って投げてを繰り返した金城と義威子だったが、疲れ果ててお互いに息切れが起こしていた。義威子はボールを投げたが、疲れからか手が滑ってゆっくり目のボールへとなったしまった。


「しまった!」

「貰ったぁぁぁ!!」


 金城は全身全霊を出してボールを打ち飛ばし、人骨さんのジャンプでも届かないほど空高く飛んで行き、虹を描くように川へと落ちた。


「よし!点数逆転だ!!」

「嘘でしょ!?」

「よし、ここから点数を伸ばすぞ!」


 と、勢い付いたものの、金城も疲れているのか次の打順で手が滑ってボールが変に上へと飛んで行ったために人骨さんにキャッチされてスリーアウトとなりチェンジとなってしまった。

 先程言ったとおり、金城が全てのポジションを守り、修吾がボートに乗り川を守り、龍尾と蓮が反対側の河川敷を守っている。

 早速出て来たのは人骨さんが出てきた。


「絶対に勝つ!」

「勝たせてもらいますわよ」


 ボールを投げたが、あっという間にボールは空高く打たれ川へと飛んで行く。


「修吾!!取れ!!」

「ボート動かしながら取るのは無理があるわ!!」


 修吾はボートを動かすがどう見ても間に合いそうにない状態に金城は川の方へと走り出した。


「うおぉぉぉ!!秘技、水切りの舞!!」


 金城はボールの真下を走りながら川にジャンプし、水の上を飛び跳ねながら川の真ん中まで到達してボールをキャッチして反対側の河川敷に転がり込んだ。


「キャッチしたぞぉぉぁ!!」

「足遅いって言ってたじゃんか……」


 川渡りまでする執念に修吾らも唖然としていた。

 その後、同じ方法で親方のボールをキャッチして無理やりツーアウトに持ち込み、多分最後の一人である義威子の打順になった。


「さぁ、ここでアタシがアンタにも取れない特大ホームランを打つわよ」

「打ってみろよ!俺のフルパワーボールを!!」


 金城がフルパワーで投げ飛ばした。投げると共に金城はジリジリと後ろへと下がり、また川渡りを行おうとしていた。

 それを見据えた義威子は軽く力を抜いて打ち、ファースト方面へと飛ばした。


「しまった!」

「これならアンタにも取れないわよ」


 義威子は一塁、二塁、三塁へと走り、金城がボールを拾いキャッチャーの大知へと投げ、ボールと義威子と同じ速度でホームへと突入し、大知がキャッチする寸前に義威子がホームへと滑り込んだ。


「セーフ!!これで同点よ!!」

「くそ!」

「ここから巻き返しよ!」


 義威子は意気揚々に委員長にバットを渡そうとすると委員長は申し訳なさそうに言う。


「ごめん義威子、もう時間が時間だから……」

「え?」


 スマホの時間を見ると6時を越えており、夕日が沈み始めていた。

 委員長も修吾も時間的に止めようと二人に持ちかけた。


「もう同点でいいんじゃない。もう時間も遅いし」

「暗くなったら、やりずらいぞ。本当の野球の試合と違って照明もここにはないし」


 だが、二人は不満気に首を横に振った。


「俺は拒否する。次にアウトにして逆転サヨナラホームランで締めるんだよ!」

「アタシも拒否よ!ここで一点取って金城を降すのよ!」


 二人はいがみ合い周りが見えていないようなので、委員長は人骨さんや親方は先に家に返して、修吾と大知も蓮や龍尾を家に返した。

 そこで大知が提案した。


「なら、二人で試合続行すれば。ビデオカメラ一個ベンチに置いておくから、証拠の映像として後日僕らに見せてよ。僕も宿題したいから」


 そう言ってバックからビデオカメラを取り出して、ベンチの上に配置した。

 その提案に二人は首を縦に振った。


「それなら俺は試合続行するぜ」

「なら、アタシも」


 委員長ら三人は河川敷から離れ、帰路へと立った。

 後ろからは二人の声とボールを打つ音が響き渡るが、振り返る事なく帰っていく。道中委員長は修吾に問う。


「二人ってずっとああなの?」

「昔っからいがみ合いをする二人だったけど、決して仲が悪い訳ではないからね。二人共プライドが高いだけだから。男子として、女子としてね」

「ふーん」


 *


 次の日学校にビデオカメラが送られて来たが二人は学校には来なかった。

 教室でカメラの映像を見ている委員長と修吾ら。その映像を見て全員呆れ果てていた。


「映像10時間録画されてたけど、ずっとやってたみたいだ……」

「マジかよ」


 映像には片方が打ち、片方がボールを取る。を永遠に繰り広げており、淡々とその映像が映されていた。だが、途中で充電が切れて十時間で映像が途切れてしまっていた。


「結局次の日の昼頃までやって、二人共疲労で骨折して病院に入院してるみたいよ」

「馬鹿か、二人共……」

「お見舞いは行かなくていいわよね」


 結局二人共決着がつかないまま終わったらしい。

 二人の戦いはまだ終わらないだろう。

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