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第1話「空からきました」

「今日でちょうど一年か…」

2020年12月25日午前0時

日にちが変わったと同時にどこの局もヒュレイン飛来から一年の特別番組を放送している。

そんな報道を見ながら諫早淳一が一人つぶやく。

「…この一年で世界の約六割が…」

淡々と一年前から今日までの被害状況を伝える。

世界のどこかで今も起きているだろうヒュレインとの衝突。

両軍被害は酷くなる一方、人類側も戦う軍人が少なくなり徴兵制の規定年齢は日増しに下がっている。

「って言われてもまだ実感ないよなぁ…」

淳一が周りを見回す。

そこには思い思いの場所で眠っているこの村の唯一の学生たち。

クリスマスパーティーを開き、飲み食い騒いでいたが誰かが持ち込んだだろうアルコールが混ざり全滅。

「…はぁ。なんで毎回こういう世話は俺に回ってくるのかねぇ」

そういうと淳一は立ち上がり押し入れから毛布を取り出す。

「歩音、彩奏起きろ」

こたつに突っ伏す歩音とその肩にもたれて寝るさいか。

「ん、んぅ…もぉ朝なの…」

「いやまだ朝ではないがここで寝るのはよくないだろ」

「大丈夫だよぉ…親には泊まってくって…」

「それは知ってるが…って寝やがった」

再び眠りにつく歩音。

一旦起きるだけまだましか、と起きもしない彩奏を見ながら淳一は二人に毛布をかける。

「さて次は…」

今のこの状況を作り上げた人物―佐渡遊理香が一升瓶を抱えて寝転んでいる。

「…はぁ。毎度毎度懲りもせずに…」

未成年なのに…という野暮なツッコミはもはやする気もしない。

しかし手に持った毛布は遊理香にもかける。

「まぁ風邪ひかれる方がめんどくさいしな」

だれにとも言わず、ただ独り言をつぶやく。

過去にそのめんどくさい例があるからだ。

「さてと最後にあいつだが」

部屋を見渡す淳一だが最後の一人―桐川さよが見当たらない。

「おいおい小さいからって言ってもそこまで小さくないだろ」

しばし考え始める淳一。

そして一つの結論にたどり着く。

こたつの下、そこでさよはまるくなって寝ていた。

「やっぱりここかよ…マジで猫みたいなやつだな」

改めて感心していると、ふと一つ淳一は思う。

「こたつの中って寝てて大丈夫なのか?」

よくこたつで寝て風邪をひいたなんて話は聞くがこれはある意味別なのか、と淳一は考えだす。

「だけどやっぱりなんか危ない…よな。汗もかくだろうし」

淳一はさよをこたつから引っ張り出し始めるがやはり起きない。

起こすのは可哀相だなとそのまま寝かせておく。

「さてとこれでいいか。俺もそろそろ寝る準備でもしておくか」

時間はすでに1時にさしかかろうとしている。

淳一は最後に戸締まりの確認のために部屋からでようとすると何かにつまずいた。

「あぁ…こいつら忘れてた」

火村公一と豪田拓斗の二人が仲良く並んで寝ていた。

「………こいつらはいいか」

しかし、淳一は二人をスルーし部屋から出た。

廊下の床はとても冷たく、眠気が少しとぶ。

空気も冷たく、今までの熱が冷めていく。

純一は再びニュースで伝えていたことを思い出す。

今もどこかで戦いは続いている。

幸い淳一たちの住む朝霧村は一度もヒュレインの攻撃を受けていない。

しかし、つい一月前突然徴兵の令が下り、今は軍事訓練を受ける日々。

それでも今こうしてパーティーをして、平和―戦いをしらないでいられている。

「こんな日々はいつまでも続かないのか…」

今ある毎日がもうすぐなくなるのかもしれない、そう考えながら歩いていると玄関の鍵が開いていることに気づいた。

「ったく最後に入ってきたやつ誰だよ…」

悪態をつけながらも鍵をかけようと手を差し伸ばしたとき、外が一度白く光った。

淳一はそれが気になり鍵をかける手を止め、扉を開くと―白い光が降っていた。

雪だと淳一は最初思った、しかしそれは違った。

その光は地面に触れるとはじけるように消えていく。

淳一はそれに引かれるように一歩、また一歩と外へ向かい、空を見上げる。

見上げた先には光に包まれた少女がゆっくりと降りてくる。

「………」

淳一は何も言えずただただ少女を見守ることしか出来なかった。

そして、その少女は雪に似た白く光を反射させるきれいな髪をなびかせながら淳一の目の前に降り立つ。

「あ…あ……あぁ?」

どうにか搾り出した声もくぐもった声にしかならず、頭は大混乱状態だ。

「…ん?」

目の前で立ち尽くす淳一を見て不思議に思ったのか少女は首をかしげている。

しかし、何か思いついたのか口を開く。

「初めて会った人には自己紹介をするんでした」

困惑する淳一をよそに少女は続ける。

「えっと…空からきました」

そんなことは見れば分かる、言葉で言えたのか頭で考えただけなのかそれさえ分からずただ淳一は空から舞い降りた少女を見つめるしかなかった。そんなことは見れば分かる、言葉で言えたのか頭で考えただけなのかそれさえ分からずただ淳一は空から舞い降りた少女を見つめるしかなかった。

初めまして、林原甲機です。

自分の処女作である「あんのうんっ!?」共々これからよろしくお願いします。

さて…何を書けばよろしいんでしょうか…何分こういうのは初めてなのでどうすればいいのか……


とりあえず、これからについて書いていきたいと思います。

更新はだいたい1週間に1~2話が限界です。

これから慣れていけば更新の早さも早くなると思います。


さて、話の内容ですが、近未来。

そう遠くない、今とあまり大きな変化がない地球。

ただ一つ違うのは「ヒュレイン」

彼らの存在。

そして、彼らとの戦争の世界。

そんな世界での少年少女のお話です。


さて、あんまり書いているとうっかりネタバレとか書きそうなのでここまでにします。

これから始まる少年少女7人と空から来た謎の少女―

この出会いが意味するものは……


それでは、また次回

林原甲機でした。


ps

4月28日…誤字修正


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