登校初日 遠距離通学
朝六時過ぎ、僕は起床した。
テレビを見ながらパンを食べ、軽く新聞に目を通すのが日課だ。
「何時に家を出るの?」
母は僕に聞いた。
「七時過ぎかな。七時半くらいの電車に乗れば、八時四十五分に大学に着く」
「遠いわね。本当に大丈夫かしら?」
「先輩も通っているから、なんとかするよ」
僕はそう言い残して家を出た。
眠い目をこすりながら、僕は自転車を漕いだ。
定期代を少しでも安くしたかったので、駅まで約二十分。
自転車を駐輪場に置き、そこから電車に乗る。
ホームに着いて最初に思ったことは、やっぱり人は多いな。
通勤ラッシュの時間帯なので残念ながら座ることはできず、立って乗ることに。
片方は手すり、あるいは吊り革。もう片方の手は、携帯電話など何か持つようにした。
約三十分ほど乗り、別の路線に乗り換えるため降りた。
次の路線は座ることができた。しかし、十分ほどで降りることになる。
なぜなら、今度は別の会社の路線に乗らなければならないからだ。
定期券は二枚。寝ぼけて間違えないようにしないと。僕は慎重に確認してから改札に通した。
駅のホームは、それなりに人がいた。頼む、座れますように。
五分ほど待つと電車がやってきた。僕は空席を見て、心の中でガッツポーズした。
約二十分ほど乗って、ようやく最寄り駅に着いた。そこから大学までは、徒歩十分くらいだ。
もうヘトヘトになりながら、大学を目指した。