聖騎士は弾丸の雨を駆け抜ける
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魔法使いも残念ながら装備はドロップしなかった
鍵もドロップしなかったので魔法使いは倒しても倒さなくても奥へ進める中ボスのようだ
「残念だったねー、何もなかったよー」
「そうね、仕方ないわ、じゃあ次は上ね」
「ねぇ、本棚があった所に扉があるよ、ほら、あそこ」
まぁちゃんが壁を指差す、そこは先ほどまで本棚があった場所らしい、魔法使いが範囲魔法で本棚を倒してしまったから見えるようになってしまったのだ
「ほんとだ、隠し部屋か・・・よし、開けてみようか」
「うん、そうだね!んー・・・だめ、鍵が必要みたいだよ」
「ん?じゃあ部屋に鍵でもあんのか?」
「多分だけど魔法使いが確率でドロップするんじゃないかしら?」
「あー、そっちか、なるほど、じゃあ今回は行けないって事か」
「うわー、扉だけ見せて中入れないとか気になるじゃない!」
「ほんとだね!何があるんだろう?」
「いやいや、クエストで行くだけかもしれないぞ?期待しすぎるとがっかりするぞ」
「あー、そっか、その可能性も否定できないかも」
「とりあえず今回は行けないんだからしょうがないじゃない、上行くわよ」
アサギ達は名残惜しそうに魔法使いの居た部屋からでて降りてきた階段を上りさらに上を目指す
階段を上り切るとそこに扉があった、アサギ達はその扉を開け中に入る
そこは船の前側と同じように左右に部屋がある通路だった
中には誰もいない部屋もあったがアサギ達は全ての部屋を周り中に居た下っ端達を倒していく
ここまでくると敵のレベルも少しあがったようで前側にいた下っ端よりも強くなっていた
通路の奥までくるとまた上に上がる階段がある、そこをあがるとまた扉があったのでそこを開け前へ進む
どうやら扉の中は船を前後に分けていた段差だったらしく外は甲板に繋がっていた
「ん、外にでちまったな、料理人が落とした鍵ってどこで使うんだ?」
「んー・・・多分あそこよ、船の後ろ側、見える?あの大きい大砲の下に扉があるわ」
「ああ、あそこか、んじゃあそこが船長室なのか?」
「かな?名前までは書いてないけど、中に入ったらわかるよ、きっと」
「にしてもなんで料理人がそんな大事な鍵を持ってるのかしらね、まあ、考えだしたらきりがないしゲームだからとしか答えはないのだけれど」
「あはは、そりゃそうだ、よし、船の上の掃除をしてあの扉までいくぞー」
「「「「「おー!!」」」」」
甲板にも下っ端が大勢いたが巡回にさえ気を付ければ問題はない
アサギ達は少しずつ誘い出し甲板の上にいた海賊たちを全滅させていく
「ねぇ、私達が甲板にでてきた扉あるじゃない?あそこってほら、段差になってて行けなかった所でしょ?今も道見つかってないけどあそこの上って部屋みたいなのあるじゃない、あそこは行けない場所なのかしら?」
「そう言えばそうだね、でももう道は船の後ろのあの部屋しかないよ?マップだってちゃんと見ながら進んできたし、行けない場所なんじゃない?」
「上に行く階段もなければ段差の中に入れる扉も俺達が出てきた奴しかないしな、見てくれだけ作ったんじゃないか?」
「んー・・・そうかしら、なんか気になるのよね・・・」
「それこそクエスト関係とか?あ!魔法使いの部屋にあった扉あったじゃん?あそこから繋がってるって可能性は?」
「ああ、なるほど、その可能性があるか、じゃあ周回していくうちに行けるだろ」
「そっか、そうね、確かに行ってない所はあそこの扉の中だけだものね、納得だわ」
「よーし、じゃあ船長室の扉あけるね、あとはキャプテンセンチョーだけだ!!」
アサギは料理人が落とした鍵を使い船尾側にある部屋の扉を開ける
だがそこに居た海賊の名前はキャプテンセンチョーではなかった
「あれ?砲撃兵?キャプテンセンチョーの部屋じゃないの?」
「いや、上に上がる階段あるしあそこから行けるんじゃないか?」
「んー・・・上には大砲があったような気がするけど・・・まあ、いいわ、兎に角倒しましょう」
「そうだね、じゃあ準備はいいかな!?いくよー!」
アサギは部屋の真ん中に立つ砲撃兵に向かい突進していく
アサギが砲撃兵の索敵範囲の中に入った時砲撃兵は腰に下げていた二丁の拳銃をそれぞれの手に持ちアサギに向かって撃ってきた
アサギの盾に二回衝撃が走る、ダメージはそこまででもない、銃での攻撃は大して問題にならないだろう
しかし目に見えた心配が一つある、砲撃兵は背中に大きな銃を背負っているのだ、あれはかなりダメージが大きい攻撃となるだろう
「げ!でっかいの背負ってるな!アサギ気を付けろよ」
アサギがヘイトを固定して位置調整をした為にくるりと背中を向けて砲撃兵を見てマーリンが叫ぶ
「うん、多分痛いんだろうなぁ」
「そうね、今までの流れでいくと半分くらいから使いだして最後に爆発かしらね」
「あはは、またアフロだね!」
アサギ達が砲撃兵に攻撃をし出して少し経った時
「ちっ!こうなったら!」
叫びながらやはり走り出した砲撃兵は部屋の中にあった箱の上へよじ登った
それを見てアサギも盾を構える、だが砲撃兵と目が合わない、アサギを狙っている訳ではないようだ
「きさまら!これでも喰らえ!」
砲撃兵は部屋の真ん中目掛けて大きな玉を投げ込んだ
その玉から魔法陣が部屋全体に広がると同時にHPバーが現れた
「っ!壊せ!!」
「え!?なに!?爆弾!?」
「部屋の中で火の魔法使うとか爆弾使うとか海賊は頭がどうかしてるんじゃないか!?」
アサギ達は中央に投げ込まれた爆弾に攻撃をし始める
どうにか爆発する前に壊せたようだ、爆弾を壊した時に砲撃兵がまた箱の上からアサギを攻撃するべく戻って来た
「とりあえずこれがワンセットね、箱に上ったら攻撃は喰らってなかったみたいだか爆弾の処理だけでいいわね」
戻って来た砲撃兵のHPを減らしているとまた砲撃兵が悪態をつきながら箱の上に登っていく
「きたわよ!爆弾処理!」
しかし今度は爆弾を3つ投げ込んできた
そして3つ全ての爆弾から魔法陣が広がっていく
「3つかよ!?」
「とりあえず1個壊して!これから!」
アサギは3つ飛んできたのを見てすぐに爆弾の1つにサインをつけた
6人全員でその爆弾を攻撃する、そしてその爆弾が壊れた時部屋に爆弾の魔法陣がかかっていない場所を見つけた
「あそこ!走って!」
6人が残る2つの爆弾の範囲外に出て少し経つと爆弾が爆発した
「くそ、なんであの爆発で部屋が壊れないんだよ」
「ゲームだからとしか言えないわね、さ、攻撃攻撃」
箱に上がっては爆弾を投げ、その爆弾が壊されると下に戻ってきて二丁拳銃を振り回す、そんな砲撃兵のHPも爆弾を数回処理した時に半分となった
「くそっ!」
やはり悪態をつきながら砲撃兵は箱の上に登っていく、どうやらお気に入りの場所のようだ
「これでも喰らえ!!」
すると砲撃兵は明後日の方向に両手に持つ銃の先端を向ける、その時空中にここに攻撃がきますよ、と教えてくれる魔法陣が筒状に現れた
いつもは平面でしか表示されないが今回は立体的である
「まさか・・・この筒の中を弾丸が通ると?」
「多分ね!あ、撃ってきた!」
その筒状の魔法陣は弾丸の通り道で壁に跳ね返り何度か折れ曲がっている
その筒は最初から最後まで弾道の様子を示してはいるが弾が通り過ぎると同時に後ろ側から消えていくようだ
「跳弾かよ!立体で重なっててわかりにくい!」
最初の二発を躱したら次は連続で四発撃ってきた、壁にぶつかり反射するのはどうやら三回らしい、四発も撃たれると筒状の魔法陣が重なるし弾丸の動きもかなり速いので二発の時より避けるのが難しい
だがその次は八発だった、しかも六発撃って終わりかと思わせておいて時間差の二発である、なかなかに性格が悪いようだ
前方から飛んでくる弾に気を取られていたオネが追加された二発の内の一発にぶつかってしまったようだ
HPが4分の1ほど削られている
「うわ、結構ダメージ入ったな、セッキー回復回復」
「・・・最悪ね、回復魔法が使えないわ・・・オネさんはどう?」
「嘘?あ、私もだ、自分にヒールできない、回復禁止かー!きっついなー!」
「って事は・・・オネさん、ダメージってHPの4分の1ぴったりじゃない?」
「え?・・・あ、なるほど・・・4回食らったらアウトなのね」
「うわー・・・回避スキルも使えない、まじかー」
「必死こいて逃げ回るしかないようだな」
「そうみたいね、構えた、来るわよ!!」
砲撃兵は先ほど同様に六発先ず撃ってくる、そしてそのあと時間を空けてさらに四発追加で撃ってきた
「危なかった!すごいギリギリ!」
「どうやら撃った時すぐに筒の中に弾が来る訳じゃあないから絶対に筒の中に身体をいれちゃいけない訳ないみたいよ、速いからわかりにくいけどダメージがある所は濃く表示されてるわ、最悪それが来るときだけ筒から身体をどかせばいいのよ」
「わかっちゃいるけど!むずいぞ!上からも下からも横からも来るからな!!」
それでもなんとか6人はここまで乗り切った
次は何発かと砲撃兵を見ると銃が赤くなっているのが見えた
「どうやら終わりは近いらしいな、あれは壊れる前の状態だ」
「ええ、そうみたいね、もってあと3回、いや2回くらいかしら」
「よし、頑張って避けよう」
砲撃兵が銃を構えた時アサギ達もまた身構える
再度砲撃兵は六発の銃弾を放ち、その後に四発、そして二発と放った
「くっそ、視線外れてから撃ちやがって!新しい線がわかりにくい!」
「あー、一発喰らった!やっぱHP4分の1の固定ダメージっぽい」
「そうだな、オネさんとアサギと同じ攻撃喰らってアサギの方がダメージでかいはずないからな、ちょうど4発で死ぬ事になってるみたいだな」
「さあ、次も来るわよ」
砲撃兵が銃を撃つ、今度は左右同時に撃ってはこなかった右左右左と連続で十二発の弾丸が放たれる
「くそ!最初一発かと思ってちょっと喜んじまった」
「あー、難しい、目の前が真っ赤で分かりにくい!!」
「しかし、どうやら乗り切ったな」
「そうだね、そろそろ最後かな」
「そうね、そろそろ爆発してもおかしくはないわね、でも背中の銃があるしまだHP半分残ってはいるけどね」
そして砲撃兵が銃を構える、すると銃の先端からは無数の赤い筒がでて部屋の中にはもはや逃げ場はなかった
「ええっ!こんなの無理じゃない!」
「いや、これは・・・」
「そうだね、ふー・・・耐えきったー」
アサギが一息ついた時砲撃兵の両手にあった銃はやはりというかお約束と言うか、爆発したのである
「あー、よかった、流石に今のは無理よ、避ける所なんかなかったわ」
「だな、さて、後半戦だな、もうひと踏ん張りだ!」
箱の上から降りてきて背中の銃を構える砲撃兵、盾を構え突進していくアサギ
砲撃兵のHPは残すところあと半分である




