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聖騎士はきっと美味しくない

皆様の声を聞かせてくださると幸いです

感想、評価お待ちしております

「それにしても二人ででてきたから宝箱は2つ出るものだと思ったけど1つだけなんだね」


「結局最後は一体?一機?になったからな」


「まあ、そうなんだけどさー、っと、今度は腕がでたよ、布だからマーリンだね」


「お、まじか、やったぜ」


「単純に考えてあと3人か、よし、じゃあその階段を降りましょう」


「「「「「おー!」」」」」


 アサギ達は部屋の隅にある下へ向かう階段を下っていく、そこには鉄でできた重厚な扉があった

 アサギはその扉を慎重に開ける、その扉の中は薄暗く内部は鉄格子の檻が複数あった


「辛気臭い所だな・・・」


「うん・・・あ!クエスト進んだよ、どうやら敵討ちの相手はここにいるみたい」


「なんか爆発オチを連続で見せつけられたから忘れていたけどNPCからは結構恐れられている海賊達なのよね」


「そうだね、NPCを殺したりする奴等だし、海賊船の中に檻があるって事は人攫い的な事もやってる設定なんだろうね」


「んー・・・よし、とりあえず敵討ちを終わらせてさっさとキャプテンセンチョーを倒しに行こうか」


「そうね、あまり設定に振り回されすぎるのもよくないわ」


 アサギ達は檻がある部屋を更に奥の方へ進んでいく、左右にある檻の中には誰も入ってはいなかったが所々に血がついていたりしてこの海賊団の残虐性を表しているようだった


「この部屋の中みたいだね」


 そこは入り口の扉よりも重厚にできていた、中から逃げられないようにする為なのだろうか閂までがかかっている


「なんでクエストの対象は海賊なのにこんな所はいってるんだ?完全に懲罰房って奴だろ、こんな奥にあるんだから」


「んー・・・言われてみればそうだね、普通なら檻の前で座ってそうなイメージだけどね」


「確かにそんな感じよね、なにかやらかしちゃったから入れられてるのかしら?」


「てことは大分弱ってるんじゃないか?楽に倒せそうだな」


「なるほど、よし、じゃあ入ってみようか、閂外すね」


「よし、俺も手伝おう」


「ありがと、ダガー君、よし、じゃあ開けるよー」


 アサギとダガーが扉についていた閂を外し扉を開けると部屋の中に一人のなかなかに大きい海賊が項垂れて部屋の隅に座っていた

 その海賊は扉が完全に開いた瞬間に頭をがばっと上げる


「だ、誰だ!まさかキャプテンセンチョーから俺を殺せと言われたのか!?商人を攫えって言われたのに殺しちまった罰なら今受けてるだろうが!それなのにキャプテンセンチョーは俺を殺すのか!!」


「ん、特殊AI?」


「いや、クエストでの会話だろ、動いて来ないし、でもこれでこいつが此処にいる理由がわかったな」


「なるほどね、それに敵討ちのクエストの相手だってはっきりと教えてくれたわね」


「そうだね、じゃあとりあえずクエストやっちゃおう」


「「「「「おー!」」」」」


 アサギが部屋の中へはいった時海賊は立ち上がった、そして攻撃の構えを取ったのだがどうやら武器すら持っていないようだった

 これなら楽そうだな、とは思ったが気を抜いてはいけない、この海賊団はある意味斜め上の行動を色々と取っているからだ


「よし、まずはヘイト固定するね」


 アサギは海賊に走って向かう、まずはいつもの突進だ

 ドン!とアサギがぶつかると思った以上に海賊が吹き飛ばされた


「あれ?ほんと大分弱ってるみたいだよ?」


 海賊は起き上がったがかなりフラフラしているようだ、アサギがヘイトを固定しようとさらに盾で海賊を殴りつけ、その後に剣で斬る

 それだけでその海賊は光の粒子となり消え、クエストが進行しましたとアイコンがアサギ達の前に表示された


「んー・・・なんというか・・・」


「そうね・・・なんか腑に落ちないというか・・・」


「でもクエストが完了した訳じゃないみたいだな、次はキャプテンセンチョーを倒して来いだとさ」


「この部屋はじゃあもう終わりかしら?次の攻略からは上にいたあの双子を倒して終わりかな?」


「どうだろう、今回はクエストが発生してるから今の奴しかモブがいなかったのかも、流石に中ボスとかはいないかもだけどなにかしらはあるんじゃない?次も一応見に来た方がいいかもね」


「そうだな、よし、じゃあまた階段上がって今度は後ろの方に行ってみるか」


「「「「「おー!」」」」」


 アサギ達は来た道を戻っていき今度は段差があった所から後ろ側の方へ向かっていく


「多分奥の方に下へ行く階段と上に行く階段があるんじゃないかしらね、多分下はあと一階だけだし先に下に向かいましょう」


 後ろへ行く道は大きく左に曲がっている所から始まっている、どうやらこの奥には大きな部屋があるみたいだ

 アサギ達は通路を巡回している海賊の下っ端達を倒しながらその部屋の入り口を目指す

 通路の奥の方になにやら階段を発見したがまずはと部屋の入り口を見つけたのでそちらに入る事にした


「ここは・・・食堂?凄い広いね」


「カウンターみたいなのもあるな、酒飲んでる奴もいるみたいだ」


「下っ端以外の海賊はどこだ?」


「んー・・・一応あそこに料理人がいるね」


「あ、ほんとだ、しかも名前付きって事はあいつが中ボス?」


「多分そうなるわね、下っ端よりも料理人の方が強いのかしら?アサギ、とりあえずは下っ端の掃除からね」


「うん、また走られても困るもんね」


 アサギ達は広い食堂の中にいる海賊達を少しずつ片付けていく

 中には動き回っている海賊もいたので周りをひっかけないようにと注意しながら崩していった


「よし、これでカウンターでお酒飲んでる海賊と料理人だけになったね」


「近づいたからHPバーが見えるようになったけど本当にあいつ中ボスだったんだな」


「そうね、どんな攻撃かまったく予想できないわ」


「とりあえず酔っ払いからだね、でもあの料理人カウンターの中にいるけど乗り越えてくるのかな?」


「もし乗り越えてこなかったらカウンターの端まで走ってくる事になるわね、掃除をしてなかったら結構な数の海賊がリンクして攻撃してくるって事になるのかしら」


「うわ、いやらしい配置の仕方だな、それ」


「とりあえずアサギは酔っ払いの傍にいけば料理人もくるはずだから、相手が近づいてきてからヘイト取ればいいわ」


「うん、わかった、じゃあ酔っ払いに向けて突進使うね、いきまーす!」


 アサギはカウンターに座っている酔っ払いに向けて走り出す

 アサギが酔っ払いの索敵範囲内にはいったら勢いよく立ち上がりカットラスを抜き向かってきたので一人の方へぶつかり弾き飛ばした

 その間料理人は予想していた通りにカウンターを超えずにぐるりと走ってこちらに向かってきた、食堂の内部にいる海賊を減らしてなければかなりの海賊が一気に向かってきただろう


「料理人きた、ヘイト取るね」


 料理人はそんなものなんの料理に使うんだ!と突っ込みたくなるほどの大きさの包丁を両手で持ちながら向かってくる

 その大きさはアサギの持つ両手剣と同じくらいである

 料理人は横から薙ぐ様に包丁を振ってきたのでアサギはそれを盾で止める

 なかなかの威力である、料理をしているとこんなにも力がつくのだろうか


「結構攻撃重たいかも」


 アサギが位置調整を終わらせた頃に酔っ払いの海賊は二人とも倒されていた

 料理人の背中に三人の攻撃も加わり始める

 その時料理人が高々と包丁を上に持ち上げた、なにかスキルがくるのかとアサギは盾を構える

 すると料理人は一気に上から下へ包丁を振り下ろしまた包丁を振り上げる、最初の一発目がアサギの横をすり抜けたのでアサギはその包丁から離れるように少し距離を取った

 料理人はそのアサギを追う訳でもなく包丁を上下に振り続ける、その速度はかなりなものである


「キャベツの千切り・・・・?」


「少しずつ横に移動してるしそうみたいだね」


「食らうと結構痛そうね、アサギ、今のはしっかり躱して頂戴ね」


「うん、あ、止まった、全部喰らうと結構なダメージになりそうだね、気を付けるよ」


 包丁を振り続けた料理人は少し疲れていたみたいに肩で息をしている

 その隙にアサギは近づいて再度攻撃を開始する

 普通の攻撃はしっかりと盾で防ぐがあの千切りは避けた方がいいだろう、場所を固定して包丁を動かしてるのでアサギを直接狙ってる訳ではないからだ

 そしてその攻撃の後は絶対に少しの時間動きが止まる、無理をしなくてもその間に攻撃をいれればいいのである

 アサギ達は順調に料理人のHPを減らしていく、そしてもうすぐ半分になるか?という所で料理人が走り出した

 アサギはそれを目で追っていくと料理人はカウンターの裏にある部屋に入っていった、どうやら厨房のようである

 これは追いかけないといけないのか、とアサギが動き出そうとしたらまた料理人が走ってこちらに向かってきた、手には大きなハンマーを持っている

 ハンマーと言うか肉叩きをかなり大きくしたもののようでぶつける所にあるトゲトゲが痛々しい


「この料理人・・・相当STRに振ってるね」


 重さを感じさせない速度で料理人がハンマーを振るう、しっかりと盾で防がないと吹き飛ばされそうな勢いである

 何度か攻撃を防いでいるとぐっと一瞬料理人が力を溜めるようなそぶりを見せる、アサギはまずいと思い身体を前にだし料理人が振るおうとしているハンマーを止めた


「多分今の行動範囲攻撃だよ、結構ダメージでかかったからもし次来た時止められなかったらまずいから避けてね」


「あっちゃん今の反応して動けるなら範囲外に出ちゃえば?」


「そうね、避けれるならそれがいいかも、まぁちゃんとダガー君は避けれそう?」


「うん、私は大丈夫かな、最悪完全回避使ってるから当たっても平気」


「場所的に俺の所にハンマーが来るのは最後だから多分避けれる」


「わかった、じゃあ私もなるべく避けるね」


 次にその行動を見せた時アサギはしっかりと後ろに飛び退き攻撃を躱す事ができた

 料理人はぐるんと一周回ったのでその行動の終わりは攻撃のチャンスとなったのでアサギはすぐに近づいた

 だがその時先ほどのキャベツの千切り攻撃のように料理人がハンマーを上に持ちあげた

 ハンマーがアサギ目掛けて振り下ろされる、アサギは仕方なく無理矢理右足を大きく横に伸ばし突進スキルを発動しそのハンマーの直撃を避けた

 料理人はやはりその場で何度も何度もハンマーを振り下ろしている、あれを喰らっていたらアサギはやられていたかもしれない

 アサギはほっとした表情で攻撃を終え肩で息をしている料理人の前へ行く


「今の食わらなくてよかったわね、さ、あと少しよ、頑張ってね」


 そしてアサギ達は料理人を光の粒子と変えた

 もちろん宝箱もでてはいるのだが鍵が落ちただけで防具はなにもでなかった

 残念ではあるが確率だから仕方ない、鍵を取ったアサギ達は部屋をでて階段の方へと足を進めるのであった

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