Date4 黄
今回はちょっと短いけど……どーぞ☆
月日は流れて、冬休みが明けた。
その日は冬休みの課題テストだった。
もちろん、冬休み中に司と勉強会をして、みっちり叩き込んでもらった。
だから今日のテストは完璧。
残り時間が余りすぎて、ぼーっとしていると、普段、ペンケースを置いているスペースに何か書いてあるのを見つけた。
(こんなの、今まで書いてあったっけ?)
机に突っ伏して、刻まれた文字を見る。
君がため
惜しからざりし
命さへ
長くもがなと
思ひけるかな
藤原孝義の和歌で百人一首のひとつ。
確か意味は諸説あるけど、あなたに会うまでは惜しくなかった命でさえも、あなたと出会った今は、長くあってほしいと思うようになった……だったかな。
その文字はまだ新しい。
そういえばこの和歌――
アタシが古典のノートを忘れてきて、初めて司に予習を写させてもらった和歌……
しかも、よく見ると
少し右上がりの癖字
えっ、と思って斜め後ろの方の席の司を見ると、流石に司もはやく解き終わっていて、目が合った。
頬杖をついたままニコッと微笑まれて、慌てて目を逸らしちゃった。
まさか……司が書いた……?
何のために……?