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女の子の人生を軽く考えてる奴は、金玉裂かれて泣けばいいのよ

神さまが引き起こした事故によって死亡した私たちは、別の世界に転生することになった。

小さな(体格の)女の子になりたいって要望を伝えたのに、一寸法師なみに(サイズの)小さな人間に転生させられてしまった。

次々と襲いかかって来る虫や小動物を撃退し、偶然に遭遇した鬼との死闘も制した。

それらの苦労の末に手にした打出の小槌は、呪いと引き換えに一時的に願いが叶うという、質の悪いレプリカだった。

まだまだユイ達のデンジャラスな冒険は終わらない。

イヤイヤイヤ、冒険したくないよ!絶対に転生やり直してもらうんだから!


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「レイジ、これ返しに行こうか」


一通り呪いが解除されたユイが呟くように言った。


「だな」


「返すだか?」


レイジは同意し、レオナルドは疑問を持った。


「もともと、私たちの体を元に戻したら、返すつもりだったんだよね」


「そうだっただか?」


「うん、じゃあ行こうか。マサムネ、これ咥えて」


マサムネ打出の小槌を咥える。持ち上げてはいないが、これでも大丈夫なのは実験済みだ。


マサムネを送還する。打出の小槌はマサムネと一緒に送還された。


「よし行こう。レオナルド、みんなを運んで」


「わかっただ」


レオナルドは背負子小梅を乗せて、もう一度鬼の里に向かうべく、街道を目指して歩いた。


レオナルドはユイにお願いがあった。


「姉さん、ちょっといいだか?」


「ん、なに?」


「これ終わったら、おいのアレ治してもらえんだろか?」


「アレ?」


「姉さんが先っぽ2つに斬ったアレですだ」


一物の先っぽを日本刀で斬り裂いた件のことである。


「ああ。アレね」


ユイは思い出した。少し考えてから、


「レイジ、治せる?」


と、レイジに尋ねた?


「ん。出来ると思う」


レイジは回復魔法について、時間があれば色々と確認していた。

軽い怪我や体力回復は遠隔でもいけること、骨折や整復、大出血、病気なんかは接触していないと出来ないことなど分かっている。

女性化した時については、大幅に効果が上がり、時間が短くて済むことと、複数の対象を同時に回復出来ることまでわかっている。


「じゃあ、あとでお願いしてもいい?」


「ん。やっとくよ」


レオナルドは嬉しそうに、レイジを腕に乗せて、自分の顔の前に持っていき、お願いしますと、頭を下げた。


もう少しで街道というところで、こっち向かって歩いて来る集団を見つけた。

昨日、出かけて行った鬼の集団だった。


見つけたというのは正確ではなく、すでにこちらは発見されており、こちらに向かって来ているところでようやく気がついたところだった。


鬼の集団から見れば、生贄を回収に行ったレオナルドが、生贄の少女を背負って里の近くにいるのだから、行き違いになったかくらいの感覚だ。

彼らが疑問を持つとすれば2つ。

なんでこんな遅いのか?

なんで街道から外れて歩いているのか?

である。


レイジがレオナルドにもっともらしい言い訳を授ける。


鬼の頭領が近づいて来た。

近くで改めて見ると、様々な色の鬼がいる。

ただ、全員が銀髪で肌の色は明るい色が多い。

レオナルドのように漆黒の肌や金髪はいないように見える。


頭領がレオナルドに向って言う。


「レオナルド! なんでこんな遅いんだ。それにそんな街道外れでなにしてた?」


「寝てる時に娘っ子に逃げられちまっただ」


「それで探してだか?」


「んだ。やっと見つかっただ」


「そか。じゃあ、里に戻るだか」


「んだな」


頭領はあっさりと納得した。

20人の鬼と合流して里に向かう。


(誤魔化せたけど、まずい流れだね)


小梅の袖の中で、ユイとレイジが今後について相談を始めた。


(このまま里に行くたくないね。ここでやっちゃう?)


(やっちゃうって、20人くらいいるぞ?)


(隠密行動で金玉20個斬ればいいんでしょ?)


(お前、発想がやばいよ)


(だって、里についちゃったら30個になるんだよ)


(斬る金玉の数で語るなよ、でもまあ、確かに増えるな)


(鬼はパンツ履いてないし、楽勝)


ユイはレオナルドとの戦いで自信つけたようだ。


(小梅の安全はどうなんだ?)


(厳しいかもね)


確かになぁ。と独り言を呟いて、諦めたようだ。

違う話をレイジにする。


(そういえばさ、この世界の鬼ってなんなの?)


(なんなのって、どういう意味だよ?)


(神の使いみたいじゃない?)


(あぁ、それな)


タイミングを図ったわけではないようだが、2人を載せているレオナルドが頭領に、近い話題をふった。


「頭領、小梅はどうなるだ?」


「小梅、小梅干し?」


「この娘っ子の名前だ」


「んだ? 名前なんか聞いただか?」


「んだ」


「神さまに渡して、褒美もらって、あとはしらね」


頭領の回答にレオナルドはちょっちムッとした。


「そういや、レオ、お前、北の領主を殺しただか?」


「ああ、やっただ。それで神さまに渡したあとどうなるだ?」


どうでもいい話に話題を変えられたので、ぶっきらぼうに答えて話を元に戻した。


「あ? しらねぇだよ。で、なんで、殺したんだ?」


「知らないじゃないだよ。小梅は神さまのとこ行ったら、どうなるだ?」


「うるせぇだよ! そんなことより答えろや」


「そんなことでないだよ! 小梅はどうなるだ?」


「小梅、小梅、うるせぇだよ! 情でもうつっただか? そんなことよりなんで殺したか答えろや」


「教えろ!」


掴みかからん勢いで至近距離で睨み合う。


「答えろ!」


「何が!」


「なんで北の領主を殺した!」


「早よ行け、早よ行けっうるさいからだて」


「うるさいから殺しただか!」


「うるせぇって、頭押したら、死んだだよ」


「それを殺したて言うだ!」


「それよか、教えろだて」


「何が!」


「小梅がどうなるかだ」


「知らねだ」


「オイはちゃんと答えたで、頭領も真面目に答えるだ」


「知らねぇって!」


「ふざけんなて!」


「お前がふざんけんなだて!」


頭領がレオナルドの行き過ぎた態度に我慢出来ずにレオナルドの顔を殴りつけた。

生贄を背負っていることを思い出し、ハッとする。

レオナルドは、小梅が落ちないように後ろ手に抱えながらコマのように半回転して、転ばずに踏みとどまった。


「殴りおったな、くそ頭領が! 弱いくせに調子に乗りおって!」


レオナルドは、頭領に真っ直ぐ間合いを詰め、右拳を大きく引いて注目を引きつける。

そうしておいて、左足で頭領の股間を蹴り上げ、頭領の金的を潰しつつ、宙に浮いた頭領の顎を右ストレートで打ち抜いた。


頭領は数メートルは後方に吹っ飛び、受け身も取れずに地面に落ちた。


「レオナルド!頭領に何するだ!」


「レオナルドを抑えろ!」


レオナルドを捕まえに行った鬼は、逆にレオナルドに捕まって、後続の鬼達にぶつける使い捨ての武器にされた。


(はじめちゃったよ、野蛮人が)


ユイが人ごとのように言う。


(お前だって、今すぐはじめそうな勢いだったじゃん)


(あんな野蛮人と一緒にしないで、今のうちに静かに数減らそうって思っただけだから)


(野蛮人よりわるいじゃねぇか!)


レイジの突っ込みを聞き流して、ユイは戦いに参加することを決めた。


(まあ、でも少し見直したかな。レオナルドの奴、わかってんじゃん。女の子の人生を軽く考えてる奴は、金玉裂かれて泣けばいいのよ。レイジ、レオナルドと小梅をよろ)


(加勢すんのか?)


(勝負の邪魔をさせないだけ)


さすがに数が多すぎると思ったのだろう。

しかし、巨人達の戦いに介入しようなど、レイジにはとても無理だった。

出来る限りと思い、女性化して防御力強化の魔法を、ユイとレオナルドにかけた。


(ほれ)


(ありがと、行ってくる)


ユイは巨人たちの戦闘の渦中へと飛び込んでいった。


読んで頂いてありがとうございます。

次話もよろしくお願いします。

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m(._.)m

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