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黒柳悦郎は転生しない 一学期編  作者: 織姫ゆん
二十日目 一学期の終業式
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20-6 いつもよりもだらけた放課後のつづき

 

 放課後。

 特にすることがないまま、俺たちは部室に移動していた。


「今日って活動予定出してないけどいいんだっけ?」

「いいんじゃない? まだ夏休みじゃないし」

「そういえばそうか。予定表の日付は明日からだったしな」

「そもそもあれは、学校が閉まってる日に登校してくる生徒を管理するためのもの。だから今日は関係ない」

「なるほど」


 俺と咲の疑問を緑青がわかりやすく解説してくれる。

 ということは補習期間中なら、変則スケジュールとはいえ授業をしてるんだから放課後部室に寄っても問題ないってことだな。


「そういえばさ、教室には残ってる人たち少なかったから帰ったのかと思ったら違うみたいね」

「ん? どういうことだ?」

「グラウンドとか見てみた? いつもなら野球部かサッカー部くらいしか練習してないけど今日は他の部活も練習してるみたいだよ」

「ほー。この暑いのに大変だな」

「運動部は夏の大会があるからね」

「あー」


 試合とか大会とかそういうのとはまるっきり無縁な我がオカルト研究部。

 文化部が集まってやる大会みたいなのがあるらしいと聞いたこともあるが、たぶんそこでもオカルト研は対象外だと思う。

 なにしろ、競技的要素は一切ないからな。


「あれ?」

「ん? どうかしたか?」

「去年はなんか助っ人とかで呼ばれてなかったっけ。何部か忘れたけど」

「えーっと、バスケ部とハンド部だな」

「セパタクロー部にも呼ばれてたけど、使い物にならないってお払い箱にされた」

「あれはしょうがないだろ。付け焼き刃でできる種目じゃないぞ?」

「確かに」


 うちの学校は生徒の数に比べて部活の数が多い。

 それはつまり、どこでも慢性的に部員不足に陥っているということだ。

 サッカーや野球のような人気の部活ならいいが、それ以外のところでは競技人数を揃えるだけでも一苦労しているらしい。

 まあ、去年のバスケ部の場合はレギュラーメンバーが怪我をしてしまっての予想外の人数不足だったらしいが。


「で、それがどうしたんだ?」

「今年はどこにも呼ばれてないのかなって」

「あー、そういえば呼ばれてないな」

「そっかー。なんかちょっと残念」

「ぐふふ。悦郎必要とされてない」

「そういうこと言うな。俺まで悲しくなる」

「大会の応援とかあんまりしたことなかったから楽しかっただけどね」

「部のやつらも女子マネが増えたみたいで嬉しいって言ってたな、そういえば」

「咲だけなら需要あるかも」

「あのなあ」


 窓の外からは運動部の連中の掛け声と、蝉の声が聞こえてくる。

 エアコンの聞いた部室の中で俺たちはダラダラとしながら、終業式の放課後を過ごした。


「てかうちの野球部って強いんだっけ?」

「知らない」

「知らないってことは、そんなに強くないのかもな」


 野球部のやつらに聞かれたら怒られそうな失礼なことを言いながら、窓の外を眺める。

 来年もまた助っ人とか頼まれないといいな。

 こんな暑い日に外で運動なんて、正直勘弁だぜ。


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