第9話 ダークヒーロー
アスカ「ヒロト〜、修正ペンってどこ置いたっけ?」
ヒロト「ここらへん、ほらよ。」
アスカ「サンキュー!」
リク「ヒロト先輩ってほんとに記憶力いいですよね。」
アスカ「ヒロトはこんなもんじゃないよ!」
アスカ「ヒロト!No.127の『コケモン』は何?」
ヒロト「No.127『カイゲイン』むしスピリット。必殺技、剛力シザース。」
アスカ「ね?」
リク「もう図鑑じゃん。」
ヒロト「ちなみに、カイゲインは攻撃高いけど防御低いから装備しっかりつけたほうがいい。」
アスカ「へぇ〜。」
ヒロト「コケモンカードだと、」
リク「(ヒロト先輩すごいけど、どこか掴みどころのない人なんだよなぁ。)」
ヒロト「リク。」
後ろから話かけるヒロト。
リク「わっ。びっくりした。」
ヒロト「よく言われる。」
リク「じゃあやめたほうがいいと思います。」
ヒロト「リクはこれやってる?」
スマホの画面をリクに見せるヒロト。
リク「キャットサバイバル...あぁ、友達がやってましたね。有名なソシャゲなんで少しはわかります。」
ヒロト「この子最近追加されたんだけどかわいくない?まぁ可愛い上に強いんすよねぇこれ。あ、このクロナっていうのが一応俺の推し。ちなみにクロナはこの新しく追加されたキャラとコンボ組めて、、」
リク「え?あぁ、はい。(この感覚知ってる...アスカ先輩に初めてあったときもそうだった。)」
リク「すごいですね。僕だったらこのシロカってキャラを選ぶかなぁ。」
ニヤニヤするヒロト。
ヒロト「シロカね。シロカは初期キャラでまぁ最初はみんな好きになるよねって感じの清楚キャラなんだけど、性能としてはあんま強くなくて毒特攻がないと積むステージで手放す人が多いかな...ちなみに、」
リク「(燃料を与えてしまった。)」
アスカ「ヒロト、リク困ってるみたいだよ。一旦お話ストップ。あとで私と話そ。」
ヒロト「へい。」
アスカ「ゲームの熱量はすごいね...さすが副部長。」
リク「え?ふ、副部長!?」
ヒロト「いや、まぁ、なんというか便宜上だけどまぁその。」
リク「(部長がコレで副部長がアレってとんでもないなこの場所は...。)」
アスカ「みんな手止まってるねぇ、フィールド散歩行こっか!」
アスカ「せっかくだし、そこペア組む?」
びっくりするリク。
リク「はい!」
ヒロトの方を向く。
リク「よろしくお願いします!(知りたい、もっとこの人のことが...!)」
コウタ「2年残りまーす。」
サトシ「了解。アスカ、僕と行かない?」
アスカ「もち!サトシと一緒楽しみ!」
ヒロトとフィールド散歩中。
リク「(この人はどんな世界を見てるんだろう?)」
ヒロト「あ、」
リク「(あ?)」
ヒロト「あ、えと、ゲーム部楽しい?」
リク「(めちゃ普通な質問...。)」
リク「はい、個性豊かで毎日騒がしくて、不登校のときにはなかった日常がここにはあります。」
笑顔で答えるリク。
ヒロト「へぇそっか。」....,....。
リク「(終わったーー!会話終わったよ!どうするこの空気!?)」
リク「ヒロト先輩は、どうして、、?ヒロト先輩?」
ヒロトは公園の方を眺めていた。
そこには公衆トイレの壁に落書きする人たち(高校生くらい)がいた。
リク「あぁ、いますよね。ああいうおバカな連中...。え、」
リクが話してる間にヒロトはトイレの方に向かって行った。
リク「ヒロト先輩?えちょ待っ、相手たぶん高校生っすよ!?」
ヒロト「そこ、落書きする場所じゃないですよ。」
高校生1「は?え?誰こいつ?」
高校生2「中学生じゃん。どっか行けよ。」
ヒロトはもう一段大きな声で言う。
ヒロト「聞こえないの?そこ!落書きする場所じゃないですよ!」
高校生3「聞こえてるわ黙れようるさい。」
高校生2「うざい説教すんな。静かにしないと...お前もカラフルにするぞwなんつってww」
ヒロト「誰が掃除してると思って...」
シュー。
スプレー缶から塗料が噴射され、ヒロトの顔を赤く染めた。
高校生1「黙れっつってんの。」
リクは引っ越す前の記憶を思い出した。
リクの家の壁には「犯罪者」「汚職政治家」といった文字がでかでかと書かれてる。
リク「なんでよ!俺たち関係ないじゃん!」
母「そうだね、ほんとにそうなんだけど...。」
頭を抱えた母親。見ると静かに涙をこぼして呟いていた。
母親「なんでこうなっちゃったのかな...。」
リクは頭にきて思わず外に出た。そのとき丁度大人が壁に落書きしてるのを見つけた。
リク「お前ふざけんなよ!家の壁に!」
大人「お前こそふざけてんじゃねぇよ!!この犯罪者一家!!」
リク「いつ俺が!」
大人「やっただろ!!」
スプレー缶をこちらに投げてきた。
リク「痛っ!」
大人「国から出ていけ!害虫!」
「お前も消えろ!後藤のガキンチョ!」
リクは走って逃げる大人たちを遠目で眺めてた。
気づくと手が震えていた。
目の前には赤に染まったヒロト先輩がいる。
リク「ヒ、ヒロト先輩...。」
ガッ。ヒロトは高校生の髪の毛を掴んだ。
ヒロト「ぅるせぇのはてめぇのほうだろ!!」
裏返った声でヒステリックに叫んだ。ヒロトは思い切り腹を殴った。
高校生2「は?暴力っ!」
ヒロトは言い終わらせずにそいつの体を蹴った。
高校生3「うわ暴行罪じゃん。」
そう言うやつの顔面をヒロトは殴った。
高校生1「は?やばっこいつ。てか全然痛くねーし。」
高校生2「ただの雑魚じゃん。俺も一発!」
リク「や、やめたほうがいいですよ!!」
リクは大きく息を吐き冷静になった。
リク「撮ってます。」
高校生3「いやこいつが先に、」
リク「人をスプレーで汚すのは犯罪じゃないんですか?高校なら退学という選択肢はありますからね。」
高校生は黙ってこちらを睨んだ後に立ち去った。
ヒロト「...。警察とかに言わないよな?あいつら。」
リク「ああいうタイプはプライドで生きてるので中学生にやられたとは言いませんよ。」
ヒロト「まぁ、その、ありがとう。助かった。」
リク「いえ、ヒロト先輩の行動力はすごいですね。」
ヒロト「ゲームクリア、レベルアップ。」
ヒロトの目には他の人とは違う形のメガネがかかっていた。
リク「(なるほどね、確かに頼れる先輩かも)。」
ヒロト「一旦学校に戻ろう。アスカに連絡入れといて。」
リク「はい。」
学校にて。
アスカ「はははwなにそれオシャレじゃんwww」
ヒロト「お前も真っ赤に染めてやろうか?」
また喧嘩になりそうだ。




