冒険者登録と現れた鍵
作者:「そしてシナリオは動き出す」
レン:「そうだね、そろそろ日常を中断して進めようね~」
作者:「そして、第二回貿易準備始動」
レン:「そろそろアップデートかなー」
作者:「神のみぞ知るらしいよ?」
翌朝、フウカとソウジは町を歩いていた。
理由は町の案内もあるがソウジの冒険者登録が一番の理由だろう。
「あそこが武器屋であそこがギルドね」
「この世界の建物って向こうに比べると全体的に小さいですね」
「建築技術が未発達で」
「まあ、国が作られて500年少々でここまで技術が進歩してる方が異常なんですよね」
二人はギルドに入る
「やっぱり冒険者ギルドはこんな感じなんですね」
「こんな感じです」
「やっぱり酒場とセットなんですね」
「そうなんですよ」
「やっぱり依頼書は掲示板に貼ってあるんですね」
「はいはい、登録しますよ」
フウカはソウジを引っ張って移動する。
向かう先は受付カウンターのアリアさんの列
に並ぶ
「おはようございます、フウカさん。今日はケイトさんとはご一緒じゃないんですね」
「ケイトに何か用がありましたか?あれでしたら伝言しますけど」
「いえ、いつもと違ったので。えーとこちらの方は…」
「えーと、こちらはソウジ君です。私と似たり寄ったりな境遇で」
「ソウジです。名字は…今は無いですね」
『似たような境遇、登録の付き添い、これはライバル出現?これは冒険者知名度ランキングに変動の予感』
「えーと、字は書けますか?」
(そういえば、何故かあのときは字が書けたんだよね)
フウカは自分のときのことを思い出す。
確かにあのときはスラスラと書けていた。今見ても読める。こっちの世界の文字だ。
なのに少し前までは簡単な文しか読めなかったし書けなかった。
それも地道な努力とケイトの助力でなんとか不自由なく読め、ある程度書けるようになっていた。
「えーとフウカさん、字は……」
「ああ、はいはい。えーとソウジと、年齢16歳、男性、使用する武器は刀とバトン、魔法属性は時と水と…」
「フウカさん出来れば喋らずにお願いします」
「あっ、すいません」
フウカは黙々と書類を埋めていき書き終えた紙をアリアに返す
「えーと、はい大丈夫です。登録します」
初めてのときは気づかなかったが書類を右手で持って読んでいるが同時に左手がすごい早さで動いて魔法陣が書き込まれた紙に書類の内容を書き写していた
アリアは紙に魔力を通して燃やす。
これを見るのも何度目かになった。
フウカは燃える書類を横目にアリアのもう片方の手を見ると、紙に書かれた魔法陣が回転しておりその上にギルドカードがあることに気付く、燃えカスとギルドカードが一緒に魔法陣に吸い込まれていくのが見てわかる。
なんと派手に燃える紙はフェイクだったのだ。
そして燃えカスが金属に変わるように見えるようにギルドカードが転移している。
「……スゴい」
ソウジが呟く
初見は皆普通に驚く
そしてそれを見たベテラン冒険者達は生暖かい目でそれを眺めて笑いを堪えるというのがギルドの慣習のようだ
「凄く器用ですね」
それを聞いたアリアは手品の種がバレたことに気付くが笑顔でスルーする。
「はい、こちらがギルドカードとなります。片方は私共が、もう片方ソウジさんが保管して下さい。瞬撃の隼の担当をしております。ギルド職員のアリア・エネシスです。これからよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします」
「ではアリアさん、仕事は次にケイトも一緒に来たときにでも引き受けるので」
「はい、お待ちしてます」
私たちはギルドからでる
一方でケイトは書庫(地下室)で整理をしていた。
理由は単純、新しく本を買い込んだからだ。
ケイトは一冊の古文書を手に取る。
これは前に読んでいた、300年前の事が書かれている本だ。
そしてその本を棚に入れる。
その隣に(本物かどうかは謎だが)世界に七冊しかないとされる類いの本を積めていく。
世界に七冊しかないと言う割りに現在ケイトの手元には実に十冊にも及ぶその本があるのだ。
理由は簡単、その本は中が白紙であるため複製がとても簡単で「世界に七冊しかない」というタグがついているためにレプリカが五万と存在するのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆
作者:「『なら、レプリカの可能性が限りなく高くて買うだけ損だ』って?皆さん、宝くじ買う方いらっしゃいますよね?でも、当たった方ほとんどいらっしゃいませんよね?つまりそういうことです。本物の可能性なんてほとんど無いけど本物だったらスゴいから皆買うし皆売るんですよ」
レン:「僕は宝くじ買うぐらいならカジノ行ってイカサマポーカーして稼ぐかな」
ジン:「お前、それやる前に完璧に分子レベルでコピーした偽造貨幣を作りまくるよな」
レン:「そうだよ」
作者:「地道に働こうかな」
◇◆◇◆◇◆◇◆」
カランカランカラン
黒い影が一瞬見え隠れし、金属の何かが石の床に転がった。
それは長さ15cm程の金色の鍵だった。
「鍵?なんの」
ケイトは鍵に手を伸ばすが、ケイトの手が鍵に触れる前に鍵はひとりでに浮き上がり発光し始め、近くにあったもの全てを弾く
手元の十冊の内の一冊も同じく浮き上がり発光しており、ページがパラパラと捲れて行く
捲れたページに浮き出る用にインクが、現れていくそしてあるページで本はページを捲るのを止めた。
「本物?今度は何?」
本に書かれていた魔法陣が白金に輝き、浮き出て直径2m程まで大きくなる。
しかし魔法陣は紫色に輝く文字の鎖で括られ、中央で錠前のような模様の小さな魔法陣で封じられていた。
「なんかヤバそうねっ!」
ケイトは金色の鍵にその場にあったテーブルを叩きつけるが鍵はびくともぜず、テーブルは砕けた。
鍵は何もなかったかのように紫色に輝く錠前の鍵穴に収まり、紫色の文字の鎖と錠前は砕け散った。
その場には白金に輝く魔法陣と床に転がった金色の鍵が残された。
ケイトは近くにあった杖を手に呪文を詠唱する。
『光よ汝の絶対的な輝きをもって彼の光を書き消し、彼の魔法を止めたまえ 魔封じの光』
ケイトの杖の先が部屋をよりいっそう明るく照らすが魔法陣に変化はなく、観音開きの扉が開く様に魔法陣が開き始め、扉の隙間から高濃度の魔力が漏れだした。
「マズイかしら」
ケイトは階段を昇っていく。
徐々に徐々に溢れだした高濃度の魔力は部屋に充満していった。