では1,3,2でやってください
では1,3,2でやってください
ありがとうございます。この順番は私も賛成です。
* 第7話:写真館の日常(世界を広げる)
* 第8話:図書館での再会(変わらない距離を確認する)
* 第9話:寄贈記録へ戻る(謎を一歩だけ進める)
この三話で前半の土台がかなり強くなると思います。
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第七話「写真を受け取りに来る人」
蔵書整理が終わった頃、写真館にも夏の忙しさが訪れていた。
証明写真。
家族写真。
七五三の前撮り。
観光で立ち寄った夫婦の記念写真。
紗季は撮影よりも現像や受け渡しを担当することが多かった。
「ありがとうございます。」
「きれいに撮れてますね。」
そんな言葉を交わしながら、一日のほとんどをカウンターで過ごす。
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店長は五十代半ば。
祖母の代から写真館を知る人だった。
「写真って不思議だよな。」
昼食のあと、店長がアルバムを閉じながら言う。
「撮った瞬間は『今』なのに、半年もすれば『昔』になる。」
紗季は頷く。
「だから残すんでしょうか。」
「いや。」
店長は笑う。
「忘れるために撮る人もいるよ。」
その言葉が、少しだけ胸に残る。
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午後、一人の年配の女性が古い写真を持ち込む。
「少し色を直せますか。」
写真には若い夫婦と、小さな男の子が写っていた。
女性は懐かしそうに眺める。
「もう四十年くらい前なの。」
紗季は丁寧に受け取る。
「少しお時間をいただきます。」
女性は安心したように笑って帰っていく。
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仕事が終わる頃、店長が何気なく尋ねた。
「そういえば最近、図書館には行ってる?」
「たまに。」
「本、好きだったもんな。」
「はい。」
それだけの会話だった。
直人の名前は出ない。
紗季も話さない。
話す必要がないと思っていた。
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帰宅すると、祖母の本棚を少しだけ整理する。
あの短編集も変わらずそこにある。
裏表紙を開く。
数字は増えていない。
「17」もない。
静かな夜だった。
窓を開けると、遠くで雨の匂いだけがしていた。
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この回では、紗季の生活は直人中心ではないことを意識しました。
恋愛が始まる前に、「一人でも成立している人生」を描いておくと、後半で互いが必要になっていく変化がより自然になります。次の第八話では、その二つの日常が再び図書館で静かに交差します。




