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春夏冬
星影家の使用人に持ってこさせた、ミザールがこれまで編んできた白薔薇を順に手に取ると、エイプリルは嬉しそうに眺めていく。
掌サイズの白薔薇。
頭に被れそうなほどに大きな白薔薇。
親指くらいの白薔薇。
エイプリルは星影家を訪ねるたびに、ミザールが編んだ白薔薇を欲しがった。何回も何回も、こぐまが生まれるよりもずっと昔から繰り返してきたこと。
「やっぱり、お前の白薔薇はいいな」
「いつもそう言ってくれるわね。けっこうな数を渡したと思うけど、飽きないの?」
「そういうお前はどうなんだ?」
「私が? 何を?」
エイプリルは手に持っていた白薔薇をテーブルの上に置き、口の端を上げる。
「何年も何年もこんな狭い所に閉じ込もって、ひたすら白薔薇を編んでてよ、飽きねえのか」
「……」
ミザールは頬に片手を添えると、こぐまへ視線を向ける。彼女がどんな感情を抱いているのかはこぐまには分からない。
ミザールはエイプリルに視線を戻し、口を開いた。




