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エイプリル
艶やかな赤色に染まった長い髪を三つ編みにして一つにまとめ、ワインレッドのワイシャツに袖を通し、黒いスラックスにはサスペンダーが付けられ、すらりと長い脚にはチョコレートブラウンの革靴を履いている。
──エイプリル・スタフォード。
昨夜の読み聞かせの際に出た名前と同じ名を、客間に通された女性は生まれた時から使っている。
本人だ。
あの絵本は、等身大の彼女の姿を描いたものであり、絵本を制作した者が、彼女の知り合いだからと星影家にいつも送りつけている。
「そろそろ来る頃だと思っていたわ」
こぐまに手を引かれ、身支度を終えたミザールが姿を現す。客人に合わせてか、布地も飾りも全てが赤い、ゴスロリ服だった。頭頂部に赤い帽子の髪飾りを付けている。
「……ミザール」
艶やかな笑みを浮かべて、エイプリルは口を開いた。
「──相変わらず動く人形みたいな格好してよお! この家の奴らの趣味は変わんねえな!」
「……貴女の、品のなさもね」




