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プロローグ

 これは古より昔、太古の昔よりも以前の話。それはまさに、世界が誕生する前の時代。

 その中でも『十二属性戦士の戦い』という、伝説の戦士達の話である……。

 ある日のこと、何もない無の世界が広がる。光も闇も音も風もにおいも何もない、本当の無の世界……。

 そこに、何故か一人の老人がいた。長い真っ白な口髭と顎鬚はとても長く、地につくのではないかと思うほど。最早、口から伸びているのか顎から伸びているのか判別出来ないほどに、その老人は髭を蓄えていた。

 このローブを身に纏いし御老人こそ、大いなる力を持った神――『大神(おおがみ)』、後に人間の存在理由に大きく関わりを持つ事になる人物である。

 大神は、自身を生み出した二人、創造の神『アリシア』と破壊の神『ザキュリス』が退屈しているというので、彼らから受け取った光と闇をそれぞれ具現化した未知の物体を使用し、右手に光、左手に闇を持ち、それを高々と上に掲げると、それを一気に巨大化させた。二つの力は無の世界に浸透していき、やがて闇が宇宙を、光が銀河や星を作り上げ、光と闇のパワーのぶつかり合いにより引力が発生し、ついには、無の世界は広大な大宇宙が広がる有の世界となった。

 さらに大神は、新たに四人の神を生み出した。後に世界の力バランスを維持する役目を果たす『世界四大神(せかいよんだいしん)』となる存在である。

 『世界四大神』は、『光の神』・『影の神』・『心の神』・『死の神』で構成されていて、また、それと同時に『時空元(じくうげん)』という三要素の力を所有する特別な“祖”――『鎖玄穹(さげんきゅう)』が誕生した。

 『時空元』とは『時間』・『空間』・『次元』の三つのことで、時間は時を支配し、空間は物質を支配し、次元は引重力を支配するなど、三つはそれぞれ大事な役目を果たしていた。

 世界が成り立つには、この三要素を全て兼ね備えた鎖玄穹の祖が必要不可欠なものなのである。また、もしもの時のためにと祖の肉体の一部を用いて、時空元の置物も用意した。

 さらに大神は、自身の兄妹である『自然界三大神』の『天の神』、『地の神』、『海の神』と協力して一つの惑星を生み出した。その星の名は『ウロボロス』と名付けられた。




 やがて時を経て――


 世界四大神の四人は、それぞれ『太陽の神』・『月の神』・『闇の神』・『暗黒の神』へと成長を遂げた。

挿絵(By みてみん)

 ある日の事だ。大神が病に罹った。治したくとも、当時神も治療の技術を持ってはおらず、大神の容態は更に深刻なものとなった。

 このままではいずれ死んでしまう、その前になんとかしなければならない。

 そんなある日の事だった、まだまだやるべき使命が残っていた大神は、身内が止めるのも構わず、惑星ウロボロスへ発った。

 そして、事故が起きた。大神が、誤って『生命の種』と呼ばれるものをウロボロスに撒いてしまったのだ。元々、生命を育むつもりのなかった大神は焦った。

 が、大神の意思に反するように、ウロボロスは生命の種の影響によってあらゆる生き物が住める環境となり、多くの生き物が誕生した。その中でも、最も神々を驚かせたのが“人”だった。

 神々は、自らを“神族(しんぞく)”と呼ぶように、人の事を“人族(にんぞく)”と呼ぶ事に決めた。

 神族は元々一つに纏まっていたのだが、数が増える内に対立が始まり、その争いを止めるために四つの族種へ分ける事となった。が、それらに分類出来ない神々も存在するため、分類出来ない神々を第一世代、四つの族種へ分類出来る神々を第二世代と呼ぶ事にした。

 神族は、『天族(てんぞく)』、『魔族(まぞく)』、『地族(ちぞく)』、『海族(かいぞく)』の四つで構成されており、一方人族はその神々に倣い、後に『皇族(こうぞく)』、『帝族(ていぞく)』、『王族(おうぞく)』、『民族(みんぞく)』の四つで構成された。




 それから何年もの月日が流れたある日の事、人族の極秘調査に出ていた太陽の神『フィーレ』と、月の神『ルナー』が人族に見つかり、彼らに拘束されてしまった。

 人族は、二人が神族の人間であることが分かるや否や、偉大な方だと崇め奉り、さらには二人の容姿の美しさ、神々しさに心奪われ二人に忠誠を誓った。しかし、無論それを良しとしない者もいた。その二つが対立し、神を守護する『光の戦士』と、神を殺害する『闇の戦士』とに分かれ、『第一次光闇(こうあん)戦争』が始まってしまった。

 結果、闇の戦士が勝利を果たしてしまい、光の戦士は女子供関係なく闇の戦士の手にかかって殺された。邪悪な心が闇と化し、その闇と化した人間が次々に闇の戦士を殺していく。それにより、邪悪な心は闇をさらに濃くし、ついには暗黒とまでなってしまった。

 これにより、ウロボロス星は暗黒の星となってしまった。それを目撃した大神と自然界三大神はもちろん、多くの神族がこの事を嘆いた。

 ついには、それが憎しみ――憎悪となり、人族に殺意を持つ神さえ現れた。




 ある日、暗黒の心に操られた人族の闇の戦士が、矛先を神族へと向けた。それは更なる影響を神族に与え、ますます憎しみは増加していった。すると、僅かに残っていた人族の光の戦士が立ち上がり、その少数人数で闇の戦士と戦うことを決意した。それに感化された一部の神族、世界四大神の内の太陽の神、月の神が光の戦士と共に闇の戦士と戦った。勝負は圧倒的とまで思われたが、そこで闇の神『ブラック』、暗黒の神『ジョーカー』による邪魔が入った。二人に(はば)まれ、後もう少しというところで仕留め損ねたフィーレとルナーは、ブラックとジョーカーと対峙し、ブラックを降伏させジョーカーの力を封じ込めて勝利を収めた。

 その後、闇の戦士は驚異的な力を持っているということで、鎖玄穹の祖の力を用いて別空間を生みだし、その空間とこちらの空間との狭間に『漆黒の門』を建て、番犬として魔族の暗黒魔獣『ケルベロス』を配置した。後に、これは『第二次光闇戦争』と呼ばれる事となる。

 こうしてウロボロスに平和がもたらされ、光の戦士の頑張りにより、ウロボロス星は元の美しさを取り戻したのである。

 しかし、平和も長くは続かなかった。神族の今まで溜まりに溜まった憎悪と憤怒が、ついに頂点に達して大爆発してしまったのだ。神族は人族に宣戦布告し、その強大な力を存分に(ふる)って彼らを次々に殺していく、神と人との戦い……『第一次神人(しんじん)戦争』が始まったのである。

 だが、戦争が始まってから十二日後、一人の男が十二人の仲間を連れて立ち上がった。

 『第二次光闇戦争』がキッカケで神族と仲良くなった一部の人族の中でも、王族の何人かが、神族との間に子を成した。その子供は『神王族(しんおうぞく)』と呼ばれ、そのトップの『神崎(かんざき) 王都(きみくに)』という男が、十二人の仲間と共に神族と人族の戦いを止めたのである。

 神族と人族は、それぞれ数え切れないほどの数だった。しかし、それをたったの十三人……いや、一人で止めた。あまりにもありえないこの出来事は、『伝説の戦士』となって、御伽噺など様々な形で今後も語られていくこととなる。




 戦いは犠牲を生むもの。被害は相当な物だった。

 神王族の中で、こういった争いはもうしたくないということで、『ソルジャー・オブ・レジェンド計画』、またの名を『プロジェクトS.O.L』を立ち上げ、多数の特別な力を持った神王族が誕生した。が、その装置が誤作動してしまい、神王族以外――主に人族の中の民族に力が現れるようになってしまった。

 後に、力を持った者は『有属性者』、力を持たぬ者は『無属性者』として分割された。

 その中で特別な『神の力』を所有する者は、伝説の王である王都を表す『伝説の戦士』として語られた。




 月日は流れ、伝説の戦士は名を変えていき『十二属性戦士』と呼ばれるようになった。

 しかし、十二属性戦士の中には恐ろしい力が秘められていた。その規格外すぎる力が暴走すると、周囲の人間に見境なく攻撃し被害を生むようになったのだ。

 力を押さえ込むために力の抑止力、制御となるパワーストーンを所持することにさせたが、それでも完全に力が抑え込まれることはなく、感情がある一定まで(たかぶ)ってしまうと『神力(じんりき)の暴走』が起こることが判明した。




 夢鏡王国を治める七王族の一つ、『リスマード一族』の四代目王は、せめて被害が減るようにと、ウロボロスの大陸からそれぞれ『火』、『岩』、『砂』、『雷』、『光』、『草』、『風』、『時』、『水』、『氷』、『毒』、『闇』の十二個の力を持つ国や町の一部を切り取り、『空中浮揚の断片接合スクラップコネクト・レヴィテイション』という力を用いて、空中都市『ヘルヘイム』を誕生させた。

 被害は減少したものの、無くなったわけではないため、さらなる研究が続けられた。かつて第一次光闇戦争が始まるより以前の時代、時空元の研究を行っていた初代所長が立ち上げた時空元研究機関『クロノス』により、十二属性戦士の記憶をデータ化し、ハードディスクに封じ込めることで力を抑える事が可能なのではないかと議題が持ち上がり、さっそく試した。

 だが、それにより、記憶ばかりか力の使い方まで分からなくなってしまい、余計に悪化する事態が発覚した。おまけに、それでも次々と十二属性戦士は誕生してしまう。

 ついには、クロノスを先導として王族協力の元、十二属性戦士を殺害するようになってしまった。

 さすがにやりすぎなのではないかと一部の人々の反発も受けたが、それでも王族は考えを変えることはなかった。

 一部の人々は、十二属性戦士の事を哀れに思い、目立たずひっそりとした生活を送らせようと、各々を離れ離れにさせて育てることにした。

 かつての英雄は、こうして多くの人々に忘れ去られることとなったのだった……。




 そして、空中都市『ヘルヘイム』に再び有属性者の子供達が次々に誕生した。彼らはやがて成長し、現在XX12年12月12日。齢異なる十二人の子供達の平均年齢が十二歳となった。

 今、彼らの物語が始まる……。

というわけで、大まかな今までの歴史をまとめました。

自分でも結構設定を凝らしたつもりです。この話は随分前から考えていたもので、少しばかり設定を変えたり追加したりして一応投稿してみました。

おかしい所や誤字があったりしたら教えてください。

投稿は少々遅れることもあるかもしれませんが、よろしくお願いします。挿絵入れてみました。右上から時計回りに太陽の神、月の神、暗黒の神、闇の神となってます。白黒ですがすみません。m(__)m

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