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RaPPitManS  作者: 一橋赤蘭
第一章
7/24

第七話 本拠と事故

■■■

 日乃根(ヒノネ)…正式名称、日乃根之国(ヒノネノクニ)。約二億人もの人間がの住む国。NAS(ナズー)が発足、世界規模の組織へと成長した基盤を支えた国。その首都「トウキョウ」。その中でも特に高層ビルなどが多く立ち並ぶ、所謂「都市」。ここ「月谷市」である。

■■■


 俺は明日乃に

「NAS日本支部本部」

に連れてこられたのだが…


「ただのボロ屋じゃねーか!」

「違うよ。ここ本部だよ」

「こんなボロ屋まず普通ねぇよ!」


高層ビルが多く立ち並ぶ月谷市。

珍しいボロ屋。


「もっとどデカいビルとかじゃないの?」

「重要なのは『扉』だから」


世界規模の組織だよ…?


「まぁ、カッコは悪いよね…でもほら、隠すのも必要だからさ…」


明日乃は躊躇なく敷地に入る。

がちゃり。

扉の向こう。

近未来的。

とてつもなく広い。

上…天井が見えない。

おかしいおかしい。


「ハァ…?」

「あのボロ屋とここ、『NAS日本支部本部』は扉を介して繋がってるの」


なるほど…



「んで、どこに向かうかっていうと…」


中に入ってみると、案外普通に『ビル』っていう感じ?

清潔感がある。

明日乃についていくと、またまた扉。


 総務処理課


わぁ。

なんとなく用事がわかったぞ。

扉を開ける。

扉の向こうに。

鬼の形相。

鉄拳を喰らう明日乃。

わあ…


「テメーはなに人様を巻き込んどるんだー!」

「うるせーババア!」

「誰がババアだクソガキ!30代はお姉さんなんだよ!」

「そもそも巻き込んでねーし!」


巻き込まれてます。



「うん、契約書確認したよ。」


それじゃあこれからNASの職員。よろしくねー!


キョトン。

色々とトントンで進みすぎて。

完全に置いて行かれた気がする。


「あー…ミナトちゃん?」

「あんたもしかしてなんも説明してないわけ?」

「はい…」


ハァ…とため息。

この人苦労人だな。


「私は如月湊(キサラギ ミナト)。ここ、総務処理課のトップやってるの」


綺麗な女性。

あと。

どたぷん…

でか…

じゃなかった。

危ない危ない。


「わたしは別に魂能ないからねー…こんな事務仕事ばかりやってて」


で、

手を叩く如月。


「亜夢は今日契約書だけじゃないでしょ、用事」

「さすが、よくわかってますわ」


手でお金のマークを作る。


「今日の朝と…夕方の分。臨時報酬出てるでしょ?」

「ハイハイ…本当は渡したくないんだけど?あんた今日どっちも規約違反だからね?」


規約違反…?


「朝のはともかくさっきのはもうアリマくんいたよ?」

「アリマくんはまだ正式加入してません」


はい朝の分…


「危険度低討伐報酬の5万と」

「ほいさんきゅー」

「それと夕方の危険度二の15万」

「それはアリマくんに渡して」


え?

思わず。

声が重なる。


「あ、亜夢が金を自ら手放すなんて…」

「私をなんだと思ってるんだ」

「欲望の化身」

「本当になんだと思ってるの?」


やばい。

完全に置いてかれてる。

ここで言わないと。


「何で俺に?」

「あぁ、さっきのあれ。多分キミいなかったら私死んでた」


そしたら当たり前でしょ?


「ハァァァァ⁉︎」

「死んでたは言い過ぎか。まぁどっちにしろ撤退にはなってたと思うよ。アリマくんはMVPだね」

「珍しいこともあるもんだわ」

「だからミナトちゃんは私のこと見損ないすぎ」

「自分で言うことじゃないわい」


封筒に入れられた15万。

重かった。


「えーと、どこまで話したっけ」


総務処理課。

如月さんがNASの規則について話してくれた。

原則二人1組での行動。

なるほど明日乃が怒られるわけだ。

みんな仲良く。

なにそれ…


「やぁ…でもそれくらいかな」

「今知っておくべきはそれくらいだね」

「みんな仲良くって何…?」

「仲良くしなきゃ運営まとまらないでしょ」

「そりゃそうですけど」


そりゃそうだけど…!


「あとはあれだね。NASのお仕事」

「能魔の討伐だけですよね?」

「いや、それ以外にも魂能関連のほとんどをNASの権限で担っている」


魂能を用いた特殊犯罪の対応もね。


「そんなことしてるんだ…」

明日乃と如月は談笑。

にしてもここは忙しいな。

あまり広くない部屋で20人余りの人間が慌ただしく動く。

狭い通路は予測線で埋め尽くされている。

鳴り響く電話。

舞う書類。


(あれとあれとあれやらなきゃ)

(これ締め切り今日まで?)

(怪我人の情報を)

(収支が合わん!収支が合わん!)

(この書類はここ)

(これなんの内容だったっけ)


あれ?

頭が痛い。

クラクラする


「それで…」

「…でしょ?」


二人の会話が聞こえなくなってくる。

予測線が歪む。

人が多い。

声が多い。

鼻血?


処理。


意識が。


途切れ…

なっっっが。

ゴメンナサイ

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