第五話 決める
ヒーローになりたい、でしょ?
みんな持ってるだろう。
ヒーロー願望。
誰かの助けになりたい。
羨望の眼差しが欲しい。
理由は様々あれ。
俺だってある。
でもさ。
「目立つのは嫌いだって…」
「嘘」
「それは逃げる理由でしかないでしょ」
「そんなこと…」
「キミが言ってるのは『アンチが嫌だから活動やめるね…』なの」
それは読心と関係ない当たり前のことだよ?…
「それを能力のせいにして逃げるなよチキン」
口悪…
「ま、ヒーローうんぬんは別にいいんだ」
「あ、いいんだ」
思わず声に出す。
軽く睨まれる。
「…とにかく、私のね?指示役…バディとして、ナズーに入ってもらおうと」
「いいように利用されろと?」
「ま、言い方は悪いけど」
こくん。
明日乃が頷く。
「…」
「どう?」
「……」
ぺらっと一枚の紙を見せる。
何これ?
契約書?
明日乃が期待の眼差しで見る。
………
「…ハイ…」
「やったぜ」
軽いね…
■
「じゃあこの契約書は家に持ち帰って…」
「あ、いや今ここで書いて?」
はい?
「いや、親と相談しなきゃ…」
「一人暮らし」
ウッ⁉︎
「何でかは聞かないし興味もないけど」
「どこまで知ってるんだテメーは」
「あとこれからナズーの方の家に住むことになるから」
聞いてねー…
「え、じゃあ荷物とか」
「あらかた運んである」
「え、何してんの?」
本当に何してんの?
「秘密のコレクション丸裸〜」
あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛
頭を抱えざるを得なかった。
「これ美味〜」
絶望を傍目に食うスイーツは美味いだろうな!
■
「さてと」
手を叩く。
「そろそろ行こうか」
机に広がる空の器。
「お会計は…一万七千円となります…」
どんだけ食ったんだこいつは。
明日乃が苦い顔をする
「あれ…財布…」
嫌な予感がする。
ここらが読めなくてもわかる。
逃げるか?
逃げるか。
よし逃げよう。
がしっ。
痛い。
首根っこを掴まれる。
痛い。
「ねぇアリマくぅん…」
痛い痛い。
「払ってぇ?」
「俺は払わんぞ…痛い痛い痛い!爪が食い込んでる!」
俺の財布は空になった。
夕焼けが…綺麗だな…
第五話投稿。
好き嫌いが分かれるだろう作風だとは分かっています。
みすてんといてーや




