選択するのは
随分と更新がなくて申し訳ありません。。。これからは短いですが、ちょくちょく書いていきたいと思います。見ていただければ幸いです。
「ばけもの。」
化物----
異様な姿・形をして,化け現れたもの。妖怪変化。おばけ。 「 -が出た」
普通の人間とは思われない能力をもっている人。
それが、月神凪が辞書で調べた、一番最初の言葉だった。
彼女は、月神家を興した初代の再来と言われるほど、霊力が高く、妖力の低い妖怪であれば、術式を介さずとも解放した霊力のみで滅することができた。
しかし、その霊力の高さが故に、孤独だった。
母親は出産時、凪の霊力に耐え切れず、凪を産んで直ぐその命を落とした。父親は凪が二歳の時に、凪を狙った者たちから守ろうとして殺された。
母方の親戚はおらず、父方の祖父母に引き取られて育てられた。
祖父も祖母も、背中で語るような昔気質な人たちで、甘やかされた記憶はないが、節くれだった手で、不器用にではあるが、愛情を十二分に注いでもらった。
そんな祖父母に育てられた凪もまた不器用な人間だった。
高い霊力に反比例するかのように、徹底的に不器用だった。
小さい頃から高すぎる霊力を持て余して物やら建物やらを壊し、止めに入る祖父母はいつも血だらけとなった。
幸いにして、というよりも、祖父母の尽力により、他者への被害はでなかったものの、ようやく霊力制御が出来る様になり、同学年と共同生活を送れるようになるころには、『化け物』として周囲にすっかり認知されてしまった。
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(・・・また、あの生活に戻るのか・・・。)
彼らを助けるのは容易いが、彼女と彼を助ければ、月神であることは露見するだろう。
蒼白な顔の巫女、その彼女を背に庇う狼神くん。
二人の顔を見、無理矢理親友を押し付けてきた彼女の顔を思い出す。
その顔が、恐れと嫌悪に染まる様を、どうしても想像してしまう。
どうしても、手が動かない。どうしても、封印の札を剥がせない。
(・・・彼は彼女の前では变化して戦わないだろうし。)
この16年間、隠し通してきたその理由も、凪には解りすぎるほど理解る。
誰も、妖怪なんて、化物なんて、知られたくないに決まっている。
ましてや、大切の人の前でなんて。
それでも、彼が解決してくれないか、と浅ましく考えてしまう。
指が震えて、みっともなく動かない。何をすべきなのか、明白だというのに。
そう考えている間に、大百足が地面をえぐりながら距離を詰めてきた。
(もう、時間はない。・・・こうなったら、空間ごと燃やし尽くして・・・巫女の力、と誤認識するよう、細工をしつつ・・・)
と、凪が足搔いていると、狼神くんが素早く大百足の前に立ちはだかる。
「ごめん。」
そう、苦笑しながら言った彼は、妖力を開放した。




