第6話
SNSなどで“マサミ”についていろいろな話題が持ち上がっていた。どれも噂の域を超えないが、時系列順に調べることにした。
マサミは某私立高校の女子生徒であり、部活は演劇部であるとか、マサミは昔人気のあった男性アイドルグループの自殺したあのマサミだとか多くの憶測が話題になっている。
マサミに襲われたら名前を逆にミサマと五回唱えれば消えるとか、マサミはニンニクが苦手など適当な事も中にはある。この手の怪談的な都市伝説ではSNS上でデタラメで溢れている。
衛はあの夢について夢占いとか検索してみたがそれらしいものも無かった。全てが空振りで無駄な労力と時間を費やした。
「嗚呼、馬鹿馬鹿しい! あれは単なる夢だ! トラウマレベルの体験をしたからあんな夢を見ちまったんだ! くそっ!」
片手で髪の毛を掻きむしる様な仕草をして部屋のベッドに体を沈めた。
「俺……何やってるんだろう……」
心の声が意図に反し言葉として出ていた。
マサミが男なのか女なのか若いのか年寄りなのか誰も知らない。知ってしまった人たちは亡くなっているのだから謎は藪の中である。
得体の知れない存在に日本中の国民が恐怖している異常な事態てある。
鏡の前でマサミと五回唱えるとマサミが現れ殺されるという都市伝説は確実に恐怖の象徴である。名前を知ってしまったことによりその言葉には得体の知れない恐怖という名の呪詛が宿る。
親の目を盗んで、面白半分で小学生が洗面所の鏡の前でその名前を五回唱えたために悲惨な結末となっているという噂がSNSの書き込みで多発している。
四肢を引きちぎられ出血多量で亡くなる子。
腹部を切り裂き掃除機で内蔵を吸引され亡くなる子。
浴室のバスタブの中で熱湯に浸かりながら全身の皮膚が捲れて亡くなる子。
平凡な家庭の中で凄惨な出来事が起こったとニュースで流れてくる。
警察もこのような他殺としか考えられない殺人現場で最初はその家庭の両親を疑っていたが、動機も見当たらず家庭間のトラブルも報告されていないということで捜査は難攻していた。
衛は自分の身にも危険が及ぶこの都市伝説についてネットから有力な情報がないか改めて調べることに没頭した。
まずは、マサミとい都市伝説が何処から波及したのか正確に調べることにした。
―(つづく)―




