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転生したのはバカ殿でした  作者: 戦国兄弟
~なぜか転生~
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【其の壱】 

ある朝のこと。

 俺は目覚めると、小早川秀秋になっていた。


 体に異常はない。ふつうに動かせる。でもなんか体がでかくなった気がする。

 と、そこで一つ疑問。


 なんで俺は小早川秀秋になってるの?

 俺はたしか昨日まで、田舎の平凡な中学生だったはずだ。わけがわからん。


 そしてもう一つ。

 俺は、自分が小早川秀秋に転生したと知っている。なぜ?

 ああっ……いてて。

 そのことを考えると頭痛がする。ようするに気にするな、ってことだろう。


 にしてもありがちな戦国転生ってwww

 今の俺にはなぜか、前世(って言ってもつい昨日までだけど)の中学生の時の記憶と小早川秀秋の記憶がある。


 ふしぎだ。(われながらリアクション薄すぎ)


 だが不安とか、前世への未練はない。とくにいい事なかったしね。

 戦国時代にこれてむしろラッキーだ。


 しかしな。転生したのは小早川秀秋かよ……。ちょっとガッカリだな。

 どうせならもっと有名どころがよかった。


 織田信長とか伊達政宗とか。

(秀吉はおサルだから嫌だ。家康はタヌキだから嫌だ。)


 それで、小早川秀秋……、17歳、か。

 意外と年は変わんないな。ずいぶんと大きさが違うのは成長期のせいか。

 

 秀秋の記憶をたどると……今は……慶長三年。

 だから今の年号……、というか前世の年号では1598年か。

 それで9月の1日。


 おっ、あっ、やばい。

 つい最近あの豊臣秀吉が死んでるみたいだ。

 頭の中へと徐々に(秀秋の)記憶が戻ってくる。

 

 ええと整理しよう。

 俺はいま小早川秀秋。

 で、今は戦国時代がおわって江戸時代に入るちょっと前。関が原の2年くらい前。

 豊臣秀吉が死んで、家康が勝手なことをしだす頃。


 いや、でも堅苦しい江戸時代で生きるとか、絶対無理だ。

 徳川家康がまず大嫌い。目はぎょろっとしてるし、平気でうそはつくし。

 あんなけち男がよく天下をとれたものだと、いまでも不思議に思う。


 江戸時代も好きじゃない。

 あんなカッチコチの時代なら、現代の方がよっぽどましだ。

 あの時代は大名だったとしてもかなり厳しいんだろう。切腹しろとか。追放だ、とか。


 あ……。

 そうだ、俺は戦国大名なんだ。それなら歴史も変えられるんじゃないか。

 せっかく戦国時代に来たのに、あっというまに江戸時代なんておもしろくない。

 秀秋はバカ殿だけど、頭は俺のなんだから問題ない。


 秀秋の記憶ばっかり思い出してたけど、よくよく考えれば俺はずっと未来からの転生者。

 ということは。

 この世界の中心になりうる人間ってことだ。


 現代の知識があれば、こんな大昔なんてちょろいな。

 現代の最新兵器で、江戸城もろともタヌキオヤジを吹っ飛ばしてやる!


 と、意気込んでみたが俺に最新兵器などつくれるはずもなく。

 つくり方を知らないし、そもそも材料がなさそうだ。まだ火薬の時代だし。

 まあ、そのうち前世の知識も役にたつ時がくるはずだ。


 でも意外と転生したのが小早川秀秋でよかったかもな。

 小早川秀秋といえば、関が原の戦いで西軍を裏切った奴。


 つまりは俺が西軍を裏切らなければ家康の時代はこない。俺の極楽大名生活は保障されるわけだ。

 うん? すこし待てよ。


 俺は転生者。

  ↓

 歴史の流れを知っている。

  ↓

 つまりはこの時代で【最強】。

  ↓

(きっと)天下もとれる!

 

 天下か。天下……むっふっふっふ。いいな。

 天下人になれば、ぜいたくし放題。やりたい放題だ。


 今の時代、最高権力者ってのは総理大臣みたいにひよわな存在じゃない。

 俺が法律だ、と言える。それが天下人。


 1、男は全員、秀秋のために働いて死んでいくこと。

 1、全国の女性は15歳になったら秀秋のお側にくること。

 こんなのはいいのかな。いやいや、こんなのでは天下はとれぬ。もっと民のことを考えなくては。


 でもな、やっぱり俺は最強かもな。

 武田信玄や上杉謙信なんて目じゃない。

 名君と呼ばれるのはもちろんとして、戦国最後にして最強の覇王、とか呼ばれたらたまらんな。


 俺は運があるようだ。

 小早川家は日本全体でみてもかなり大きい勢力。


 秀秋は豊臣秀吉の正室である、おねの兄で木下家定とかいう武将の息子。

 だから中央との結びつきも一応ある。


 ここはひとつ、家康も三成も出しぬいてやろう。

 うむ、やる気がわいてきた。

 俺は天下をとる。絶対にとってやるぞぉぉぉぉぉぉ!


 エイ、ヤアッ、ソレッ。朝のトレーニングだ!

「おはようございます、って殿?」

 俺を起こしにきたのであろう女中が、全身使って暴れる俺を見て、目をぱちくりさせていた

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