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私を処刑した王子を6歳から矯正してみます  作者: すなな


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【おまけ】インタビュー



挿絵(By みてみん)





【アルベルトにインタビューしてみました】


――セレナとは、どんな夫婦になりたい?

「普通がいい」

「朝起きたらセレナがいて、一緒にご飯を食べて」

「夜になったら、同じところに帰ってくる」

「おじいちゃんおばあちゃんになっても、手をつないでる」

少し笑った。

「そういうのがいい」

アルベルトは少し考えた。

「僕、たぶん怖がりなんだ」

「自分の感覚が、人と少しずれてるのは分かってるから」

「これで合ってるのかな、とか」

「今のは変じゃなかったかな、とか」

「結構考える」

少し間を置く。

「でも、セレナは僕に正解をくれる」

「駄目なら駄目って言うし」

「僕が分からなかったら、ちゃんと教えてくれる」

「セレナがそばにいてくれると、僕は『普通』になれる気がするんだ」


――普通に?

「うん」

「ちゃんと大丈夫なんだって思える」

少し考える。

「僕の軸って、たぶんセレナだから」

何でもないことのように言った。

「セレナが笑ってると安心するし」

「少し元気がないだけで気になる」

「いつもと違うと、僕が何かしたかなって考える」

「だから、たまに怖くなる」


――何が?

「いなくなったらどうしようって」


――今、そばにいらっしゃいますよ。

「分かってる」

「結婚もしたし」

「セレナは僕を選んでくれた」

それでも、と小さく続ける。

「いつか、どこかに行っちゃうんじゃないかって思うことがある」


――セレナには?

「全部は言わないよ」


――なぜ?

「重いって思われたくないから」


――お子様は?

「いらない」

即答だった。

「だって、セレナはきっと僕よりその子を甘やかす」

だんだん不満そうな顔になる。

「やだ」

「セレナは、僕がひとりじめしたい」


――セレナに似たお子様なら、可愛いのでは?

「それは可愛いと思う」

「でも、僕にも似るかもしれない」

先ほどまでとは違う声だった。

「僕は、セレナがいたから大丈夫だった」

「でも、その子にもセレナみたいな人が現れるとは限らない」


――それが怖い?

「……うん」

ほんの少し黙る。

けれど、すぐに眉を寄せた。

「それに、やっぱりセレナを取られるの嫌だ」


――ご自分に似るのが、そんなに心配ですか?

アルベルトはすぐには答えなかった。

「……僕、こうしたいって強く思うと、それが正しいって思い込んじゃうことがあるから」

「そのときは、本当に正しいと思ってる」

少し間が空く。

「だから、止まらなくなる」


――今も?

「たぶん」

あっさり答えた。

「前よりは気をつけられるようになったけど」

「なくなったわけじゃないと思う」

少し困ったように笑う。

「間違ってるって分かってたら、最初からやらないでしょう?」

「だから怖いんだ」

「また間違えても、自分では気づけないかもしれないから」


――セレナのことでも?

アルベルトは少し黙った。

「……特に、そうかも」

「大事だから」

「なくしたくないから」

少し視線を落とす。

「欲しがりすぎたら、なくなるかもしれないでしょう?」

それから、ぽつりと続けた。

「……ほんとは、キスするのもちょっと怖いんだ」


――怖い?

「したいよ」

返事は早かった。

「セレナに触れたいって思うし、キスもしたい」

少し黙る。

「でも、キスしたら、もっと欲しくなりそうだから」

「僕の『もっと』って、たぶん終わらないんだ」

「今は、セレナの隣にいるだけで満たされるから」

「それを壊したくない」

アルベルトは少し考えた。

「僕、自分の『欲しい』には弱いから」

少し困ったように笑う。

「だから、もっと欲しくなる前に止まってる方が安心なんだ」


――それでも、セレナを大事にしたい?

「うん」

すぐに答えてから、アルベルトは黙った。

「……でも、それも僕には分からないんだ」


――分からない?

「本当にセレナのことを考えられてるのかなって」

「セレナに笑っていてほしいのも」

「結局、僕が安心したいからかもしれない」

少し視線を落とす。

「自分本位なんだよ、たぶん」

それから、少しだけ笑った。

「でも」

「セレナには笑っていてほしい」

「それは嘘じゃない」



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