208 イチャイチャ禁止令?
とりあえず花音を帰宅させた後、柊は話し合いをするために佳奈美の家を訪れた。
「ただいまー…」
「お邪魔します…」
「柊くん?♡いらっしゃい♡」
とりあえずリビングをスルーして佳奈美の部屋に向かおうとしたのだが、佳奈美の母はわざわざ扉を開けてこちらに顔を出して来た。
そうなると流石に無視するわけにもいかず、柊は仕方なく彼女と会話を交わすことにした。
「少しの間だけお邪魔します…」
「ふふ♡今晩も泊まっていいんだよ?♡」
「今日は遠慮しときます…」
「そう?♡でもゆっくりしていってね♡」
「はい…」
全てを察した生温かい目。恐らく佳奈美も今朝の段階が色々気づかれてしまったのだろう。母の目がそう語っている。
しかしそれを今どうこう出来るわけではないのでとりあえず佳奈美の部屋に向かうことにする。
「適当に座って…。あ、お茶いる…?」
「いや大丈夫。すぐ帰るから」
「そっか…」
部屋に入ったは良いものの、微妙に会話が弾まない。しかしそれでは話が始まらないので勇気を出して話を始める。
「あの…今日のことなんだけど…」
「う、うん…」
「ごめん!!俺のせいで恥ずかしい思いをさせてしまって…!!」
深々と頭を下げる。
その理由は今日は佳奈美が珍しく恥ずかしがっていたから。最近の佳奈美は前世の経験もあってか本気で恥ずかしがることが減って来て、特に柊と二人きりの時以外ではそういう素振りを見せないようになっていた。
しかし今日は色んな人キスマークを見られ、多くの人に柊との行為を悟られてしまった。そのことで彼女はかなり恥を感じていて、そうさせてしまった柊が死ぬ気で謝っているわけだ。
そして肝心の佳奈美の反応だが、また頬を真っ赤にして顔を逸らしている。
「…それはその…やりすぎた私も悪いから…」
「だとしてもちゃんとセーブ出来なかった俺のせいだ。本当にごめん」
「……」
正直言うと求めて来たのは佳奈美の方だ。何度ヤバいと言っても辞めてくれなかったし、時間なんて全く気にしていなかった。
もちろん佳奈美自身も今朝の一件は自身のせいだと分かっているようだが、柊は責任を押し付けるつもりはないので優しく手を重ねる。
「その…今日からはさ…次の日に学校がある時は控えめにしておかないか…?」
「そ、そうだね…。また今日みたいなことになりたくないし…」
二人は仕方なくこの事実を受け止めるが、やはり不満は残ってしまう。
特に愛を大事にしている佳奈美にとってはかなりの痛手だろう。そういう感情が顔に出ている。
(…どうにか出来ないのか…??流石にこのまま接触を控えるのは可哀想だし…)
彼女は柊とイチャイチャすることに生き甲斐を感じている。なのにイチャイチャの機会を減らしたらどうなる?
ほぼ間違いなく佳奈美の普段のモチベーションは低下する。ローテンションな恋人を見たい彼氏なんているか?もちろん柊はそんな佳奈美を見たくない。
つまり良い感じの解決策を考えないといけないわけだが、そんな簡単に思いつくわけがない。しかしそれは佳奈美も考えてくれていて、彼女なりの解決策を話し始めてくれた。
「で、でもその…柊とはたくさんイチャイチャしたいから…き、キスマークはつけないようにしよ…!」
「……」
あ遅刻したことは反省してないんだ。
どうやら彼女の問題はキスマークをつけ過ぎたという点らしく、遅刻してしまったことには何も感じていないようだ。
つまりこれからもある程度普段通りのイチャイチャを求められるが、キスマークだけは付けないように注意するらしい。
それあんま解決になってなくない?結局夜遅くまでイチャイチャすることには変わりなくない?なんかそのうちまた二人揃って遅刻する未来が見える。しかしそれで佳奈美が満足ならそれで良い。
結局柊はそのまま佳奈美とのイチャイチャし始め、今晩もお泊まりすることになった。




