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神との戦争  作者: たにどおり
【帝都決戦】
63/64

第63話 VSドラゴン級


『来るぞ! 迎え撃てッ!!』


 ビルに挟まれたアスファルトを疾走する車列は、戦闘陣を形成しながらレーヴァテイン大隊の持てる火力を、上空より接近するドラゴン級へ投射していた。


「ガアアアアアアアアァァァァァァァァァッッ!!!!!!!」


 スコープ越しに見える異形は神話にも出てくるそれ、俺は対空射撃も可能な12.7ミリ重機関銃を撃ち込むが、ワイバーン級と違い、怯みすらしてくれない。


『攻撃ヘリ部隊に応援を要請した!! それまで食い止めるぞ! 絶対に近づけるな!!』


 偵察警戒車の25ミリ機関砲も火を吹くが、それすら弾き返されてしまう。

 悪い夢でも見ているようだ、対空火器の通じない航空戦力にどうやって勝てと?


『驚いたな! 久しぶりに見たがまるで空飛ぶ戦車だ、機関砲はおろか対空ミサイルさえも通じないとはね』


『笑いごとじゃないですよ大隊長! このままでは時間稼ぎすら困難です!』


 この状況においても陽気な少佐に、ナスタチウム中尉が無線で叫ぶ。


『後方!! 敵ドラゴン級にブレスの兆候あり!! 直撃コースです!』


 くっそどうする? 重機関銃も機関砲も効かない! このままでは上空からのブレスで車列ごと吹き飛ばされる。

 万事休すか......!


『大隊諸君、帝国国民の血税だが仕方あるまい、総員降車だ! 装備を持って飛び降り、魔装化戦闘へ移行せよ!!』


 下された決断は車両の放棄、このまま丸焼きになるくらいなら、十分合理的だった。

 全員が魔導ブーストを発動、俺もハッチから飛び降りた瞬間、豪炎が走った。


「ゴアアアアアアアアァァァァァァァァッッ!!!!!」


 無人となった車列を巨大な火球が直撃、まるで装甲など初めから無かったかのように軍用車が吹き飛んだ。

 爆発した車の部品が飛び散る中、地面に着地した俺はすぐさま周囲を見渡す。


 火球を放ったドラゴン級は、近くのマンションの屋上を踏みつぶし、再びこちらへ攻撃を向けようとしていた。

 道路の真ん中では、後ろだろうが横だろうが避けきれない。

 なら――――――――


「突撃にぃ――前ぇッ!!!」


 魔導ブースト全開で前方へ待避、掠めるように真上を通った火球の爆発を背に、大隊はビル上のドラゴン級へ一斉に接近する形で回避した。


「はああッッッ!!!!」


 右腕に魔力を込めたラインメタル少佐が、キマイラ級すら一撃で屠る渾身の右ストレートを、ドラゴン級の顔面へ叩きつける。


「ゴアアアアアアッッ!!!!」


 砲弾のような一撃に、ドラゴン級はまたも上空へ飛び上がった。


「こちらレーヴァテイン01、目標が上昇、ありったけ撃ち込んでやれ」


『デスコール1了解、発射用意――――発射ッ!!』


 1キロ先のビルに身を潜めていた攻撃ヘリ数機が、一斉にガトリング砲を発射。

 装甲車もズタズタにする20ミリ徹甲弾が、ドラゴン級の翼を穿った。


「ガギャアアアアアアアアッッ!!!!!!」


 高度を落としたドラゴン級は、ガトリング砲を逃れるためか超低空飛行を開始。

 なんと高層ビル群の間を縫うようにして滑空を始めた。


 ふざけた装甲と火力、機動力を兼ね備えた強敵には辟易するが、ヤツの放置は許されない。

 だからこそレーヴァテイン大隊は、降車時に持って降りた110ミリ対戦車ロケット砲を、アサルトライフルも捨てて担ぐのだ。


「追撃だ!! 攻撃ヘリ部隊と共にケツを追い、ヤツを地に落とすぞ!!」


「「「了解!!」」」



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