第64話 悪夢の終わり
やりたいシチュが重なり悩んでしまい、時間が掛かってしまいましたorz
ビル群を滑空するドラゴン級レクトルを、315魔装化機動大隊はさながら群狼のように攻撃ヘリと並走して屋上を駆けていた。
手に持つは110ミリ対戦車ロケット砲。
飛行するドラゴン級に当てるのは至難だが、解決方法は実に単純明快だった。
「さあ大隊諸君!! 我らが帝都に足を踏み入れたトカゲにおしおきといこうじゃないか! 傲慢な捕食者を地に叩き落としてやれ!!」
飛んで逃げるなら落とせばいい、ここがホームである以上、地の利は我々にあるのだ。
ビルからビルへ飛び移り、最短ルートでドラゴン級の予想進路へ。
攻撃ヘリから偏差射撃された有線誘導のミサイルに続き、大隊は一気にドラゴン級へ肉薄した。
ミサイルに事前に気づいたドラゴン級は、空中で急静止することによってなんなくかわす。
だが、おろそかになったヤツの頭上には魔力を限界まで拳へ集約した、ラインメタル少佐が待ち伏せていたのだ。
「はああああああッッ!!!!」
爆弾に近い威力を持った鉄拳が、ドラゴン級の脳天を叩きつけた。
「ギュアアアアアッ!!?」
落下したドラゴン級はマンションを潰し、膨大な砂塵を巻き上げる。
だが、これで終わったとは誰も思わない。追い打ちはすぐさま行われた。
『デスコール2、4! 80ミリロケット発射ッ!!』
数百メートル先から流星群のように降り注いだのは、大量のロケット弾。
ドラゴン級が突っ込んだマンションを吹き飛ばし、攻撃ヘリが徹底的に火力を投射したのだ。
区画ごと爆炎に覆われる、しかし、それは健在だった――――
「ガアアアアアアアアアアァァァァッッ!!!!!!!」
砂塵を破ったドラゴン級は、自身の周囲にいくつもの魔法陣を発生させると、全方位お構いなしに高出力のビームを撃ち放った。
「待避!!!」
俺の立っていたビルも薙ぎ倒され、鉄筋コンクリートが引きちぎられる。
あの化物、どうやらブレスだけでなく魔法まで使えるらしい。
だが、このまま好きにさせるつもりなど毛頭ない!
「浴びせろッ!!!」
レーヴァテイン大隊は魔法を放ち続けるドラゴン級へ、ロケットランチャーを斉射。
立て続けに起きた大爆発は異形を覆い隠し、その翼を奪った。
吹き飛んだ翼部がアスファルトに落下、ドラゴン級はその腕で4足へと移行した。
「グラン! 掩護頼んだ!!」
「はあっ!? あの戦闘狂また突っ込みやがる! しょうがねえ」
1人ロケットランチャーではなく、対物ライフルを持っていたアルバレス中尉が連続射撃。目を集中的に狙う。
「だああッ!!」
ナスタチウム中尉の強烈な蹴りが、ドラゴン級の地についた腕を弾く。
普段から使っていなかったのか、その手はアッサリと地面を離れ、ドラゴン級は体勢を崩した。
「魔力刃装着!! 叩き斬れ!!!」
レーヴァテイン大隊が突撃。
再び吹き荒れる魔法による弾幕を抜け、刃を腹に突き立てた。
「ガギュウアアアアアアッッ!!??」
初めて飛び出すヤツの悲鳴、俺は嵐のように魔力刃を叩きつけ、心臓目掛けて刃を立てる。
味わえ! その身で持って知れ! 貴様がこの世界にもたらした苦痛を!!
ドラゴン級の心臓にまで達すると、傍にいたラインメタル少佐と2人で、毒々しく動く心臓へそれぞれハンドガンを向けた。
「「チェックメイト」」
それは悪夢の終了を告げるアラームのように、鳴り響く発砲音とマズルフラッシュは、ドラゴン級の生命を亡き者とし、鼓動を停止させた。




