「高地」
「なあ・・・。」
「なんだよ・・・。」
「補給部隊はまだか・・・。」
「もうすぐじゃないのか・・・。」
「もう兵糧も持たないぞ・・・長すぎる。」
「時間がかかるんだろうよ、なんせこの揚陸艦(陣馬)だけじゃないからな。」
「弾はあるんだ・・・あとは・・・。」
「焦るなよ、なんもいいことないぜ。」
「口を慎め!。」
「わかりましたよ隊長。」
「たくっ・・・司令部は何をしている補給もろくに出せないのか。」
「あらら、隊長も俺らと同じかあ。」
「それにしてもなんだよ203って、訓練兵でも送り込むって言うのか。」
「知らねえよ、待ってればいいんだろ。」
「お前ら、いい加減に・・・。」
「わかりましたよ、隊長。」
「補給は来るんですよね。」
「信じるしかないだろう、どうせくそまずい飯だろうよ。」
「台湾製ですか?。」
「違うな、ベトナム製だろうよ。」
「あ~、兵舎に戻りて~。陸に上がりてえ・・・。」
「嫌でも、陸につくぞ。」
「おっと、達磨が待ち伏せている陸は知らないね。護衛の戦闘機はありますよね?。」
「・・・そんなものはない。」
「・・・そんな。」
「あるのは海軍の支援だけだ。」
「役に立つわけないだろ、昔の戦艦じゃないし対地攻撃なんて・・・。」
「・・・・・。」
「・・・わかりました。」
暗い機内に一層闇が満ちた。
突撃命令はまだない。
しかし、ここにいてはいつかは狙われるだろう・・・。
ここでは死ねない。
・・・・・。
・・・・・。
「艦長用意が出来ました。」
「了解、面舵。」
「面舵。」
「司令部に通達、我目標捉え、砲撃許可を待つ。」
「了解、司令部より御霊は内地へ帰った。」
「磁気投射砲すべて問題なし、機関安定、電力供給・・・問題ありません。」
「全システム問題なし(オールグリーン)。」
「砲撃開始。」
「第一射装填、目標地点入力、G P S - J 、オンライン。誤差修正・・・発射。」
目標に艦首を向け、砲を放つ。
長い砲身は40メートルに及ぶ。
そして、その砲にあった巨大な音を放ち弾は飛んで行った。
「次弾装填・・・発射。」
再び音が鳴り響く、近くにいたら鼓膜が破れるだろう・・・。
聞いたことがある音だ。
敵の支援砲撃の音にそっくりだ。
「・・・了解。総員、立て!。」
隊長が怒鳴り声をあげる。
耳が痛い。
「・・・ついに・・・来ましたか・・・。」
「隊長・・・あの音は?。」
「203だ。」
「・・・203?。」
「大砲だ。ただし、250キロメートルは飛ぶ。」
「なんですか・・・それは?。」
「兵器だよ。」
「ははっ、そりゃあ笑えませんよ。なんですか、あんたのところは戦艦を造っていたんですか?。」
「そうだ・・・。」
「203か・・・。」
「203・・・それって・・・ははっ、笑えるねえ過去の栄光とでも?。」
「そうかもな、あいつらにはちょうどいいかもしれない。」
「なんせ悪魔ですからね。達磨には。」
「さて、仕事だ。」
「この支援攻撃は?。」
「あと45分だ、それで無くなるそうだよ。」
「結局のところ、俺らの仕事ですか・・・。ああ~、早く人権が欲しい。」
「まったく、やってらんねえわ。」
「おい、大丈夫か?元気ねえな?。」
「・・・大丈夫だ。」
「これだから新兵は・・・。行くぞ。」
ヘリが母艦から離れる、これからいくは地獄・・・。
まだ死ねない・・・死にたくない・・・。
・・・・・。
・・・・・。
「・・・夢か。・・・たくっ、嫌な夢だな。」
「・・・早くしないと。」
彼は、持ってきた荷物を見た。
かっぱらってきた手榴弾も、自分のライフルもある。
怖いことはない。
あとは、殺るだけだ。




