「夜」
「はあ・・・。」
あの後、やりたくはなかったが落ち着かなかったので、勉強を再開することにした。
案の定頭に入るわけもなく、スマートフォンを弄っては参考書を眺めた。
「・・・・・。」
外にでも出るか・・・・・。
このままじっとしていても落ち着かないし。
紗奈に見つからないように家を出る。
でも、この時気付かなかった・・・・。
アレクシアの靴がなかったことを・・・・。
「はあ・・・。」
何度目かのため息をつく。
やはり夜は寒いものだ。
近くのコンビニエンスストアまで行く。
「明るいな・・・昼間みたいだ。」
そんなことをつぶやく。
紗奈が俺が外に出たことに気づくとめんどくさいからな。
「・・・近道・・・するか。」
あの事件以来、廃屋はできる限り避けてはいる。
首都であった東京は大規模な疎開などにより、空き家が進み戦争以後も人々が戻らず。
オリンピックの開催都市であったことも忘れらるほど荒廃が進み、この辺りでさえも人がいなくなった。
友達も何人かいなくなっている。
霞が関は庁舎の移動で更地にされた。
国会議事堂は史跡になっている。
今、あそこにいるのは天皇様だけだ。
企業のほとんどが海外、大阪、仙台、九州へと移動した。
とうぜん文化もだ。
今の日本の芸能の最先端は神戸だ。
上京するのなら早いうちにとしつこく言われたな。
「・・・・・。」
このあたりの建物は最近出来た・・・。
といっても二十年は経過している。
近々爆破される予定になっている。
何でも所有者が死亡したからだと。
犯罪の抑制として空き家の放置は避けたいということだ。
「・・・・・。」
友達の家も何軒かなくなった。
もう戻っては来ないと・・・・・。
「・・・・・。」
乾いた音が聞こえる。
そこの林の裏側からだ。
正確には家だ。
法改正前に建てられたもので誰のもかもわからず。
行政代執行もできないまま放置され、誰からも苦情が来ることもなく、住むことができないというとから放置され続けた結果がこれだ。
「・・・・・なんだろう?。」
気になったので覗いてみようと思った。
本来、禁止されている行為だが・・・。
まあ、いいだろう・・・。
「・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・アレクシア?。」
なんでここに・・・。
家にいたはずだが・・・・・。
誰だ、あれは?。
アレクシアは戦っていた。
華奢な体で拳銃を撃ちながら・・・。
腰にサブマシンガンと思われるものを装備している。
昼間は付けていなかった。
「伏せて!。」
「えっ・・・。」
そう言われるのと頭を押さえれるのは同時だった。
「この女!!!!。」
乾いた音が数発。
弾が切れたのだろう。
しかし、その女はひたすら引き金を引いていた。
ヒステリックを起こしたらしい。
「・・・・・っ・・・はあ。」
静かになった。
「・・・何が・・・・・?。」
「大丈夫?慎也くん。」
優しい声で話しかけられる。
「・・・玲奈?。」
「そうよ。」
「何で話はあとで、アレクシアに聞いて。あと颯には言わないで。」
「ああ・・・・・?。」
「それじゃあ、また後で。」
すると玲奈言ってしまった。
「おつかれ、アレクシア。」
「いえ、玲奈。たいしたことなかったわ。」
「そう、これは私と鈴音で運ぶわ。あなたは彼を。」
「彼って・・・・・?。」
「慎也よ、近くにいたは。」
「ええっ!。」
何やら2人で話しているようだ。
「それじゃあ、仙谷と雫も引き揚げているみたいだから。」
「私も・・・・。」
「駄目よ、見られた以上もう他人ではないし。今後の関係も・・・。」
「わかったわ。」
「おつかれ。」
「おつかれさま。」
「はあ・・・・・・。慎也?。」
「ああ、なんだ?。」
「・・・帰りましょう。話しながら帰るわ。」
「・・・・・わかった。」
「はあ・・・。」
アレクシアの口からため息がこぼれた。




