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たった1人の英雄奇譚   作者: 葵流星
第3章「授業と教練」
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「夜」

「はあ・・・。」


あの後、やりたくはなかったが落ち着かなかったので、勉強を再開することにした。

案の定頭に入るわけもなく、スマートフォンを弄っては参考書を眺めた。


「・・・・・。」


外にでも出るか・・・・・。

このままじっとしていても落ち着かないし。


紗奈に見つからないように家を出る。


でも、この時気付かなかった・・・・。


アレクシアの靴がなかったことを・・・・。



「はあ・・・。」


何度目かのため息をつく。

やはり夜は寒いものだ。

近くのコンビニエンスストアまで行く。


「明るいな・・・昼間みたいだ。」


そんなことをつぶやく。

紗奈が俺が外に出たことに気づくとめんどくさいからな。


「・・・近道・・・するか。」


あの事件以来、廃屋はできる限り避けてはいる。

首都であった東京は大規模な疎開などにより、空き家が進み戦争以後も人々が戻らず。

オリンピックの開催都市であったことも忘れらるほど荒廃が進み、この辺りでさえも人がいなくなった。

友達も何人かいなくなっている。

霞が関は庁舎の移動で更地にされた。

国会議事堂は史跡になっている。

今、あそこにいるのは天皇様だけだ。

企業のほとんどが海外、大阪、仙台、九州へと移動した。

とうぜん文化もだ。

今の日本の芸能の最先端は神戸だ。

上京するのなら早いうちにとしつこく言われたな。


「・・・・・。」


このあたりの建物は最近出来た・・・。

といっても二十年は経過している。

近々爆破される予定になっている。

何でも所有者が死亡したからだと。

犯罪の抑制として空き家の放置は避けたいということだ。


「・・・・・。」


友達の家も何軒かなくなった。

もう戻っては来ないと・・・・・。


「・・・・・。」


乾いた音が聞こえる。


そこの林の裏側からだ。


正確には家だ。

法改正前に建てられたもので誰のもかもわからず。

行政代執行もできないまま放置され、誰からも苦情が来ることもなく、住むことができないというとから放置され続けた結果がこれだ。


「・・・・・なんだろう?。」


気になったので覗いてみようと思った。

本来、禁止されている行為だが・・・。

まあ、いいだろう・・・。


「・・・・・。」


「・・・・・・・・。」


「・・・・・アレクシア?。」


なんでここに・・・。

家にいたはずだが・・・・・。

誰だ、あれは?。


アレクシアは戦っていた。

華奢な体で拳銃を撃ちながら・・・。

腰にサブマシンガンと思われるものを装備している。

昼間は付けていなかった。


「伏せて!。」

「えっ・・・。」


そう言われるのと頭を押さえれるのは同時だった。


「このアマ!!!!。」


乾いた音が数発。

弾が切れたのだろう。

しかし、その女はひたすら引き金を引いていた。

ヒステリックを起こしたらしい。


「・・・・・っ・・・はあ。」


静かになった。


「・・・何が・・・・・?。」

「大丈夫?慎也くん。」

優しい声で話しかけられる。


「・・・玲奈?。」

「そうよ。」

「何で話はあとで、アレクシアに聞いて。あと颯には言わないで。」

「ああ・・・・・?。」

「それじゃあ、また後で。」


すると玲奈言ってしまった。


「おつかれ、アレクシア。」

「いえ、玲奈。たいしたことなかったわ。」

「そう、これは私と鈴音で運ぶわ。あなたは彼を。」

「彼って・・・・・?。」

「慎也よ、近くにいたは。」

「ええっ!。」


何やら2人で話しているようだ。


「それじゃあ、仙谷と雫も引き揚げているみたいだから。」

「私も・・・・。」

「駄目よ、見られた以上もう他人ではないし。今後の関係も・・・。」

「わかったわ。」

「おつかれ。」

「おつかれさま。」

「はあ・・・・・・。慎也?。」

「ああ、なんだ?。」

「・・・帰りましょう。話しながら帰るわ。」

「・・・・・わかった。」

「はあ・・・。」


アレクシアの口からため息がこぼれた。


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