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たった1人の英雄奇譚   作者: 葵流星
第3章「授業と教練」
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「シルヴィア Ⅰ」

こんにちは、葵です。

今年初の更新です。

いやー、3日までに書けて良かったです。

さて、今年もたった1人の英雄奇譚をよろしくお願い致します!。

「はぁ・・・」


シルヴィアはため息をついた。

それも全部、同じクラスメイトのせいだ。


(うぅ・・…頭が痛い。)


それもそうだろう・・・慎也と颯がドイツとフランスの統合戦技生に喧嘩を売ったようなものだろう。


「困ったわねぇ・・・」


聞こえないように呟いた。


「本当に…困ったわねぇ・・・」


(ここはいっそ攻めて行くか・・・いや、まだ待った方が・・・っていつまで待てばいいのよ!。)


慎也とは幼馴染だ。

それも彼にとって一番最初のだ。

あの時からこの淡い気持ちは変わらない。

もう付き合っても馬鹿にはされない。


「・・・そうよね。」

そうだ、きっとそのはず・・・。

それにしても、あの2人・・・まさか・・・。

無いよね…。いや、あるいは・・・。


「シルヴィアさん?」

「うへぇっ?」

「あのー?」

「何かしら・・・?。仙石さん?」

「いやー・・・、さっきから話し掛けているのに返事がないから・・・」

「あっ、ごめんなさい」


目の前のことよりも恋の方が先。

乙女とはそういうものなのだ。


「なぁ、慎也?。」

「どうした隼人?。」

「このクラスで一番可愛い人って誰だと思う?。」

「…また、その話か。」

「お前も男だろ。そろそろ彼女でもって話だ。

あれ?ホモだっけ?お前?。」

「違います!れっきとした異性愛者です。」

「それじゃぁ、誰だ?。」

「えっ…いや…それは。」

(このクラスで一番可愛い子か。)

このクラスは女子が多いというか、この学校に通うほとんど生徒が女性だ。理由はいくつかあるが、家から近いっていうのが大半だ。

「可愛い子、颯は誰が一番だと思う?。」

答えるのが恥ずかしいので颯に流す。

「えっ…ああ、俺かぁ。」

(すまん…颯、俺も答えづらいんだよ…こういうの…。)

返事に颯が詰まっているので別の話題に変えようとしたとき。

「玲奈かな…。」

「えっ?。」

「だから玲奈だ。」

「えっ、ああ、そうか。」

「颯…お前シスコンか…?。」

隼人は言った。

「いや、だから玲奈が一番可愛い。」

「「…。」」

つかの間の沈黙。

「それ本気で…。」

「ああ。」

颯は真顔でそう言った。

「あの、颯さん?それ、自分の妹が一番だって言ってるようなものなのですが。」

「いや、だから…。可愛さだ。妹とか関係なく。」「はあ…。」

(頷くしかないだろ。隼人お前も…。)

「俺は水瀬さんが一番だ。」

(話続けるかい!。)

心の中で1人つっこむ。

「何でだ?。」

「何でだって。可愛いからさ。」

「あのほとんどレイプ目みたいな目で、ほとんど喋らなくてのほほんとしている、それであまり…うむ…成長していない、いかにもトロそうな子が?。」

「ああ、ホント可愛い。最高だ。罵られたい。」

「「…。大丈夫か?。」」

「yes。」

(隼人…お前何を言ってい るのか。確かに、水瀬さんは可愛いけど罵られたいって言うのも聞くけど…。それに颯…言っていいことと悪いことが。)

ヒュンッ。

「おっと。」

パキッ。

「「「…。」」」

ペンが飛んできた…しかもものすごく速く。

それを颯が打ち落とした。

まあ…ペンは無惨な姿に…。

「…。」

(水瀬さんだ…。)

俺らの話を聞いていたらしい。

いつもと同じ目なのに、今日は暑さを感じる。

サファイアのような赤い目だ。

それが…彼女の綺麗な白い髪も心なしか…赤みがかかっているような気もする。

「何故、打ち落としたのですか?貴方には当たらない軌道でしたのに。」

水瀬さんは淡々と言った。

「友だちがケガをするところは見たくないのでね。」

颯は笑いながら返す。

「…そうですか。」

水瀬さんはそっぽを向いてそう言った。

ゼッタイまだ怒ってるよ…。

「コラ!颯!雫さんに意地悪して。」

「ってシルヴィア、…いや、これには訳が。」

「知らない!。女の子に意地悪するなんて最低!。」

「いや、だからシルヴィアこれは。」

「うるさい!。アンタら全員!処分よ。」

「それって…俺も…。」

「問答無用!。」

「理不尽!。」

今日も、1日が始まる。

発砲音と、共に…。


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