4話 詩織の憂鬱
詩織の憂鬱
私詩織は憂鬱な気分で戦場に立っていた。あの大敗を喫した戦争に戻されるなんて、なんとか勝ちたいような、凄く苦しいような、そんな気分ですが、はっきり言ってこの時には帰ってきたくは無かったのですが、神奈が必要と言うのなら仕方ありません。
「でもこれは無いでしょう」
敵との交戦中だったのです。しかも分が悪い。私こと詩織と、美智二人だけですもの。敵はあんなに大勢いるのに。まあ統率がとれていないのは、と言うか意識を失っているのはありがたいです。トールもこの者たちと一緒で戦闘人形と化してくれていたならどんなに楽だったでしょうか。
「どういたしましょうか? 詩織様」
「現在地は衣笠。援軍は少し時間がかかるでしょう。なので私たちはゲリラ戦と洒落込みましょう」
「そ、それは厳しいですね。ですが前回もそれで生き残っているので、何とかしましょうか」
そうだ、前回の戦いもここで粘って、なんとか生き残ったのでした。ならば、
「では、生き残って見せましょう、二人で!」
とりあえず、前回を思い出しますか。たしかトールとかいう将と戦ったのです。たしか、柱が沢山落ちて来て、そこから電撃が大量に通電させて凄く厄介だったので、ほぼ隠れて、柱を破壊しつつ撤退までの時間を稼いだだけでしたね。
「ですが、あれから修行を積みました。今なら、あいつを倒せるかもしれません」
上空に浮かぶトールの船を見る。何層にも防壁で守られているから、蜻蛉切による一線両断も使えない。何故なら、同時にいくつかの防壁を一緒には切れないからです。一線両断で斬れる物質は一回に一つと限られています。
「さて、天岩戸を準備して蜻蛉切を10本用意しますか」
「いきなり本気ですね。まあ当たり前ですが。では、わたくしはその補助に回ります」
「お願いします。では行きましょう」
そう、兵科札と言う武器を前までは使っていたのだけれども、私はそれをやめました。何故なら、それを使わなくても、手加減も、武器制作も出来る様になったからです! 先ずは天岩戸を美智に持たせて、私は一本蜻蛉槍を投げました。
「これで一枚。では引続きいきますよ!」
その間にも、空から雷を出す棒が落ちてくる。しかしそれら全ての時間を止めて、そのまま布を巻き付けて一か所に落とし、そこに向かって天岩戸を構え防衛してくれている。
「次! 二枚目!」
式vsイーガ
私、式は一番説得しないといけない神奈の所に向かう途中。町中、瓦礫の山の上で、
「貴方たち、此処を通るならこの葉っぱのマスクをつけていった方がいいわよ」
「ありがとう……誰?」
ナチュラルに渡されたため、思わず手に取ったけど、ほんと誰かしら? 足が根っこみたいになっている女性ね。もしかしてドリアード? と言うか葉っぱのマスク?
「あら、自己紹介忘れていたわ。私はプリマよ。とりあえず、あの男に近づく前に、マスクをしなさい」
「ええー。普通に人にもらったマスクとかいらな……」
なんか後ろで紀光たちがマスクを付けている雰囲気はあるけど、気にせず言うしかないわね。
「いいから! すぐに! あいつが攻撃してくる!」
「は、ハイ!」
思わず慌てて葉っぱのマスクをつける。すると、キセルを吸っていたおじさんが、
「ちぃっ、マスクしやがったか、まあいい。それならじきじきに殴り合いじゃあ!」
私は黙って、太郎太刀、次郎太刀を準備する。殴り合いなら、武器を持っている私の方が強い! と思っていた時期が私にもありました。攻撃が届く前に、何かに当たる。多分シールド? なにその能力! 攻撃ができない。それにマスクのせいで、呼吸が厳しい。マスクをやっぱり外したほうが!
「マスクは外しちゃダメ!」
「なんで!」
「あいつのイーガのキセルから出ている煙。アレにはナノマシンが仕込まれており、吸い込むと、内部から攻撃されてしまうのよ!」
「は、怖すぎ!」
あぶな! マスク外すとこだった。って事は、この息苦しい中戦わないといけないのか! 辛い!




