25話 恩返しの時
恩返しの時
やっと着いた! 私式は皐月と連絡を取って、やっと合流。近くの船と亀の上でドンパチしているけど、今はどうでもいい。
「皐月、雛は、雛は生きている!?」
「うん、大丈夫だよ。何故か知らない人に、助けてもらえたんだよ」
「ううっ! よかったよ。でもこの戦い中は動けないだろうね」
「そうだね。で、話なんだけど、雛を助けてくれた人に恩返しがしたいんだ。いいかな?」
「いいわよ。どこに居るのかしらその人は?」
「恐らく、あの船だね。美智と詩織って人だったかな」
「OK、じゃあ行くわよ、ってなんかまた大鬼出てるけど?」
「僕は恩を返したい。だから、大鬼は君に任せたい。いいかな?」
「いいわ。私はあのデカ物を倒すわ。まあ行く場所はほぼ一緒だけど」
「まあ、船を襲っているからね。じゃあ行こう」
駆逐艦皐月を空母赤城の横に着ける。皐月と私は空母赤城に乗り、急いで戦いに向かう。紀光たちの反応もある。そっちは皐月に任せて、私はあの大鬼を!
「助けに来たわよ! ってすごい津波!」
何この津波は! 津波の元を見ると、そこにはいつの間にかいなくなった、んん? 違うかも、倒れた大鬼、それを踏みつける亀がいた。
「どういう事?」
まあ、いいわ。とりあえず合流しましょう。って大鬼が亀を押し返し、起き上がってくる。かなりビビるんだけど。
「あ、来てくれましたわね。どなたか存じませんが、助かりますわ」
なんか空を飛んでいるお嬢様が私に声をかけてくる。この場に知り合いは? そう思って周りを見ると、船首の方で、紀光たちとゴトが戦っている。そっちに行きたいけど、でもこの大鬼を放置するわけにもいかない。だから!
「そこのお嬢様は、武工を持っているかしら?」
「なんですかそれ? 功績でしょうか?」
「その武功ではないわよ。持ってないならこれ、あげるわ」
そう言って、先ほど倒したライアンの持っていた武工を投げ渡す。
「なんですのこれ?」
「それが武工。武工装備と言って、それを装備できるの。それの中身はヒュドラの毒矢なんかの役に立つかもね」
「いいですわね。使わせてもらいますわ」
「さあ、砲撃開始よ!」
6つの希望
そろそろ、サンの力が必要になりそうな時間だ。そう考えて、我サターンは、
「皆、そろそろアレをやるべきだろう。手を貸してくれないか?」
全エルピスに声をかける。皆は瞑想していたが、すぐヴィーナス様は目を開き、
「儂は賛成だわ。たしかにそろそろサンの目を覚まさせないと、間に合わないもの」
冷静に答えてくれた。それに続いて、
「拙者も賛成でござる。ただ、それを活用する者が、あ奴等とは限らんでござるが」
ムーンはまだ目をつぶり、それでもこちらに受け答えしている。
「どうゆう事よ」
たしかに、マーキュリーの言う通り、どういう事なんだ。あの者たち以外にこの状況を動かせるものがいるとは思えない。
「たしかに、奴等、敵と交戦しているぞ。その上で不味い状況のようだな」
ジュピターの方も瞑想を続けており、そのまま答える。
「だけど、たしかにもう時間が無いわね、後の事は6つの世界の誰かがやるわよ、だから」
マーキュリーが、片目をつぶり、また口を開いて、そんな事を言い出した。たしかに時間はない。我も一度目をつぶり、時間を問う。後一日で、審判が始まると上位存在が答えた。エルピスか、神にしか行えない上位存在との通信を行った。一度しか行えないものをこんなことに使ってしまったが、残していても仕方ない。
「デアルカ。では、やるぞ!」
マーズの言葉に皆が頷く。この運命は決まっていたが、けどやっぱり惜しい気がする。それにしても、サンの特権を使う代わりに能力返上をしたのは辛いな。皆をこちらの世界に戻すためとはいえ我等の未来はその場で止まった気がする。まあ、すでに昔に未来を置いて来た身ではあるが。だからこそ、惜しい気もするが、やっと終われるという気持ちもある。そして、詠唱を開始する。
「今昇る時、今岩戸が開く時、暗闇を晴らせ、「燃え盛り、「氷を溶かせ、「草木よ萌えろ、「黄金色に輝き、「大地を照らせ! 我等、六つの希望が、光を求める! サン・エルピス・ヒミコ、いや、真の名をアマテラス!」
これでヒミコはアマテラスとして目覚めたはず、一人は闇に溶け、一人は灰になり、一人は水に溶け、一人は花と散り、一人は光消え、我は土に還った。




