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24話 暗雲と阿吽

 暗雲と阿吽




 いきなり、今まで戦っていた敵が、一人残して消えた。どういう事?


「くそ、時間切れか!」


 一人に戻った来須一は回れ右をしてその戦場から逃げようとする。また奈波ちゃんが狙われるのは勘弁だから、この場で仕留めてしまいたい。


「これでも喰らえ~!」


 あたしこと光は火縄銃を召喚して、発砲。しかしそれは一の肩をかすめて、此方の方に振り向くこともなく逃げられてしまった。


「体が動かないよ~」


「僕も」


「だらしないですわ。と言いたいけれど、多分……」


「しょうがなしだよ。ここまで戦い詰めだもん。皆いったん休憩だよ」


 黒田隊が動きを止める。あたしと奈波ちゃんも動けない。こうなったら、休憩だね。


「大鬼、いや、ルシフェルを仕留めそこなったし、私たちも敵に逃げられたし、休憩かな」


 珠樹さんも休憩の様だ。それに続き、代美さんもドスンと座り、


「疲れたよ~」


 とだけ言った。みんな疲労困憊だね。しかし、


「皆休憩時なのに悪い。みんな助けてくれ」


「神奈、どうしたの?」


 急にまじめになった珠樹さん。神奈さんがやばいのかな?


「ゴトに追われている。それより面倒なのも来た」


 たしかに、こっちに走ってきていや、追われている様だ。けどなんであんなに冷静なんだろう?


「分かったよ。もうひと踏ん張りだね」


 そう言って、珠樹さんは立ち上がる。少しふらふらしているみたい。大丈夫かな?

あたしたちも戦う準備をしないと……! でも力が……。


「だめ、立ち上がれない~」


「うん、無理! 動けない!!」


 あたしと、奈波ちゃんは動けない。恐らく、一が言っていた、奈波ちゃん復活の代償と言うか、脳のバグだ。あたしは脳が割かれるような気分に襲われている。


「なら、アレをやるしかないかな?」


 珠樹さんは何やら詠唱しだした。そしてそこに現れた紀光、たしかアレはゴトと呼ばれた人だったと思う。その後ろに2人。その後ろにも2人ほどこれは見たことあるけど、紀光とは違う人たち、アームとスゴンドだ。


「あいつら全員をあの魔法陣に入れたいんだけど、誰か手伝って。後アミちゃんにザラタン呼んでもらって!」


「難しいよ、それ! 今誰も動けないんだって!」


「ならあたしが行くよ~」


「僕も、まだ行けるよ!」


 代美さんが立ち上がり、さらに皐文さんが何処からともなく現れて、参戦する。


「……いや、三人ともまだその手段は難しいだろ。10分かかるからな」


 神奈さんが奥の手を使うのをためらっている様だ。けど、


「けどこれぐらいしか、あいつらを消す方法ないよ?」


 そんな会話をしていると、目前にゴトたちが迫ってきた。


「とりあえず、神奈は逃げ回って! あと、戦える人数が足りてないよ! 私はこの陣に集中するから!」


「大丈夫だ。今から5人来る」


 神奈さんがそう言って、逃げ回る。もしや、此処最後の戦場と化す? ここで転がっていたら危ない?



 



「お姉ちゃんどこに行くの?」


「ん? 仲間の所にこの馬鹿を連れていかないといけないから連れていくのよ」


「馬鹿とはなんだ!」


 私たちアミとフラワーは鳳凰に掴まって、サターンを捕まえたまま船に戻っている。よし見えて来た。けど、なんか戦ってない?


「珠樹! 戦闘中に見えるけど?」


 と珠樹に念話を入れると、


『そうだよ。まさかの敵の最終突撃だよ』


「なら、私たちも手伝うよ!」


『お願い』


 念話で通信を終了して、私たちは船に接近する。


「通すと思っているのか!」


「何! 誰?」


「俺だよ!」


 船の私の間に、巨大化した鬼姿の私が急に現れた。


「なんで!? ってあっそっか。私の体に悪魔が入っているのか!」


「よく解ったな。さて、俺は……」


「いましたわね! このオタンコナス!」


「ブベラ!」


 あの大鬼を少女が蹴り一撃で倒した。本当に何者!?


「あら、きましたわね、アミ。さあわたくしがこの馬鹿を止めておきますから、あなたはちゃちゃっと皆にその阿呆を届けなさいな」


「あ、有難いですが、誰?」


「ああ、わたくしは六角小麦ですわ。貴方に憑りついていた」


「……ああ! そういう事!?」


 0の世界以外で声をかけてくれていた、憑りついていた者ってこの人なんだ! ってそんな事気にしている場合じゃない!


「じゃあ、私はいったん皆の所に行くよ」


「ええ、任せますわ」


 私は船の近くに、巻物を広げ、ザラタン(島のような大きな亀)を召喚。なんか色々装備してるけど気にしない。余波で船は大きく揺れ、水は大量に跳ねた。それでも、ザラタンの召喚により、皆一瞬戦いをやめ、その上で、大鬼は一度押し潰すことに成功した。


「さて、ここからが私たちの戦いだ!」


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