1話 怒り
怒り
俺は怒っている。怒髪天を衝くってやつだ。
「神奈の奴。するなと言ったのに! どうしてそれをしてしまう! くそっ! 敵に回りたくなかったが、しょうがない。まあとりあえず、俺は時代を修正するために動くべきだな。まずは、この時に死ぬであろう、ラ・ムーたちを倒さねば! って、え? ああ、そういう、なら、最初に狙うのは、バタフライ、一徹、イーガにトールそしてバーブンか。次に、ん??? はあ、そういう感じでもあるのか、ならその次は、奈美だな」
裏を知るもの
「君は、まだ沈黙を貫くつもりか?」
「そうね。私が行ったところで、何が変わるわけでもない。それに、私は私の中の悪魔を抑えきれてないのです。だから、行っても暴走するかもしれません」
「それでも、僕は行ったほうがいいと思うがな。赤槍が動くんだ。そして、円卓機工も動く。そうなると、衝突は必須」
「いや、赤槍は後衛に努めるでしょう。あの子たちにどこまで相手が弱っていても、円卓機工と戦う度胸はありません」
「それはそうかもだが、襲われる可能性を考えなくてはな。敵は補給から潰すこともしてくるぞ。前回もそうだったように」
「? 前回? いえ、たしか、その戦いでは補給部隊は攻撃されなかったと記憶しています」
「いいや、円卓機工との戦いの際、時間は巻き戻った。その巻き戻しの前の世界戦では、衛星兵器の一撃で補給部隊は全滅している。つまり、方法さえあれば攻撃してくるんだ」
「……」
「だから、近くで見ているだけでもいいから、戦場に来るべきだ。もしもの時に君の指揮があれば、戦力があれば生き残れるかもしれない、さあどうする? モニカ・ウエア」
自分こと飯野の言葉に元赤槍のリーダーのウエアは押し黙ってしまった。
ラ・ムー救出作戦
「よし、猿島に到達だ。で、目的のラ・ムーどこに居る? と言うか敵だらけだな」
俺木下猛は、潮風と、煙硝や煙の臭い、さらには血の匂いまでしてきた猿島で、意識が無いような顔をしつつバトルマシンと化したこの世界の元の時代に居た敵、最良世界の兵士たちが暴れ回っている。戦っているのではない。暴れ回っているのだ。
「なんだ? さっきまで我を狙ってきていた、雑魚共が暴れ出したぞ」
島の中から、人の声が聞こえる。さあ何処だ? 声の方に向かうかな。隠れて、隠れて皆で敵を倒しつつ、なんとか声の元に到達。
「あれが、恐らくラ・ムーだな」
「木下さん、そのラ・ムーがいないのだが?」
たしかに、今までいたのに消えたな。と言う事は!
「マズイ! 来るぞ!」
「貴様らは何だ? 異質なものに感じるが」
後ろから聞こえる。つまり今の一瞬で回り込まれた!?
「俺たちに敵対の意思はない! というかあんたを助けに来たんだ!」
「我の動きに付いてこれないやつに助けられる筈が無いだろう?」
「それはそうだが!」
振り向いたが、またいない。
「まあいい。このまま我は退却させてもらう。ここは貴様らに功を上げさせてやろう」
その声の主は姿を見せず、声も聞こえなくなった。
「よし、このまま、猿島を制圧だ。っと? 何だこの振動は? 地震か?」
規則的に、かつ、少しの間ずつ地面が揺れている。どういう事だ? まるで大きな、いや巨大な生き物が歩いているような……? 空を見上げると、そこには巨大な足があった。




