第78話『気のせいかな?』
“おかしい………… 私達の他にも、何かしらで目立ってる子がいる気がする”
普段の言動では気付かないくらいに、美紀の周りには誰かが脚光を浴びている人がいそうな雰囲気があった。
“あり得るよね………… もしかしたらの話だけど、実は私が知らないだけで誰かが既に何かの主役をやってそうな気がする”
一つ一つ教室を覗いてはそれっぽい人を捜すのだが、美紀の目には主役をやってそうな人が見つからなかった。
“やっぱり簡単には見つからないよね。分かってた事だけど、そう簡単には見つからないよね〜……”
諦めて自分の教室に戻って机に突っ伏して眠っていると、後ろからかなえから呼ばれた気がした。
「どうしたの美紀? 具合でも悪いの?」
「いや具合は良いよ。いやさ、私達ももうすぐ三年生になるからさ…… そろそろ大人の自覚を持たなきゃなぁ〜って思ってたら不安でさ」
「そう言えば、私達もうすぐで高校三年生だよね…… 何だかパッとしないまま進級するんだね、私達」
「かもね。けど実際にそうなんじゃない? 高校を卒業したらお互いに就職して、しばらくは会えないんだろうね〜……」
二人でしんみりしているが、美紀は突然起き上がってかなえの手をギュッと握りしめた。
「やめやめっ、こういうのは卒業間近になったら二人でしようよ‼︎ それで次の日の卒業式は笑顔で迎える、分かった?」
「うん。そうだね…… あと一年、頑張ろうね美紀」
「うん‼︎ かなえも頑張ってね‼︎」
二人で友情を確かめ合い、絆を感じる美紀とかなえだった。




