表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巫女さんメモリーズ  作者: 華永夢倶楽部
第73話〜第80話
81/85

第76話『何もない一日』

「あぁ〜、今日は一日何も無い日だから寝てられる……」

 こたつで暖まるのは美紀。今日は小夜が一人で務めを担当して、美紀は神社の中の手入れなどを任された。それが無事に終わり達成感を味わいながらこたつで暖まっている。

「さてと、ここで寝ちゃおっかな〜……」

 ウトウトと、心地良く寝そうになった美紀の許に小夜がやって来た。

「ねぇ美紀、かなえさんが遊びに来てるよ。羽子板を持ってるから遊ぶ用事でもしてたんじゃないの?」

「えっ、そうだっけ⁉︎ 急がないと‼︎」

 寒さを堪えながら外に出て、かなえの所まで駆け足で向かった。

「ごめんねかなえ‼︎ 遊びの用事をすっかり忘れてたよ‼︎」

「ううん、私が美紀と遊びたいなぁ〜って来ただけだよ。前から用事をつけてた訳じゃないから」

「なぁ〜んだ、それじゃ私がすっとぼけてたワケじゃなかったんだね。まぁいいや、とりあえず遊ぼっか‼︎」

 お互いが配置に着き、小夜は負けた時の為の道具を取りに向かう。それまでの間に美紀はかなえと対戦ルールについて話し合う。

「ところでかなえ、今年も二本先取だけど負けたらする罰…… 当然分かってるよね?」

「もちろんだよ。そうなった時の覚悟があるから今年もしに来たんだよ?」

「よし…… じゃあ先攻はかなえからどうぞ?」

「じゃあ行くよ……」

 美紀をジッと見つめながら、羽根を空高く放ち、そして羽子板で綺麗に打ち上げた。

「よ〜し…… (ひと)ごに〜♪」

「えっ…… ちょっと何その歌⁉︎」

 美紀が突然謎の歌詞を歌い出して動揺したかなえは、リズムを狂わされて羽根を地面に落としてしまった。それを見て美紀は不敵な笑みを浮かべている。

「ふふ〜ん、落としたね…… 神聖な場所であるここ、神社で羽根を落とすとはなんとおいたわしや……」

「ごめん美紀、たぶんそれの使い方間違ってると思うんだけど……」

「とっ、とりあえず‼︎ 羽根を落としたかなえは執行人の小夜ちゃんから罰を受けてもらうからね‼︎」

 美紀のセリフに合わせて小夜が墨汁と筆を用意してかなえの前に立った。

「うぅ……」

 ある程度覚悟していたものの、やはりいざ自分の顔に墨を塗られるとなるとかなえは少し嫌な気持ちになってしまうものだった。

「もし墨を塗られるのが嫌だったら、別の罰にしようか? 私なりの慈悲になっちゃうけど」

「その罰の内容は?」

「羽根を落とす度に服を一枚脱ぐ。靴下や手袋は一セットで一枚扱いだよ」

「小夜さんっ、早く私の顔に墨を塗って下さい‼︎」

「は、はい……」

 かなえはつい裸に近付く自分を想像して、ボッと顔を赤くしながら小夜から墨を貰った。右頬に墨で黒丸を描かれ、遠くからでもよく見える大きさだった。

「よ〜し、じゃあ次はかなえが後攻だね。行くよ〜‼︎」

 美紀は特に何も仕掛けずに羽根を打ち上げた。かなえは特に何も考えずにその羽根を打ち返し、美紀もまた羽根を打ち返す。

「ほっ」

 お互いに何回か打ち合い、なかなか落とさない。

「やるねかなえ…… じゃあこれで終わりだよ‼︎」

 美紀は羽子板を高く振り上げ、羽根に触れた瞬間を狙ってスマッシュを放った。

「あっ……‼︎」

 かなえは美紀のスマッシュに対応出来ず、地面に落としてしまった。そして小夜から墨を左頬に貰い、美紀にその姿を見られた。

「かなえがアホみたいな顔になってる…… 言っとくけど、ちゃんと帰るまで落とさないでよ?」

「うん…… 約束は守るよ」

 こんな恥ずかしい顔で家まで帰らないといけないと想像すると、ずっと顔を隠していたくなってしまうかなえだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ