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巫女さんメモリーズ  作者: 華永夢倶楽部
第61話〜第72話
66/85

第61話『それからレミは……』

「う〜ん……」

 あれから次の週、美紀はレミが気になって仕方がなかった。それもそのはず、レミはあの日かなえの頬を食べたのだ。

 正確に言うとかじったのだが、あの愛情表現がもし性的なコミュニケーションだとしたら、かなえはきっと困るに違いない。

「今は平気なんだけど…… レミがいつまた暴走するか不安だなぁ……」

 今日もレミはかなえと一緒に帰っている。美紀は最後まで尾行したいが、道中序盤で神社から遠く離れてしまうのであの日以来尾行を諦めている。

“と、いうワケで……”

 美紀は思い切ってレミに直接話をする所から、物語は始まる。


「ねぇレミ、かなえとは仲良くなれた?」

「はい! カナエさんとはもうすっかり仲良しこよしですよ!」

 レミから予想通りの返事が返ってきて、美紀は頭で考えていた事をそのまま話す。

「あのさ、この前かなえのほっぺを食べたでしょ? あれってまさか本当にかじってたりするの……?」

「あれは本当にかじってますよ! カナエさんのほっぺが美味しそうだったんでつい……」

“うわ、マジだ……‼︎”

 レミは外見とは反して、中身が少しだけ変態だった。

「あのね、その事なんだけど…………」

 レミは小首を傾げる。

“落ち着けよ〜、レミの性癖を貶さない様な言葉を選ばないと……”

 頭をフル回転させ、美紀なりの最善の言葉を探した。

「かなえのほっぺが良いのかな? それともほっぺが好きとか?」

「そうですね…… レミはカナエさんのほっぺが大好きです!」

“変態キャラ確定……‼︎”

「や、柔らかいトコが好きなんだね。レミは……」

「はい! レミはお肉大好きなので‼︎」

 レミの目はもう幼い子供の様にキラキラしていた。そんな目つきを見て、美紀はもう苦笑いするしか出来なかった。

「なんか、肉なら何でも良いみたいに聞こえてならないんだけど…… 気のせいかな?」

「う〜ん、よく分かりませんが多分気のせいだと思います」

 美紀はレミの変態性を十分に知って、もうお腹いっぱいになった。

 もう話が済んだので、美紀はレミと別れて自分の教室に戻ろうとした時だった。

「あ、カナエさん! これから体育ですね、頑張りましょうね‼︎」

 レミがかなえとお喋りする声が耳に入ってきた。美紀もこれから体育なので、上手くいけば会話を盗み聞きだって出来る。

「ようし、じゃあ上手いことレミとかなえにバレない様に行動しようっと!」


 バスケの授業が始まり体育館の舞台で試合待ちをする生徒達の中に、レミとかなえがいる。

 しかし、美紀は一足早くバスケの試合に参加する事になってしまった。

『よろしくお願いします‼︎』

 参加メンバーの中にいるバスケのガチ勢は美紀含めて三人。もともと美紀はバスケ経験があるが、本当に上手い人と対戦するとなると一歩及ばない。

 美紀の本気が見られるのはサッカー。バスケに関してはまだまだ未熟な為、そこを突かれるとかなり不利になってしまう。

「よしっ、決まった……‼︎」

 それでも、美紀はスリーポイントを決めてやっと相手チームから逆転した。

『ありがとうございました‼︎』

 試合が終わり、次はかなえとレミが試合に行く番。美紀は絶好の機会が来るまでの暇つぶしに、二人のプレイを眺めて過ごして待った。

“かなえはまだバスケが苦手なのかなぁ…… パスばかりだし、オドオドしてる”

 それでも何とか周りに付いて行き、一回だけゴールを決めた。

“レミは…… なんか上手いなぁ。やっぱり向こうで経験済みなのかね?”

 それなりの動きを見せ、ジャンプしてゴールまで決めてくれた。

『ありがとうございました‼︎』

 結局、盗み聞きする余裕は全く無かった。


「何かヘンにレミの事が気になる…………」

 いつまで経ってもレミが気になるのは、いくら何でもおかしいと感じてきた。だがそれが何故なのかまだ分からない。

「きっと、レミの闇が見えて仕方ないのかもしれない………… そもそもほっぺを食べる女の子なんて初めて見たもん、変態キャラにしてはちょっと変だよ……」

 もし更なる深みへ到れば、本気で噛みそうな()()()()は、見てて危なっかしく見える。

 だからこそ、レミは危険人物に見えるのだろうか。

「でもまぁ、かなえもかなえでちゃんと対策とかしてるから大丈夫かな?」

 かなえはほっぺを噛まれた時、多少は戸惑っていた。それ以来、「甘噛みなら良い」とか言ってそうな感じがあった。

 それでも結構危険な感じがあるが。

「まぁ、その時はその時だよね。いざとなったら小夜ちゃんの出番だよね! 悪霊退散、ってね‼︎」


「くしゅん‼︎」

 その頃、神社では小夜が大きなくしゃみをした。

「暑い…… そろそろ休もうかな」

 美紀に噂されてた事も知らず、小夜は縁側でのんびりと美紀の帰りを待っていたのだった…………

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