表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巫女さんメモリーズ  作者: 華永夢倶楽部
第49話〜第60話
53/85

第49話『家で遊べる事って沢山あるよね?』

「外出が出来なくなっちゃったけど、神社でも出来る遊びをしよう!」

 部屋からトランプを持って来た美紀(みき)小夜(さよ)が答える前に美紀はトランプを配り、手札を手にした。

「ところで、何して遊ぶの?」

「ババ抜き!!」

 美紀はジーっと小夜を見つめてくる。小夜が場所をずれると、美紀は視線を小夜に合わせて、

「ババァ抜きをしよう!!」

 その後何回対戦をやっても、美紀は一度も小夜に勝てなかった。


「そもそもトランプを二人でやるのはつまらないよね。もっと一対一が盛り上がる遊びをしよう」

 トランプを部屋に片付けた美紀は、座布団二枚を真向かいになる様に敷いた。

「と言うワケで、叩いて被ってジャンケンポーン!!」

 ピコピコハンマーとヘルメットも用意した美紀は、早速座布団の上で正座した。

「ルールは言わなくても良いよね? じゃあ始めるよ」

 小夜の手に目をやりながら、ジャンケンを始めた。

「叩いて被ってジャンケンポン!!」

 美紀が勝って、小夜が負けた。

「ハンマーで叩く……!!」

 しかし、既に小夜はヘルメットで頭を守っていた。

「早ッ!!」

 美紀は叩くのをやめて、次のジャンケンに入った。

「叩いて被ってジャンケンポン!」

 今度も美紀が勝った。

「はい叩くッ!!」

 もう小夜はヘルメットで防御していた。というか、既にしていた。

「小夜ちゃんズルしてないよね!?」

「うん、してないよ。美紀がちゃんと見てないから不正を疑うんだよ?」

 美紀はムッとなった。そこで言われた通り次のジャンケンは負ける事を前提にして、小夜の頭を注意深く見てみる事にしてみた。

「叩いて被ってジャンケンポン!」

 何故か美紀が勝った。ここぞとばかりにハンマーで小夜を叩こうと振りかぶった。

 そして、小夜はもうとっくにヘルメットで頭を守っていた。

「だから無駄な動きが多いんだって……」

 美紀はジャンケンで小夜に勝てないと確信した。

 ……はずだった。

「ふふふ……」

 何故か美紀は諦めてなかった。それに、目つきも悪い。

「まだだよ、私はジャンケンをやめてないからね……!」

 美紀は右手を突き上げ、ジャンケンを始めた。

「最初は––––」

「『エックス』?」

 美紀は右手を下ろす直前で手を止めて、やり直した。

「最初はグー……」

「『その次パー』?」

…………。

「う〜〜〜〜……」

 小夜が次々と先を読んで行動するので、美紀は段々といらついて……

「グー、チョキ、パーンチのグー!!」

 小夜に拳をお見舞いした。

「パー」

 小夜は美紀の拳を握って、勢いを止めた。美紀はもう勢いを無くし戦意喪失した。

「ダメだ…… 小夜ちゃん相手にジャンケンはダメだ。もっと良いのにしよう」

 そう言いながら、美紀は別の遊びを考えた。しばらく考えて、何か思い付いたのか物を取りに向かった。

 しばらく待たされた小夜の前に現れた美紀。美紀の手にはプラモの箱。

「一緒に作ろう!」

 それから数十分、小夜も美紀も黙々と作業に徹して作り上げた。

 そして二人はプラモを完成させた。

「出来たね〜」

「出来たね〜」

 特に盛り上がったりはしなかった。


「参拝客が来ないから、しばらくは小夜ちゃんもヒマでしょ?」

「そんな事はないよ。御札(おふだ)を作ったりして、いつでも参拝客のお参りをお待ち出来る様にしないと」

 小夜は墨汁と和紙を用意して、御札を作り始めた。美紀は小夜が作った御札の仕上げを担当して、二人で御札を完成させた。

 それからしばらくして、いくつか作った御札を棚に置いて準備は万端。

 後は参拝客に配布するだけ。とは言っても、今は誰も来ないので小夜も暇に感じてきた。

「やる事がない……」

 とうとう小夜は感情を素直に出してしまった。

「ほら、やっぱヒマでしょ? でも珍しいね。小夜ちゃんがヒマになるって」

 巫女である以上、休みがほとんどない事を前提に務めるのが普通だが、今はそれどころではない。

 小夜が本格的に自由になった、貴重な瞬間である。

「じゃあさ、次はあっち向いてホイをしようよ!」

「良いね、じゃあ今すぐしよっか」

 小夜は美紀と向かい合う様に座り、遊ぶ準備を整えた。

「よーし、じゃあ始めるよ」

 美紀は小夜を見つめながら右手を構える。小夜も美紀を見ながら左手を構える。

「ジャンケンポン!」

 美紀が勝った。

「あっち向いてホイ!」

 小夜は微動だにしない……

「ジャンケンポン!」

 今度は小夜が勝った。

「あっち向いてホイ」

 美紀は小夜の指から逃げ、振り切った。

「ジャンケンポン!」

 次は美紀が勝った。

「あっち向いてホイ!」

 勢いよく指を流したが、小夜は微動だにしない……

「動いてよ!!!!」

 美紀は涙目になりながら小夜をわざとらしく怒った。

「やっぱりダメだ。小夜ちゃんはいつボケるか分からない…… じゃあ次はにらめっこ! 一人ずつ一回勝負をやって、笑ったら負けだよ」

 お互いにどんな変顔で笑わすか、目を見てから作戦を練る……

 そして、最初は美紀が小夜を笑わす番。

「にらめっこしましょ、笑うと負けよ。あっぷっぷ!」

 アニメや漫画で覚えた背脂の真似で勝負を仕掛けた。

 しかし、小夜の表情は全く変化しない……

「やっぱり!!」

 美紀も薄々と、小夜に勝てないと分かっていた。

「じゃあ今度は私が……」

 小夜は美紀の前で自分なりの変顔を披露した。美紀は小夜をジッと見つめ、小夜の真面目な変顔に段々と笑いが込み上げてきた。

 そして、遂に吹き出してしまった。

 美紀の負け確定。

「小夜ちゃん、それはズルいってー!!」

 美紀はまだ笑い続けて、しまいにはツボってしまった。小夜は美紀がツボる様子を見て困っている……

「そんなにおかしかった……?」

「おかしっ、おかしい……ッ!!」

 段々と美紀は落ち着いてきて、立ち上がって小夜を見る。

 小夜は美紀を普段の表情で見ていると……

「あはははは!!」

 また美紀に笑われてしまった。

美紀「小夜ちゃんって、いつも変化球でボケてくるよね。そもそもボケる時がないから耐性がないからかもしれないけど……」

小夜「今のはボケた訳じゃないんだけど……」

美紀「じゃあ小夜ちゃんは天然ボケだね。だから小夜ちゃんは無敵だよ」

小夜「無敵、かな……?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ