三話 出社と初仕事③
ここまで読んでくれた方に感謝をぉーーーー!!
どうも作者です。
「お前この前もう一個のやつ出したばかりだろ!!」
・・・そうですすいません。
だって・・・もう片方の書いてるときこの話思いついちゃったんだもん。
そのおかげであっちは遅くなるし・・・。
でもまあお待ちいただいた方お待たせしました。
「誰も待ってねぇーぞーーー!!」
・・・すいません。
少しタイトル変更しました。
やっぱりわかりやすいタイトルの方がいいのかな?
ウチの業務日誌 アキラ
(ウチは語尾に“にゃ”がつくから会話以外はカットしてるにゃ)
フィルくんのところで働き出して2週間が経った。みんな少しづつ仕事を覚えてきたけどそれに伴って避けられない問題が出てきた。
そう・・・ミスをするようになった。
「リューク!今電話で荷物が違うところに行ってるってきたよ?!」
フィルくんが配達から帰ってきたリュークくんに言った。
「まじか!!すいません!!」
「すぐ回収に行って!追加の荷物もあるから僕も一緒についていって途中で別れよう!」
フィルくんは追加の荷物を荷台に乗せて出て行った。
「マホちゃん、この帳簿の計算1桁間違ってるわ」
フィルのおかあさんが電卓を弾きながら言った。
「えっ?!す、すいません!!」
マホちゃんが計算を間違えるなんて・・・。
「あとで直しておいてね。付箋張っておくから」
「はい!ありがとうございます」
マホちゃんは今している計算をもう一度確認して机の上の山積みの請求書に目を通していた。
「あのーーおつりが間違っているんですけど?」
窓口でお客さんが言った。
「し、失礼 しました!」
ウォールくんは慌てておつりを計算しなおしている。
「ちょっとまだなのーー!何時間待たせるの!」
後ろのお客さんがイライラしていた。
「すいません! 少々 お待ち ください!」
今日はいつもよりお客さんが多かった。朝から3つある窓口にウチ、アミィちゃん、ウォールくんが入っても列ができるくらいだった。なんでも新年度に伴う身元調査の紙が配られているらしく、それを郵送するために町中の配達屋さんはすごく混むらしい。フィルくんいわく「3年に1回くる地獄」なんだって・・・。
「すいませんお待たせしましたにゃ!お次のお客様!」
ウチはみんなを見てミスをしないようにだけ気を付けて仕事をしていた。
「これ、頼むわ」
ポンと乱暴に投げられた封筒を受け取るとウチは切手を確認して料金を計算した。
トントントントン・・・。
机を小突く音・・・。お客さんがイライラしている。
「はい!では代金はこちらになりますにゃ」
値段を見てお客さんはまたポンとお金を放り出した。
「ではおつりがですね・・・こちらになりますにゃ」
ウチが手渡しでおつりを渡そうとするがお客さんは手を出してくれない。ウチは不思議そうにお客さんを見た。
「おつり、そこに置いてくれる?」
「は、はいにゃ!」
トレイにおつりを乗せ出すと、お客さんは嫌そうにおつりを受け取った。
「ありがとうございましたにゃ」
「・・・なんで獣人がいるのよ・・・」
ウチの言葉半分に立ち去るお客さんが最後ボソッと言った。
ウチの心に何かがブスリと刺さった。この感覚は久しぶり・・・。
どの星でもそうだけどウチたち獣人はあまりいい存在じゃない。
今でさえ法律もできて落ち着いてきてるけど、まだ十分じゃなかった。
ウチはこの星出身だけど田舎の獣人の町出身だ。ウチは町でも頭がいいと言われ父ちゃんも母ちゃんもウチをすっごく自慢してた。それに負けないくらいウチも勉強してなんとか王立の士官学校を受けられることになったんだけど・・・。
試験を受けるのも一苦労。人間なら申し込みをして試験だけど獣人はその前に面接があった。
そこでは身元の調査、身体能力の申請、もし問題を起こした時の懲罰の説明。後は学校の奉仕活動への強制参加や学費とは別に在籍料ってのを徴収されるっていう説明。それでもうちで学びたいの?っていう圧迫面接だった・・・
ウチは必死で我慢した。だって父ちゃんと母ちゃんがあんなに笑顔だったんだもん!
その後の試験も面接も何とかクリアして入学できたんだけどそれでも案の序いじめられた。
なんでも獣人がいると学校が汚れるとか頭が悪くなるとか・・・子供じゃないんだから。
でもそんな時フィルくんが現れたんだ。
「やめなよ!」
そう言ったフィルくんを見たとき最初「何この人?」って思った。眼帯にモノクル?後ろにいたウォールくんも相まってヤバい匂いがプンプンした。ウチをいじめてたやつはウォールくんにビビッてどっか行っちゃったし。
「大丈夫?」
そう言って手を貸してくれたフィルくんの手を掴む振りをして少しひっかいてやった。お前もあいつらみたいにウチをいじめるんだろって!
でもフィルくんはちょっと痛そうな顔をしたけどウチの手をぎゅっと握ってくれた。人間の手ってこんな感じなんだと思った。
「ケガはない?僕はフィリックス・カッツェ!こっちは友達のウォール!よろしく!!」
そういって手をブンブンと振ったフィルくんはニコニコしていた。
「ウ、吾輩はアキラにゃ。助けてくれて感謝するにゃ」
あの時のウチは少しトゲがあったかな?
「アキラかぁー。いい名前だね!もしよかったらうちの班に入らない?」
いい名前だって!人間に初めて言われたよ。それに班に入らないかだって。相当物好きだなって思った。
でも班に入ってもずっと一緒にいてくれるし、いつも昼ご飯を一緒に食べてくれるしすっごく仲良くしてくれた。その後リューク君やアミィちゃん、マホちゃんが加わったけどウチに普通に接してくれた。
そのうちなぜかウチの学校での待遇が人間と変わらなくなった。後で聞いたことだけどアミィちゃんとマホちゃんが学校に言ってくれたらしい・・・。
ありがとうみんな。
その頃くらいからウチは自分が獣人であることに引け目を感じることはなくなっていた。
でも今、フィルくんのところで働いていて嫌だったころの思い出が蘇った。
こんなに痛かったっけ・・・。
「・・・キラ、アキラ!」
不意にアミィちゃんに肩を叩かれた。
「にゃっ?!」
「アキラ大丈夫?お客様待ってるわよ」
「ご、ごめんなさいにゃ!次のお客様!!」
去り際にアミィちゃんがウチの頭を撫でて行った。ありがとうアミィちゃん。
そんなこんなでやっと5時になり今日の仕事が終わった。
みんなヘトヘトで椅子にぐったりしていた。
「今日は夕方の配達はないからみんな部屋でゆっくりしてるといいよ・・・。お母さん、今日は出前でいい?」
フィルくんのおかあさんが力なく頷くと、フィルくんは立ち上がって階段をゆっくり上っていった。
「そうだ。アキラは下で待っててくれる?」
階段を上がっている最中にフィルくんが言った。
えっ?!ウチなにかしちゃったかな・・・
みんなが上にあがりウチだけ下にポツンといる事務所。待ってる間ウチは不安でいっぱいだった。
そうしているうちにフィルくんが下りてきた。
「じゃあアキラ、椅子に座ってくれる?」
なに言われるんだろ・・・。今日ぼぉっとしてたことかな・・・。それとも、みんなに言えないような重大なミスをしてしまったのかな?!そう考えると体が小さく震えた。
ウチに近づいてくるフィルくんが正面・・・ん?後ろに回った?
そしてウチの毛をなにかが撫でた。
「アキラそろそろ冬毛が抜ける次期でしょ?ブラッシングしてあげようと思って」
見るとフィルくんは手にブラシを持ってウチの頭をブラッシングしてくれていた。
「ついでに下も掃除するから気にしなくてもいいよ」
フィルくんの声はいつもと変わらず優しかった。
でもそれだけなの・・・?静かな事務所でブラシが毛を撫でる音だけ響く。
「フィルくん・・・」
ウチは思い切って聞いてみた。
「なに?」
フィルくん、顔近い。
「今日、忙しかったにゃ・・・」
「そうだね!でもあれは恒例行事みたいなものだから」
ニコニコしながら答えてくれた。
「今日はウチ、少しぼぉっとしちゃったにゃ・・」
「大丈夫?!気分悪かったら言ってね。」
心配そうに頭を撫でてくれた。
「それで・・・・ミス・・・」
ウチはすこし言いよどんでしまった。
「ミス?あぁ!みんな今日は忙しかったからね。仕方ないよ」
丁寧にブラッシングしてくれている。
「ウチは・・・ミス・・・したかにゃ?」
とうとう聞いてしまった。
「えっ?うーーーん・・・どうだろう?」
ブラシが毛から離れ、フィルくん考えているようだ。
「だからウチだけ呼ばれたんじゃないのかにゃ!!」
ウチは我慢できなくなってフィルくんの方を見て怒って言った。怒るなら怒れば!!
「どうしたのアキラ?!・・・泣いてる?」
ウチは目には涙がいっぱい溜まっていた。
「重大なミスをして!!それが手に負えないミスで!!だからここで!!ウチは獣人だから!!すぐ辞めさせられるって!!思ってるんじゃないのかにゃ!!!」
今日のことがあってウチは改めて自分が獣人であることを再確認した。学校では仲良くしてもらったけど、卒業して働かせてもらってるけど、やっぱりウチは獣人なの・・・。
大声を出したうちにびっくりした顔をしていたフィルくんはすぐに優しい顔をしてウチを抱きしめてくれた。
「アミィに聞いたよ・・・。獣人ってお客さんに言われたんだよね?それに今日はみんなのミスが多くて自分もいつしちゃうか恐かったんだよね?」
フィルくんは学校にいたときみたいに頬ずりしてくる。
「大丈夫だよ。今日アキラはミスしてないよ。昨日はちょっとしたけどね。ミスは恐いだろうけど気にしなくていいんだよ?まだ働き始めて2週間だよ?!ミスがあって当り前さ。すこしづつ少なくしていけばいいんだよ。」
フィルくんの言葉が聞こえてくるたびウチの顔が濡れていくのがわかる。
「それに僕はアキラが獣人だろうとなんだろうと辞めさせたりしないよ。僕の友達になってくれて、うちで働きたいって言ってくれて、そんな大切な家族を傷つけたりしないよ。」
そのままウチはフィルくんに抱き着いてワンワン泣いた(ネコなのににゃ)。
ウチが大切に思ってきたものはやっぱり間違いじゃなかった。それがわかっただけでもまた涙が溢れてきた。
フィルくんはウチの頭を撫でながら黙っていた。
そのままずっと泣いて、涙が枯れた頃にはウチの顔はびしょびしょになっていた。
ウチを体を離すとフィルくんはいつもの優しい顔になっていた。
「もう大丈夫?」
大丈夫って言いたいけど声が枯れちゃって頷くことしかできなかった。
「よし!ブラッシング再開するよ!顔はまた明日ね。」
不意に階段を見るとそこにみんなが心配したようにこっちを覗き見していた。マホちゃんとアミィちゃんはすこし泣いてるようだった。
「今日の出前なんだけど寿司でよかった?アキラ好きだよね?」
「よっしゃーー!!やべっ!!」
フィルくんの言葉に階段にいたリュークくんが咄嗟に反応してしまった。
みんなは恥ずかしそうに下りてきて、おしゃべりしたりブラッシングしてくたりした。その後みんなで掃除して5階に向かった。
お寿司おいしかった!!
次の日、ウチは休み時間にフィルくんにブラッシングされていた。
「僕はアキラの夏毛が好きなんだよー。このサラサラ感がたまらない!」
そういって頬ずりしてくるフィルくんはいつもと変わらない。ウチ女の子って言ったよね・・・。
ふとアミィちゃんを見るとこちらを悔しそうに見ていた。そうだ!!
「フィルくん!ちょっと・・・」
「なにアキラ?」
アミィちゃんに見えないようにフィルくんの耳元に口を近づけた。
「アミィちゃん少し疲れているみたいにゃ」
「えっ本当に?!」
「ほら見るにゃ!髪がいつもより赤くないにゃ!」
「うーーん・・・」
「それにいつもよりお肌がカサついてると思うにゃ!」
「言われてみれば・・・」
「だからにゃ、肩でも揉んであげるといいと思うにゃ!」
「なるほど・・・」
それからウチが離れるとフィルくんはアミィちゃんを呼んだ。何事かとアミィちゃんが行くと椅子に座らせて肩を揉み始めた。
「へっ!!」と最初はびっくりしたアミィちゃんの顔がどんどん赤くなっていく。
アミィちゃんかわいいにゃ!ウチはアミィちゃんに向かって渾身のスマイルをした。
それに気づいたアミィちゃん。あれ・・・顔が恐いにゃ。
あの顔はきっとモフモフの刑・・・。
まあでもこれでスッキリした。これからもがんばるにゃ!!!
読んでいただきありがとうございます。
この話はすぐ思いついた割に乗り気で書けませんでした。
やっぱり暗い話は嫌です。
それより猫いいですよね・・・。もふもふいいですよね・・・。
うちは飼ってません・・・。
と言うわけでまた次回お楽しみください。
神様ぁーーー私に猫とレゴと時間をぉーーーー!!
良ければもう1つの方も見ていただけるとありがたいです・・・。
ロボットって今あんまり需要ないのかな・・・




