第四話 宇宙に行こう! ①
こんにちは作者です。
更新の順番なんですけど、もう一つのほうを細かく分けて更新していこうと思っていますので
もう一つのほうが3000くらい書けたらこっちを書こうと思います。
これでだいぶ更新スピードが上がると思います。
なろうのジャンル分けが変わったことによりこの作品も多くの人に見てもらえるようになりました。
とても嬉しいです。
これからもよろしくお願いします!!
あ、題名には宇宙に行くって書いてますけどまだ行きません!
すいません!
よければ感想や評価をいただけると作者が喜びます。
自分の業務日誌 ウォータル・グラス
翻訳してくれた友、コロアインに感謝を。
自分たちが働きだして1か月が経った。
仕事にもだいぶ慣れ、今では常連のお年寄りとも話せるようになった。
「ウォータル君といったかのぉ。今日は生憎のお天気じゃのぉ・・・」
「そうですね 帰るときは 気を付けて」
「ありがとうな」
今日の天気は雨だった。朝からあまり多くはないが降り続いていた。
「雨はいやだにゃー。体が重いにゃ・・・」
アキラは自分の毛を撫でながら言った。
午後から配達があるからそれまでには止んで欲しいと思うがそうもいかないだろう。
「ウォール、午後からの配達の一覧なんだけど目を通しておいてくれる?」
フィルが紙を持ってきてくれた。
「ありがとう 今日は 少し 多い」
「そうなんだよ・・・雨の日に限って多いんだよね・・・」
その日は男3人で1人十数件の配達がある。今日みたいに多い日はどうしていたのかとフィルに聞くと
「なんかみんなが入ってくれてお客さんが増えたみたいなんだ!」
と言っていた。自分も少しは役に立てているのか・・・よかった。
「フィル!昼飯できたぜ!」
リュークが上から下りてきた。
「ありがとうリューク。じゃあウォール、先にご飯食べよう。おかあさん後よろしくね」
そういって自分はフィルとリュークとともに5階に上がった。
今日の昼食は“リューク特製牛丼”だった。いかにも男の料理といった大味な逸品だ。
「おいしいねウォール」
「おいしいな」
「だろ!明日はウォールだかんな!楽しみにしてるぜ!」
明日の昼食は何にしようか・・・そう考えながら食べ終えた。
「さって・・・じゃあ配達行こうかな!」
少しゆっくりしてフィルが睡魔に負けまいと立ち上がると机に突っ伏していたリュークがハッと目覚めた。
「いくか」
自分も伸びをしてそのまま1階に降りて裏口から出た。
生憎まだ雨は降っている。
「じゃあ今日はどれで行く?」
そう言うとフィルは3台の車を指した。
車と言っても4輪のバイクのようなものでそれぞれに虎縞と三毛、銀色に塗装されていた。
「じゃあ俺は銀でいくぜ!」
リュークは即決だった。
「ウォールは?」
「では 虎縞で」
自分が選ぶとそこに持ってきた荷物を積み込んでいく。
「今日はそれぞれ“アイン”“ツヴァイ”“ドライ”が乗ってるから!」
そう、COROシリーズの兄弟達だ。彼らは5つのグループからなっていてそれぞれ数字を名前に付けている。
「よろしく アイン」
「よろしくお願いしますウォータル様」
アインは礼儀正しく執事のような口調だった。
「じゃあみんな気を付けてね!」
フィルが一足先に出発すると負けじとリュークも出ていった。
自分も準備ができ乗り込むと自動で動き出した。
自分たちは免許を持っていないのでアインたちの自動運転で配達先まで連れて行ってもらう。
少し雨が強くなってきたようだ・・・
こうしてみると故郷の雨を思い出す。自分が生まれた星は晴れている日が少なくいつも雨が降っていた。そんな日にはいつも家族と一緒に食卓を囲み、話をする。
楽しかったな・・・あの日までは。
『ウォール様、そろそろ目的地です』
いきなり母星の言葉で話しかけられた。
『なぜ知っている・・・』
「先ほど歌っておられました鼻歌に私の翻訳機能が働いたようです。お気に触られましたら申し訳ありません」
「いや いい・・・」
最初の目的地に着くと自分は車から降り荷物をポストに入れ、また車に乗り込んだ。
「ウォータル様、先ほどは申し訳ありません」
アインがまた申し訳なさそうに言う。
『いやいいんだ。それよりもう少しこの言葉で話してくれないか?』
ガラスに雨が辺り少し静寂が訪れた。
『わかりました。ウォータル様はあの星のご出身なのですね・・・』
『そうだ』
『なんと言っていいかわかりませんが・・・その』
『気にしなくていい。今が全てを忘れさせてくれる・・・』
また静寂が訪れた。
『フィリックスお坊ちゃまはどうですか?』
『フィルはこの星に来て初めての友人だ。あそこまで裏表がない人間は初めて見た』
『どうかお坊ちゃまと末永く仲良くしてやってください』
頭を下げて頼むアインの姿が見て取れる。
『もちろんだ』
『ありがとうございます。では失礼の代償と言っては何ですが、私の宝物をお見せしましょう』
そういうと車のモニターに映像が映し出された。映像には小さな男の子が画面にペタペタと触り笑っていた。
『これは?』
『私とお坊ちゃまの出会いでございます。私はゲンジ様に3番目に作られ、お坊ちゃまのお世話ももちろんのこと、家事の全てを教え込まれました』
映像が変わるとそこには男の子が泣きじゃくりながら機械に抱き着いていた。
『これは“ワン”に泣かされて私が慰めているところでございます』
また映像が変わり小学校だろうか・・・ハチマキをした男の子がおにぎりを頬張っていた。
『これは運動会の時でございます。この時でございましょうか、あの目を隠し始めたのは・・・』
フィルの目・・・。あの力は強大すぎる・・。使うものが使えば世界を変えてしまうだろう。
『しかし士官学校に入られて少し変わられました。ウォータル様や皆様のおかげです。それに、あの目のことを知っても離れないでいてくださった。卒業式の日、帰ってきたお坊ちゃまの顔は私の宝物になりました。』
最後に見せてくれた映像は画像だった。そこには眼帯を外し満面の笑みを見せるフィルの姿があった。
『自分たちはフィルの内面に惹かれたんだ。あんな目1つで嫌いになるわけない』
『ありがとうございます。それでなんですけどこのことはお坊ちゃまにはしばらく内密にお願いします。』
『大丈夫だ。・・・それでなんだがコロアイン、私の友になってくれないか?』
『私とですか?』
『そうだ。駄目か?』
『滅相もありませんウォータル様!こちらこそお願いします』
『よし、では様は無しだ。よろしくな“アイン”』
『よろしくおねがいします“ウォール”。・・・ではこの会話も業務日誌に?』
照れた様にアインが尋ねてきた。
『もちろんだ。友との思い出は書かねばならない』
『では差し出がましいですが翻訳を手伝わせていただけないでしょうか?』
『本当か?!実を言うと少し困っていたんだ。話すのと書くのはまた別物でな』
『では後で私のアドレスを送っておきます。そこにウォールの言葉で送っていただけたら私が翻訳しておきます。もちろん秘密は守りますよ』
よかった、これで辞書とにらめっこしなくてよくなった。
『すまないが頼む』
『大丈夫です!リューク様のパソコンのウイルス退治に比べればなんてこと・・・』
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「さて!そろそろ次の目的地ですよウォール!」
「わかった」
雨が止んできたようだ。
配達が終わり会社に、いや家に帰った自分をフィルが慌てた様子で迎えてくれた。
「お帰りウォール!」
「ただいま」
「リュークが道に迷ったって!ちょっと行ってくるから窓口お願いできる?!お客さん多いんだ!」
「わかった 気を付けてな」
「ありがとう、行ってきます!」
アインが最後に見せてくれた写真のような笑顔で手を振ったフィルは元気に出て行った。自分は裏口のドアに手をかけ入っていった。
昔話をするとフィルとは学校の入学式で初めて会った。
遅刻しそうになったフィルにぶつかられて本気で謝られた。
あの時のフィルの顔はどうも忘れられない。まるでこの世の終わりのような顔だった。
自分はどうも見た目で損をしている気がする。まあこれが自分の星では一般的な顔なのだが・・・
私も慌てて慣れない言葉で弁解するとフィルの顔が一瞬にして明るくなった。とても表情豊かな男だと思った。
その後は教室にいるときでも気さくに声をかけてくれるし、わからない言葉があればすぐ教えてくれた。
とてもいい友を持ったと思った。
リュークやマホ、アミィにアキラとも出会って自分の生きる道が開けた気がした。
だからリュークがフィルのところで働くと言ったとき正直に嬉しかった。
実際卒業していく当てもなかった自分に友が道を作ってくれた。
自分は誓った
“友の為に道を広げる”と!
友が開いてくれた道を自分が広げ歩けるようにする。
それが自分にできることだと思ったから。




