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第7話

 前世:幼少の頃に凄く好きだった漫画がある。


 それは某王手の人気週刊誌で連載されていた少年漫画。

 その名も【べるぜ◯ブ】だ。


 皆さんも知っていますか。

 知らない人の為にも、ざっくりと内容を説明をすると。


 喧嘩最強の不良高校生が、赤ん坊を拾う物語なんだけど、拾った赤ん坊が実は大魔王の息子だったという展開で。


 その後は数々の強敵と遭遇する訳だが、その度に持ち前の喧嘩根性で華麗にブチ倒して行く王道バトル漫画だ。


 某王手の人気週刊誌の中でも特に人気が高くて、連載時にはアニメも放送される程に人気だったんだぜ。


 マジで面白いから未読の方は是非読んでみて欲しいな。


 、、、。


 で。


 何故そんな話をしたのかと言うと。


 それは他でもない。

 現在進行形で類似した状況に直面しているからだ。


 話は少し戻って前回のラスト。


 馬車の残骸を弄っている際に偶然発見した赤ん坊。

 その事実を認識すると同時に。


 、、、。


 マジかよ。


 石像の様に固まってしまう俺。

 だがそれも当然の反応だと皆んなには主張したい。


 なにせ前世を含めてもこんな経験は初めて。

 どう対処をすれば良いのか全く分からないのだ。


 、、、。


 うん。


 本気でどうしよう。

 マジで困ったぞ。


 目の前でスヤスヤと寝息を立てる赤ん坊。


 最初に発見した女性と同じ綺麗な赤髪の為、彼女の子供と考えて間違いは無いだろう。


 そして発見状況から察するに、服や布に埋もれた事で偶然にも落下の衝撃を免れたのだ。


 だとすれば本当に奇跡だぞ。

 改めて助かって良かったなと心の底から思う。


 だが仮に生き残ったとしても今のままでは死を待つのみ。

 餓死してしまうのも時間の問題だ。


 ならば俺が拾って育てるべきか?


 いや。

 それはどう考えても現実的な選択肢ではないな。


 なにせ今の俺は自分の食糧確保すら困難な状況。


 その上で当然ながら子育ての経験もないのだ。

 そんな俺に赤ん坊のお世話が務まるとは到底思えないぞ。


 でもだからと言って他に良い案がある訳でもない。


 これぞまさに八方塞がりっ奴ではないだろうか。


 マジでどうしよう。


 う〜んと。


 え〜っと。


 、、、。


 そんな訳で。

 腕を組みながら必死に頭を悩ませ続けていると。


 その途中で。


 、、、。


 ピクリッ。


 えっ?


 赤ん坊の瞳が少しずつ動き始めた事に気付く。


 あれっ。


 まさか。


 起きちゃった!?


 だがそんな俺の動揺とは裏腹に。

 数秒後。


 、、、。


 パチリッ。


 !!!


 赤ん坊くんは完全に覚醒。


 そして。

 そのままパッチリとした大きな瞳で俺の存在を捉えると。


 、、、。


「あう?」


 不思議そうな表情で見つめて来るのだった。


 そんな突然の急展開に対して。


 、、、。


 うん。


 全く反応ができず、そのまま睨めっこを始めてしまう俺。


 、、、。


 って!

 いかんいかん!


 早く今後の対応策を考えないと!


 そんな訳で気を取り直して、改めて策の立案を試みる。


 、、、。


 が。


 、、、。


 うん。


 てかこの子。


 めっちゃ可愛いな。


 、、、。


 赤ん坊の可愛さに見惚れた事で、即座に再中断する思考。


 でも仕方がないよね。

 だって本当に可愛いんだもん。


 燃える様な赤い髪。

 そしてサファイアの如く透き通った碧眼。


 更には目鼻立ちも完璧で、まさに絵に描いた様な造形美が其処には存在していたのだから。


 この美貌を前にして、見惚れない奴が居るだろか。


 いや。

 そんな奴は絶対に居ないね。


 心の底から断言できるぜ。


 、、、。


 なんて。

 状況も忘れて、よく分からん主張を全力で行っていると。


「あいっ!あいっ!」


「ん?」


 突如として、元気な掛け声を発しながら、俺の方へと手を伸ばし始めた赤ん坊。


 お〜。


 急にどうした。


 何かあったのかな。


 、、、。


 疑問に思いながらも、赤ん坊の手に引き寄せられる形で、赤ん坊の方へと顔を寄せてみると。


 次の瞬間。


「あいっ!あいっ!」


 ぷにぷに。


 !!!


 とっても楽しそうに俺の両頬を触り始めたのだった。


 、、、。


「あいっ!あいっ!」


 ぷにぷに。


「キャッ!キャッ!」


 ぷにぷに。


 そのまま暫くの間、弾ける様な満面の笑みで、俺の両頬をプニプニする赤ん坊。


 、、、。


 、、、。


 うん。


 なんか可愛すぎるんですけどぉぉぉ!!!(※!?)


 なんだこの可愛い生き物は!!

 この世の天使なのか!!


 ぷにぷにのほっぺ!!

 ムチムチの手足!!


 そして愛くるしいお顔!!


 その全てが可愛すぎるんですけど!!

 てか可愛すぎて意味が分からないんですけど!!


 なんだコレ!!

 こんな可愛さが存在して良いのか!!


 いや!!良い訳がないでしょ!!

 だってどう考えてもチートでしょ!!


 クソッ!!


 まさかこんなにも可愛いとは!!


 こんなに可愛いとさ!!

 もはや食べてしまいたくなるよね!!(※!?)


 だってどう考えても絶対に美味しいよ!!(※!?)

 だから俺は美味しく頂くよ!!(※!?)


 、、、。


 てな感じで。

 赤ん坊の可愛さによって完全に破壊されてしまう俺の脳。


 そして。


 それと同時に決心した事が一つ。


 、、、。


 よし!!

 決めたぞ!!


 俺がこの子を育てる!!

 責任を持って育てるぜ!!


 そんな訳で。

 突然だが赤ん坊を育てる事が決まりました。


 これからよろしくな!!

 マイエンジェル!!


 いや!!マイスウィートハニー!!


 、、、。


 、、、。


 因みに補足しておくと。


 赤ん坊は男の子でした。

 それはもう可愛らしい()()がついていたぜ。

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